長崎県読書バリアフリー推進計画 令和5年1月 長崎県 目次 第1章 計画の基本的な考え方  1 計画策定の趣旨  2 計画の位置づけ  3 計画の対象等  4 計画の推進、評価  5 SDGsとの関係 第2章 視覚障害者等の読書環境の現状と課題  1 長崎県の現状     <参考>視覚障害者等が利用しやすい読書支援サービス  2 長崎県の課題 第3章 基本的な方針  1 誰もが利用しやすい本をそろえる、増やす  2 誰もが利用しやすい読書環境をつくる  3 みんなに開かれた読書環境があることを伝える 第4章 具体的な施策  1 誰もが利用しやすい本をそろえる、増やす  (1)アクセシブルな書籍・電子書籍等の充実  (2)アクセシブルな書籍・電子書籍等の製作及び製作者等の人材の養成    2 誰もが利用しやすい読書環境をつくる  (1)読書支援サービスの活用促進と、アクセシブルな書籍・電子書籍等の入手や端末機器の利用への支援  (2)円滑な利用のための読書環境の整備、支援の充実  (3)図書館サービス人材の養成・資質向上  3 みんなに開かれた読書環境があることを伝える  (1)関係機関の連携の促進  (2)読書バリアフリーの取組の周知と普及啓発   数値目標   資料   長崎県立長崎図書館の概要   長崎県視覚障害者情報センターの概要   第1章 計画の基本的な考え方 1 計画策定の趣旨  「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(以下「読書バリアフリー法」という。)は、視覚障害、発達障害、肢体不自由その他の障害により、書籍について、視覚による表現の認識が困難な者の読書環境を整備することによって、障害の有無にかかわらず全ての国民が等しく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に寄与することを目的としています。  その実現のため、「読書バリアフリー法」では第5条において、地方公共団体は、「国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する」と規定し、また、第8条において、地方公共団体は、(国の)基本計画を勘案して、「当該地方公共団体における視覚障害者等の読書環境の整備の状況等を踏まえ、当該地方公共団体における視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する計画を定めるよう努めなければならない」として、地方公共団体における計画の策定を求めています。  そこで、長崎県における基本的な施策の方向性を示し、「読書バリアフリー法」の理念の具現化を目指すため、本計画を策定します。全ての県民が等しく読書を通じて文字・活字文化の恩恵を受けることができる社会の実現に向け、取り組んでいきます。 2 計画の位置づけ  本計画は、「長崎県総合計画チェンジ&チャレンジ2025」(令和3年3月策定)、「第三期長崎県教育振興基本計画」(平成31年3月策定)、「第四次長崎県子ども読書活動推進計画」(平成31年3月策定)、「第6期長崎県障害福祉計画・第2期長崎県障害児福祉計画」(令和3年3月策定)等、県の関連計画等の方向性と整合を図りながら、「読書バリアフリー法」第8条に基づき、長崎県における視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する計画について定めるものです。  また、「誰一人取り残さない」という「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の理念を踏まえ、関連するSDGs(持続可能な開発目標)の目標達成に貢献する計画とします。 3 計画の対象等  本計画は、視覚障害、発達障害、肢体不自由その他の障害により、読書(活字によって表現された書籍を読むこと)が難しい者、寝たきりや上肢に障害がある等の理由により書籍を持つことやページをめくることが難しい者(以下「視覚障害者等」という。)を対象とします。  なお、障害者手帳所持の有無は問いません。  また、「書籍」とは、雑誌、新聞その他の刊行物を含みます。 4 計画の推進、評価 (1)計画期間  本計画の期間は、令和5年度(2023年度)から令和9年度(2027年度)の5年間とします。 (2)推進体制  本計画に基づき、市町、関係機関等と連携・協働し、視覚障害者等の読書環境を整備する施策を推進します。 (3)計画の周知  本計画や関係施策の周知を図るため、県のホームページ等で情報発信を行います。周知にあたっては、わかりやすい内容となるよう工夫するとともに、点字版や読み上げに対応したテキストデータを作成し、関係機関と連携して、広く周知を図ります。 (4)進行管理、評価  計画に掲げた施策や指標の進捗状況については、定期的に点検・評価します。  また、社会情勢の変化等を踏まえ、必要に応じて計画の見直しを行います。 5 SDGsとの関係   視覚障害者等の読書環境の整備を推進することは、障害のある方の社会参加・活躍の促進や共生社会の実現に寄与し、SDGsの目標達成に貢献します。 <関連するゴール>   4 質の高い教育をみんなに  10 人や国の不平等をなくそう  16 平和と公正をすべての人に 第2章 視覚障害者等の読書環境の現状と課題 1 長崎県の現状  本県では、令和3年3月に策定した「長崎県総合計画チェンジ&チャレンジ2025」において、豊かな人生を支える県民の学習環境の整備のために、市町立図書館の支援、県民の課題解決支援サービスの実施、視覚障害者等のための読書環境の整備など県立長崎図書館の機能充実を掲げ、施策の推進を図っています。  また、同じく令和3年3月策定の「第6期長崎県障害福祉計画・第2期長崎県障害児福祉計画」においては、県視覚障害者情報センターが有する視覚障害者に対する読書環境を整備するためのノウハウを、各種協議会や研修会を通じて公立図書館等へ提供するなど、視覚障害者等の読書環境を整備する施策を推進しています。    関係機関における主な取組は、以下のとおりです。    県視覚障害者情報センター ・点字図書や音訳図書等の視覚障害者等が利用しやすい書籍等*1の収集、閲覧、貸出を実施しています。 ・市町立図書館(公民館図書室も含む。以下同じ。)向けの貸出や、視覚障害者手帳の保持者を対象とした点字用郵便(特定録音物等郵便物)による郵送サービスを行っています。 ・点字図書や音訳図書の製作を行うとともに、製作ボランティアの養成講座や研修会を開いて、ボランティア等の技術向上に努めています。 ・点訳・音訳した図書のデータは、サピエ図書館*2を通じて全国の利用者に提供しています。 *1「視覚障害者等が利用しやすい書籍等」とは:視覚障害者等がその内容を容易に認識することができる書籍や、電子書籍その他の書籍に相当する文字、音声、点字等の電磁的記録(電子データ)であって、電子計算機(コンピュータ)等を利用して視覚障害者等がその内容を容易に認識することができるものの総称。 *2「サピエ図書館」とは:視覚障害者や活字による読書に困難のある人に対して、さまざまな情報を点字・音声データなどで提供するネットワークシステムであり、全国最大の視覚障害者等が利用しやすい書籍等のデータベース。施設や団体、個人で加入できる。 県立長崎図書館 ・大活字本、LLブック等の視覚障害者等が利用しやすい書籍の収集や閲覧、貸出を実施しています。また、市町立図書館、県内高等学校・特別支援学校、大学図書館への協力貸出を行っています。 ・サピエ図書館、国立国会図書館視覚障害者等用データ送信サービスに加入しており、10万タイトル以上の音声デイジー図書の提供が可能な「視覚障害者等サービス」を行っています。 ・図書館に直接来館することが難しい方に対して郵送により書籍の貸出を行う「障害者ふれあいブックメールサービス」を実施しています。 ・利用者のニーズに応じて対面朗読、拡大読書機・読み上げ読書機の館内貸出等の読書支援サービスを実施しています。 ・市町立図書館職員向けに読書支援サービスについての研修会を開催しています。  特別支援学校の図書館  ・障害の状態や特性、発達段階に応じた書籍や読書環境が整備されています。 ・車椅子での利用を考慮した配架や本棚の工夫、書架やカウンターに誘導する床面ガイドの設置など、図書館のユニバーサルデザイン化を進めています。  ・視覚障害のある児童生徒のために、新着図書等の最新情報を児童生徒や保護者にメール配信するなど、書籍情報の提供方法を工夫しています。 <参考> 視覚障害者等が利用しやすい読書支援サービス  国が令和2年7月に策定した「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画」において、「視覚障害者等が利用しやすい書籍」(以下、「アクセシブルな書籍」という。)