長崎県読書バリアフリー推進計画(概要版) 第1章 計画の基本的な考え方 1 計画策定の趣旨   全ての県民が等しく読書を通じて文字・活字文化の恩恵を受けることができる社会の実現に向け、「長崎県読書バリアフリー推進計画」を策定します。 2 計画の位置づけ   県の関連計画等の方向性と整合を図りながら、国の「読書バリアフリー法」第8条に基づき、長崎県における視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する計画について定めるものです。また、関連するSDGsの目標達成に貢献する計画とします。 3 計画の対象等   視覚障害、発達障害、肢体不自由その他の障害により、読書が難しい者、寝たきりやじょうしに障害がある等の理由により書籍を持つことやページをめくることが難しい者を対象とします。障害者手帳所持の有無は問いません。 4 計画の推進・評価   本計画の期間は、令和5年度(2023年度)からの5年間とし、市町、関係機関等と連携・協働し施策を推進します。施策等の進捗状況は定期的に点検・評価します。 第2章 視覚障害者等の読書環境の現状と課題 1 長崎県の現状  「長崎県総合計画チェンジ&チャレンジ2025」において、県立長崎図書館の機能充実を掲げ、施策の推進を図っています。また、「第6期長崎県障害福祉計画・第2期長崎県障害児福祉計画」において、視覚障害者等の読書環境を整備する施策を推進しています。 2 長崎県の課題 (1)アクセシブルな書籍・電子書籍等の収集、製作人材の確保  ・一般図書と比べて出版点数が少ない上に種類・分野に偏りがあり、デジタル録音図書の蔵書もニーズに対して十分ではありません。製作人材及び指導者の確保も難しくなっています。 (2)視覚障害者等が利用しやすい読書環境の整備  ・障害者向け読書支援サービスを充実させ周知をおこなっているものの、活用が進んでいません。図書館等の施設のバリアフリー環境の充実や、サポート人材の養成と資質向上も課題です。 (3)関係機関の連携の促進、読書バリアフリーの取組の周知  ・図書館等それぞれが実施する読書バリアフリーの取組の相互理解や情報共有等、関係機関の更なる連携が必要です。また、読書バリアフリーの意義や関係機関の取組が十分に周知されていません。 第3章 基本的な方針 1 誰もが利用しやすい本をそろえる、増やす 2 誰もが利用しやすい読書環境をつくる 3 みんなに開かれた読書環境があることを伝える 第4章 具体的な施策 1 誰もが利用しやすい本をそろえる、増やす (1)アクセシブルな書籍・電子書籍等の充実  ・拡大図書等のアクセシブルな書籍の充実や、アクセシブルな電子書籍等の導入に努めるとともに、相互貸借の仕組みづくりを行います。  ・アクセシブルな書籍・電子書籍等が全国的に利用できるネットワークの充実を図ります。 (2)アクセシブルな書籍・電子書籍等の製作及び製作者等の人材の養成  ・点字図書や録音図書等の製作を行うとともに、製作ノウハウや活動状況等の情報を共有します。  ・点やく/音やくボランティアの養成や技術向上を図るとともに、指導者の養成にも取り組みます。   2 誰もが利用しやすい読書環境をつくる (1)読書支援サービスの活用促進と、アクセシブルな書籍・電子書籍等の入手や端末機器の利用への支援  ・サピエ図書館等のシステムの周知や、様々な読書支援サービス等の情報提供に努め、利用促進を図ります。  ・端末機器の情報入手や習得、給付支援を行うとともに、学校における1人1台端末を活用した読書支援サービスの利用を促進します。 (2)円滑な利用のための読書環境の整備、支援の充実  ・図書館等の施設のバリアフリー化を促進し、設備の改善に努めます。  ・拡大読書機や読み上げ読書機等の読書支援機器の充実や機器情報の提供に努めるとともに、県立長崎図書館では、非来館型のサービスの充実に努めます。  ・教職員に対し、視覚障害者等の読書環境の整備の重要性について学ぶ機会を設けます。 (3)図書館サービス人材の養成・資質向上  ・図書館職員、学校図書館関係者等への情報提供や研修の充実を図ります。   3 みんなに開かれた読書環境があることを伝える (1)関係機関の連携の促進  ・図書館等の連携による相互貸借の仕組みづくりを行い、当該サービスの広報に努めます。  ・関係機関による視覚障害者等支援の情報共有、読書支援サービスの相互理解を促進します。  ・眼科医や治療用眼鏡販売店等を通じて、読書支援サービスの情報提供を行います。 (2)読書バリアフリーの取組の周知と普及啓発  ・読書バリアフリーの意義や取組、読書支援サービスについて県民に広く周知し、共生社会の実現に向けた機運を高めます。  ・教育関係者に読書バリアフリーの意義・取組を周知し、若い世代への普及啓発を図ります。 <参考> 「視覚障害者等」とは:視覚障害、発達障害、肢体不自由その他の障害により、書籍について、視覚による表現の認識が困難な者 「アクセシブルな書籍」とは:点字図書、拡大図書、触る絵本、LLブック、布の絵本等 「アクセシブルな電子書籍等」とは:音声読み上げ対応の電子書籍、録音図書、オーディオブック等