、「視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等」(以下、「アクセシブルな電子書籍等」という。)として、以下のようなものが例示されています。  1 アクセシブルな書籍  点字図書、拡大図書その他の視覚障害者等がその内容を容易に認識することができる書籍。  (1) 点字図書 視覚障害者のために点字などで記述された図書。点訳図書ともいう。  (2) 拡大図書 弱視者や高齢者などが読みやすいよう、内容はそのままで、文字や図版を拡大して複製された図書。  (3) 音訳図書  音声により録音された図書。かつてはカセットテープが主流であった。  (4) 触る絵本 触れて鑑賞する絵本。挿絵が様々な材料で作られており、立体的にわかる工夫が施されている。  (5) LLブック 読むことに困難を伴いがちな人を対象に、生活年齢に合った内容を、わかりやすく読みやすい形で提供すべく書かれた本。  (6) 布の絵本 本全体が布でできた絵本。絵本と遊具の性質を兼ね備えている。  2 アクセシブルな電子書籍等   電子書籍その他の書籍に相当する文字、音声、点字等の電磁的記録(電子データ)であって、電子計算機(コンピュータ)等を利用して視覚障害者等がその内容を容易に認識することができるもの。  (1) 音声読み上げ対応の電子書籍 パソコン・タブレット端末・スマートフォン等の音声読み上げソフトを利用することで読み上げることができる電子書籍。  (2) デイジー図書 国際標準規格に基づいて作られたデジタル録音図書。「テキストデイジー」や「音声デイジー」、本文の文字・画像が音声と同期している「マルチメディアデイジー」がある。  (3) オーディオブック 読み上げまたは口演し、必要に応じて効果音及びBGM等が付与された、利用者が耳で聴くことを通じて情報を得る電子音声コンテンツ。  (4) テキストデータ コンピュータの画面に表示可能なデジタルデータとしての文字列や文書。  3 その他の読書支援サービス  (1) 拡大読書機 カメラで撮影した文字や画像をモニタに大きく表示する機器。  (2) 読み上げ読書機 本や雑誌等の印刷された「活字文章」を認識し、音声読み上げをする機器。  (3) 対面朗読 朗読者が指定された書籍等を直接読み上げること。  (4) スクリーンリーダー パソコンなどの画面表示を音声化して操作を補助するソフト。  (5) ページめくり機    ページをめくる動作をボタンやスイッチなどで行うことができる機器。         2 長崎県の課題  本県在住の障害者等や関係団体等からの意見、長崎県読書バリアフリー推進計画策定に係る懇談会委員からの意見等を基に、本県における主な課題を次のとおり整理しました。 (1) アクセシブルな書籍・電子書籍等の収集、製作人材の確保における課題 ・アクセシブルな書籍・電子書籍等の出版点数は、一般図書と比べて少ない状況にあります。さらに小説など文芸書の割合が高く、学習用図書や専門書は少ないなど、種類・分野に偏りがあります。 ・県視覚障害者情報センターの蔵書に占めるデジタル録音図書の割合は、近年貸出実績が拡大しているため、ニーズに対して十分とはいえない状況です。 ・高齢化や生活の多様化等の理由により、点字図書やデジタル録音図書の製作に協力する人材及び指導者の確保が難しくなっています。 (2) 視覚障害者等が利用しやすい読書環境の整備における課題 ・サピエ図書館への加入を始めとする様々な障害者向け読書支援サービスを充実させ周知を行っているものの、活用が進んでいません。また、端末機器の操作等、サービスを利用する際の支援も必要です。 ・県視覚障害者情報センターの障害者向けの郵送サービスは、対象を視覚障害者に限定するものがあるなど、視覚障害者以外の読書困難者へのさらなる支援について検討する必要があります。 ・公立図書館等の利用におけるバリアフリー環境を充実させる必要があります。館内で支援を行うサポート人材の養成とさらなる資質向上も課題です。 (3)関係機関の連携の促進、読書バリアフリーの取組の周知における課題 ・県立長崎図書館、県視覚障害者情報センター、市町立図書館、学校図書館等で、それぞれが実施する読書バリアフリーの取組の相互理解や情報共有等、関係機関のさらなる連携が必要です。 ・読書バリアフリーの意義や関係機関が実施している取組が十分に周知されていません。 第3章 基本的な方針  読書は生涯にわたって個人の学びや成長を支えるものであり、教養や娯楽を得る手段のみならず、教育や就労を支える重要な活動です。  県内における視覚障害者等の読書環境の整備を通じ、障害の有無にかかわらず、全ての県民が読書に親しみ、読書を通じて豊かな人生を送ることができるよう、以下の基本的な方針のもと、具体的な施策に取り組みます。 1 誰もが利用しやすい本をそろえる、増やす ・視覚障害者等利用者の特性やニーズに対応した様々な種類・分野のアクセシブルな書籍・電子書籍等の充実に努めます。 ・アクセシブルな書籍・電子書籍等の製作に引き続き取り組むとともに、製作に関する人材の養成、資質の向上及び確保に取り組みます。 2 誰もが利用しやすい読書環境をつくる ・サピエ図書館や国立国会図書館視覚障害者等用データ送信サービス、県立長崎図書館及び県視覚障害者情報センター等の読書支援サービスについて周知し、アクセシブルな書籍・電子書籍等の入手や端末機器等の利用について支援を行うことで利用拡大を目指します。 ・誰もが図書館を円滑に利用できるよう、利用者の障害等の特性やニーズに対応した環境の整備、支援の充実に努めます。 ・公立図書館、学校図書館等で支援を行うサポート人材を養成し、各関係機関における読書バリアフリーの取組を推進します。 3 みんなに開かれた読書環境があることを伝える ・県、市町、公立図書館、学校図書館、医療・福祉関係機関、ボランティア団体等の視覚障害等の支援に関する情報共有を図ります。 ・読書バリアフリーの意義や取組について、県民への周知・普及啓発を図ります。 第4章 具体的な施策 1 誰もが利用しやすい本をそろえる、増やす (1)アクセシブルな書籍・電子書籍等の充実 ・種類や分野にも配慮しながら、拡大図書、LLブック、触る絵本等のアクセシブルな書籍の充実に努めるとともに、文字拡大機能や読み上げ機能を有したアクセシブルな電子書籍等の導入を行います。 【県立長崎図書館】 ・市町立図書館、学校図書館、国立国会図書館、サピエ図書館の連携による相互貸借の仕組みづくりを更に進めます。 【県立長崎図書館、県視覚障害者情報センター】 ・製作した点字図書データ・デジタル録音図書データをサピエ図書館へ提供するなど、アクセシブルな書籍・電子書籍等が全国的に利用できるネットワークの充実に寄与します。 【県視覚障害者情報センター】 (2)アクセシブルな書籍・電子書籍等の製作及び製作者等の人材の養成 ・アクセシブルな書籍の製作が多くの図書館ボランティア等で行われるよう、これまで各団体が培ってきた製作ノウハウや活動状況等を、市町立図書館や関係する施設、図書館ボランティア等に情報提供します。 【県立長崎図書館、県生涯学習課】 ・サピエ図書館登録文書の製作基準にのっとり、引き続きアクセシブルな電子書籍等の製作を行うとともに、製作ノウハウや製作された書籍等の情報を共有し製作の効率化に努めます。 【県視覚障害者情報センター】 ・点訳・音訳ボランティアの募集やボランティア体験について周知を図り、製作人材の確保に努めます。また、点訳・音訳ボランティアの養成・技術向上のための研修会等を引き続き実施するとともに、指導者の養成にも取り組みます。 【県視覚障害者情報センター】 ・アクセシブルな書籍・電子書籍等の製作の様子を学校等に紹介することで、児童生徒や教職員の興味を喚起し、高校生など若年者等への製作人材のすそ野拡大を図ります。 【県特別支援教育課】 2 誰もが利用しやすい読書環境をつくる (1)読書支援サービスの活用促進と、アクセシブルな書籍・電子書籍等の入手や端末機器の利用への支援 ・サピエ図書館や国立国会図書館視覚障害者等用データ送信サービスの十分な活用を図るため、これらシステムの周知に努めます。 【県立長崎図書館、県視覚障害者情報センター】 ・「視覚障害者等サービス」(視覚障害者等向けデイジー図書貸出サービス)のリーフレットを作成し、関係機関を通して配布することで、視覚障害者等のさらなる活用促進を図ります。 【県立長崎図書館】 ・視覚障害者等に対し、様々な読書支援サービス等についての情報を提供します。また、サピエ図書館や国立国会図書館視覚障害者等用データ送信サービス等の利用にかかる、パソコン、タブレット、スマートフォン等の端末機器の情報入手や、利用方法に関する相談及び習得支援を行います。 【県視覚障害者情報センター、県特別支援教育課】 ・特別支援学校においては、県視覚障害者情報センターや公立図書館等と連携し、校外学習や図書館職員による出前講座を実施するとともに、一人一台端末を活用した読書支援サービスの利用を促進します。 【県特別支援教育課】 ・市町が実施している日常生活用具給付等事業を通じて、アクセシブルな電子書籍等を利用するための点字ディスプレイ、デイジープレイヤー等の端末機器等の情報提供や給付の支援を行います。  ※障害の種類・等級によっては、対象外となる場合があります。 【県障害福祉課】 (2)円滑な利用のための読書環境の整備、支援の充実 ・利用者の障害等の特性に応じてバリアフリー化を促進し、点字ブロック、点字表示、ピクトグラム、多目的トイレ、エレベーター、パーキングパーミット(身障者等移動に配慮が必要な方向けの駐車区画)等の設備の改善に努めます。 【県立長崎図書館、県視覚障害者情報センター】 ・視覚障害者等向け書籍紹介コーナー、対面朗読室、車椅子対応閲覧席等の設置や、拡大読書機、読み上げ読書機、デイジー再生機等の読書支援機器の充実を図るとともに、市町立図書館や学校図書館に対し、機器情報の提供に努めます。 【県立長崎図書館、県視覚障害者情報センター】 ・図書館に直接来館することが難しい方に向けて「障害者ふれあいブックメールサービス」(障害者向け図書配送サービス)や「高齢者等有料配送サービス」、「視覚障害者等サービス」など非来館型のサービスの充実に努め、利用者登録から電子書籍利用まで全て非来館で行える環境を整備します。 【県立長崎図書館】 ・視覚障害者等に対して点字・録音図書等の郵送サービス等を実施するとともに公立図書館と連携したサービスの充実に努めます。 【県視覚障害者情報センター】 ・特別支援学校、特別支援学級設置校、視覚障害等のある児童生徒が在籍する学校の教職員に対し、研修会等を通して視覚障害者等に対する読書環境の整備の重要性について学ぶ機会を設けます。 【県特別支援教育課、県生涯学習課】 (3)図書館サービス人材の養成・資質向上 ・司書教諭、学校司書、読書ボランティア等を対象に、様々な障害の特性や合理的配慮、読書バリアフリーの重要性について理解を深める研修を行います。 【県生涯学習課】 ・市町立図書館等における障害者サービスの推進を図るため、障害者サービスを理解し必要とされる支援方法を習得できるよう、図書館等職員に向けた情報提供や研修の充実を図ります。 【県立長崎図書館】 3 みんなに開かれた読書環境があることを伝える (1)関係機関の連携の促進 ・県立長崎図書館、県視覚障害者情報センター、市町立図書館、学校図書館、国立国会図書館、サピエ図書館の連携による相互貸借の仕組みづくりを行い、当該サービスに関する広報に努めます。 【県立長崎図書館】 ・県、市町、公立図書館、学校図書館、医療・福祉関係機関、ボランティア団体等における視覚障害者等の支援に関する情報を共有し、それぞれが行っている読書支援サービスの相互理解を促進します。 【県生涯学習課】 ・視覚障害者等にとって身近な医療機関である眼科医などのかかりつけ医、治療用眼鏡等を扱う販売店等を通じて、視覚障害者等を対象とした読書支援サービスについての情報提供を行います。 【県視覚障害者情報センター、県障害福祉課】 ・県内各市町における読書バリアフリー施策の推進を支援し、県全体の読書バリアフリー環境の整備・充実を目指します。 【県障害福祉課、県生涯学習課】 (2)読書バリアフリーの取組の周知と普及啓発 ・障害の有無にかかわらず全ての人が読書を通じて豊かな生活が送れるよう、メディアやパンフレット等を通して、読書バリアフリーの意義や取組、視覚障害者等が利用しやすい読書支援サービスについて県民に広く周知し、共生社会の実現に向けた気運を高めます。 【県生涯学習課】 ・ホームページや館内での展示・イベント等を通じて、読書バリアフリーの意義や取組について、視覚障害者等にとどまらず、その家族や支援者等への周知に努めます。 【県立長崎図書館、県視覚障害者情報センター】 ・社会教育関係者や学校教育関係者を対象とした研修会等において、読書バリアフリーの意義や取組についての周知を図ります。また、県高等学校文化連盟(図書専門部)等と連携するなど、様々な機会を通じて高校生など若い世代への普及啓発を図ります。 【県生涯学習課】 数値目標 指標 基準値 令和4年度 目標値 令和9年度 担当 指標1 アクセシブルな書籍・電子書籍等の所蔵数 アクセシブルな書籍・電子書籍等の所蔵冊数 基準値 令和4年度 3,720冊 目標値 令和9年度 5,700冊 担当 県立長崎図書館 アクセシブルな書籍・電子書籍等の所蔵タイトル数(うち電子書籍等) 基準値 令和4年度 11,969タイトル(5,144タイトル) 目標値 令和9年度 13,800タイトル(5,750タイトル) 担当 県視覚障害者情報センター 指標2 アクセシブルな書籍・電子書籍等を導入している特別支援学校(学校図書館)数 アクセシブルな書籍の導入校数 基準値 令和4年度 17校 目標値 令和9年度 17校を維持 担当 県特別支援教育課 アクセシブルな電子書籍等の導入校数 基準値 令和4年度 1校 目標値 令和9年度 7校 担当 県特別支援教育課 指標3 年間に製作するアクセシブルな書籍・電子書籍等のタイトル数 点字図書 基準値 令和4年度 172タイトル 目標値 令和9年度 181タイトル CD録音図書 基準値 令和4年度 38タイトル 目標値 令和9年度 45タイトル テキストデイジー 基準値 令和4年度 24タイトル 目標値 令和9年度 30タイトル 担当 県視覚障害者情報センター 指標4 アクセシブルな書籍・電子書籍等の貸出数 大活字本の貸出冊数 基準値 令和4年度 8,229冊 目標値 令和9年度 9,500冊 担当 県立長崎図書館 サピエ図書館のデータ利用数と蔵書(雑誌を含む)の貸出タイトル数 基準値 令和4年度 62,257タイトル 目標値 令和9年度 63,200タイトル 担当 県視覚障害者情報センター 指標5 視覚障害者等を対象にしたサービスの登録者・利用回数 「障害者ふれあいブックメールサービス」「視覚障害者等サービス」「高齢者等有料配送サービス」の登録者数累計 基準値 令和4年度 累計69人 目標値 令和9年度 累計120人 担当 県立長崎図書館 「プライベートサービス」「対面朗読」「レファレンス」「相談支援」「啓発活動」「関係福祉団体サービス」の利用回数 基準値 令和4年度 1,451回 目標値 令和9年度 1,500回 県視覚障害者情報センター 指標6 点訳・音訳ボランティアの新規登録者数 基準値 令和4年度 14人 目標値 令和9年度 15人 担当 県視覚障害者情報センター 指標7 図書館職員等への読書バリアフリーに関連する研修会の受講者数 実務研修会受講者数累計(県内図書館職員を対象) 基準値 令和4年度 0人 目標値 令和9年度 累計400人 担当 県立長崎図書館 司書教諭等研修会受講者数 基準値 令和4年度 0人 目標値 令和9年度 50人 スキルアップセミナー受講者数 基準値 令和4年度 0人 目標値 令和9年度 70人 担当 県生涯学習課 指標8 読書バリアフリー推進計画を策定している(読書推進計画等に反映している)市町数 基準値 令和4年度 5市町 目標値 令和9年度 21市町 担当 県生涯学習課 資料 【長崎県立長崎図書館の概要】  令和元年10月、県立長崎図書館と大村市立図書館が施設区分のない一つの図書館(ミライon図書館)として整備されました。本県における生涯学習社会実現のための知の拠点として、資料及び情報の収集、整理、保存に努めるとともに、県内公立図書館等と連携・協力し、県民や地域の豊かな暮らしに役立つ資料や情報を積極的に提供する図書館を目指しています。 ミライon図書館として130万冊以上の蔵書があり、バリアフリー資料としては、大活字本、LLブック、朗読CD、字幕・音声案内付DVD等があります。  令和4年3月には、長崎県に関する郷土の資料を収集、提供、保存する施設として、郷土資料センターが開館しました。 【開館時間】 【平日】10:00〜20:00        【土日祝日】 10:00〜18:00 【休館日】 毎週月曜日、年末年始 【場所】 〒 856−0831 長崎県大村市東本町481 【電話番号】  (0957)48−7700 【ファックス】 (0957)48−7703 【ホームページアドレス】 https://miraionlibrary.jp/ <県立長崎図書館が行っている視覚障害者等を対象にしたサービス> ○視覚障害者等サービス  活字による読書に困難を感じている方のためのサービスです。「サピエ」や「国立国会図書館視覚障害者等用データ送信サービス」を利用して、自宅から直接ダウンロードして視聴したり、音声デイジー図書のデータをコピーしたCDを借りたりすることができます。 【対象】以下のような理由で活字による読書に困難を感じている方。なお、障害者手帳の有無は問いません。  ・病気等で文字が読みにくくなった方  ・視覚にハンディキャップがある方 ・上肢に障害等があり、本を長時間持ったり、ページをめくったりするのがつらい方 ※ その他、上記以外の理由で活字による読書に困難を感じている方でも、ご利用いただける場合があります。 ○障害者ふれあいブックメールサービス  身体的障害などのため図書館の利用が困難な方に、郵送による図書館資料の貸出を行うサービスです。 【対象】県内在住の身体障害者手帳(区分により程度に違いがあります)をお持ちの方 【利用について】  ・図書等:貸出可能なミライon図書館所蔵の図書等  ・冊数:50冊  ・期間:22日間以内(往復の配送期間を含む)  ※送料は長崎県立長崎図書館が往復負担します。 ○対面朗読サービス  文字を自力で読むことが困難な人に向けたサービスです。図書館にある資料を、ボランティアが対面朗読室でお読みします。 ○高齢者等有料配送サービス  近くの公立図書館等に行くことが難しい方に、図書等を有料で直接自宅に配送するサービスです。 【対象】 県内に居住される方で以下のいずれかに該当する方  ・75歳以上 ・要介護認定者 ・要支援認定者 ・運転免許証を自主返納した方 【利用について】  ・図書等:貸出可能なミライon図書館所蔵の図書等  ・冊数:50冊  ・期間:22日間以内(往復の配送期間を含む) 【長崎県視覚障害者情報センターの概要】  視覚に障害のある方々に点字図書・録音図書・広報誌の点字版・録音版の作製と貸出等を行い、視覚障害者の情報入手の援助をし、ひいてはその生活と文化を向上させ、自立と社会参加の促進を図っています。いわゆる「身体障害者社会参加支援施設」の一つである「視聴覚障害者情報提供施設」です。 約12,000タイトルの図書を所蔵しています。  【開館時間】 9:00〜17:00  【休館日】 毎週火曜日・祝日・年末年始 【場所】 〒852−8114 長崎市橋口町10番22号 長崎子ども・女性・障害者支援センター3階 【電話番号】  (095)846−9021 【ファックス】 (095)843−4589 【ホームページアドレス】 https://www.normanet.ne.jp/~nagasaki/index.htm 【長崎県視覚障害者情報センター佐世保】 【開館時間】 水・木・金曜日 10:00〜16:00(祝日・年末年始を除く) 【場所】 〒857−0043 佐世保市天満町1番27号 県北振興局天満庁舎1階 【電話番号】  (0956)25−3336 【ファックス】 (0956)25−3355 <視覚障害者情報センターが行っているサービス> ○点字図書・録音図書の貸出  利用者の希望を受け、主として郵送により点字図書、録音図書の貸出を行います。長崎県視覚障害者情報センターにない図書は、他の施設から借り受けて貸し出します。 ○県・市・町の広報誌の点訳・音訳の製作協力  県・市・町の依頼を受けて、その広報誌の点字版・録音版製作にかかる点訳・音訳や編集等の協力を行います。 ○プライベートサービス  利用者の希望を受けて、一般図書、資料、取扱説明書等の点訳・音訳及び対面朗読を行います。 ○定期刊行物(雑誌類)の提供  新聞の切抜、雑誌の抜粋等を主たる内容とする定期刊行物(点字雑誌・録音雑誌)を作製し、希望者に提供します。 ○レファレンス  利用者からの刊行物、資料等の所在、語句や内容の問合せに答えます。 ○自立支援  定期的に、また利用者の希望に応じて、更生相談、音声パソコン等の情報機器操作訓練等の自立支援を行います。 ○点訳・音訳ボランティアの養成  点訳・音訳奉仕員養成講座や、登録ボランティアの技術向上のための研修を開催しています。 ○その他  懇談や映画上映会・ビブリオバトル等のイベントを開催し、利用者やボランティアとの交流を深めています。  県立盲学校等の教育機関に対して、情報提供サービス等相互に連携協力しています。  一般市民や関係各機関に対して、視覚障害の理解を深めるための啓発活動を行います。