長崎県

Vol. 138 中国 郭麗 (カク レイ)


2017年11月13日更新

ダージャハオ。
みなさん、こんにちは。長崎県国際交流員の郭麗です。

お久しぶりですね。お元気でしたか。
時の経つのは早いものですね。この前バレンタインデーも終わったと思っていたら、すでにお花見をする季節になっていました。

ところで、バレンタインデーと言えば、中国ではこの日に男性が好きな女性にお花やチョコレートなどを贈り、愛を告白するのが普通ですが、日本ではこれと反対に女性の方が好きな男性に愛を表すのだと初めて聞いたときはびっくりしました。両国は地理的にこんなに近いのに、こんなに違いがあるのは面白いなあと思いました。でも、今は全然不思議に思わなくなりました。もともと男性であれ、女性であれ、同じく愛を告白する権利を持っていますから、どちらが相手に告白するかはまったく個人の自由です。そして、同じイベントでも地方や国により過ごし方がそれぞれ違っているからこそ、この世界は面白いと思います。

実は、バレンタインデーの過ごし方だけではなく、両国は色々な面でも異なっていると長崎に来てますます感じるようになりました。
例えば、両国ともお酒が好きな国ですが、飲むお酒の種類は勿論、飲み方や酒席の作法もかなり違っていて、面白いと思います。
では、今回は、「中国の酒文化――酒席の作法」について簡単にご紹介いたします。

 

皆さんは中国人と一緒にお酒を飲んだことがありますか。ある方は、いかがでしたか。散々飲まされたと思いましたか。ない方は、中国人と一緒に食事をすると散々飲まされてしまうのではないかと心配しますか。
正直に言えば、中国人として、教えていただかなくても、皆さんのご回答がどうなるのか大体想像がつきます。(笑)

皆さんに中国人の友人がいるならご存知だと思いますが、「有朋自遠方来不亦楽乎(とも有り、遠方より来る。また楽しからずや)」という「論語」の名句のように、中国人は客好きです。
そして、中国では、「无酒不成席」という言葉があります。日本語で説明すれば、「お酒なしには、宴にはならない」という意味です。客好きの中国人にとって、お客さんが来たら、できる限りの一番おいしい料理とお酒を招待するのが普通です。
また、「酒逢知己千杯少(友人と会って酒を飲むときは千杯の酒でも飲み足りない)」という言い方のように、中国人は気が合う友人と話をしながらお酒を沢山飲んでしまうのは自然で当たり前のことだと思うのが普通です。

乾杯 乾杯
http://s6.sinaimg.cn/mw690/001JMfyuzy6QDswGbKB65&690

中国人の客好きは、酒の席で遺憾なく発揮されるといわれています。気持ちの交流は往々にして酒をもてなす際に高まります。中国人はよく相手に多く飲んでもらいたいと思うことがあり、そうすることで主人としての務めを尽くそうとするのが礼儀正しいと思われています。客人が多く飲めばそれだけ、客人が自らを重く見ていることを示し、仮に客人が酒を飲まなければ、主人は顔をつぶされたと感じるかもしれません。

総括すれば、人に酒を勧める方法は「文敬」、「回敬」などがあります。中国の酒文化を知らない人にとっては、ちょっと大変かもしれませんが、そこには純朴な民間の風俗や気風が残されています。

「文敬」:礼節をもって客人に酒を勧めること。
酒席が開かれると、主人が挨拶をすることがよくあり、その後に最初の酒のもてなしが始まります。主人は立ち上がって先ず、杯の中の酒を一気に飲み干し、空になった杯を下に向けて、飲み干したことを示し、客人に対する尊重の気持ちを表します。客人も一般に飲み干さなければならないのですが、どうしても無理であれば、適度に飲めばいいです。席では、主人がよくそれぞれのテーブルを回って酒をもてなすことがあります。

「回敬」:客人が主人に酒を勧めること。主人から酒をもてなしてもらった礼を返すという意味です。招待された側の客は大体主人に「回敬」をするので、主人は結構お酒に強くなければ酔っ払いになる可能性が十分あります。

「互敬」:客人と客人との間で酒を勧めること。相手に酒を多く飲ませるには、勧める方は相手の飲まなければならない理由を探し出し、勧められる方はそれを断る理由が探せない場合は、飲まなければならないということです。こうすることで双方の気持ちの交流は高まります。

「代飲」:風格を失わず、客人と主人を興ざめさせずに酒のもてなしを避ける方法。本人が酒を飲めない、または飲みすぎる時に、主人または客人が酒を勧めることでどうしても敬意を表したいとする時に、特別な関係にある人に頼んで飲んでもらうことができます。結婚式では、花婿と花嫁の介添え役が代わって飲むことが多いですが、酒にかなり強くなくては務まらないです。
酒を勧めるために、酒席ではユーモラスな言い方が多いです。「気持ちが深ければ、一口で飲み干す。気持ちが厚ければ、多く飲むことだ」とか「気持ちが浅ければ、ちょっと舐めればいい」など。

「罰酒」:酒を飲ませる一種独特の方法。理由もいろいろあります。最もよく見られるのが、酒席に遅れた人に対する「罰酒三杯」でしょう。時には冗談めいた意味を帯びることがあります。
そして、日本の「駆けつけ3杯」という言葉を始めて聞いたとき「まさか」とびっくりしました。言葉の表現は違いますが、意味はまったく同じなのです。

ここまで読まれて、皆さんはどのように思われましたか。やっぱり中国人はお酒に強く、そして酒席での作法が大変ですから、これから中国へ行くのを遠慮しようかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、同じくお酒を飲むことでも、両国はこんなに大きな違いがあるからこそ、面白いのではないかと思います。
そして、色々と心配なさる必要はないと思います。というのは、今の中国では、健康が何よりだと思って、健康を考えながらお酒を飲んでいる人がますます増えてきたからです。そして、私の知っているところでは、ビジネスの場合では、お客さんはお酒に強い場合は沢山飲んでもらうと招待側は大変喜びますが、お酒を飲めないお客さんであるなら無理やりに飲ませることは最近ずいぶん少なくなりました。
もちろん、気が合い、話が弾みながら、盛り上がって自然に普段以上に飲んでしまうのはいいですが、健康を損なうほど無理矢理に飲んだり飲ませたりするのはよくないと思います。お互いに人間同士ですから、お互いを大切にしなければなりません。

 

お互いに人間同士であるといえば、自然に人間関係や世界平和などが思い出されます。私は1年前、長崎に来る前に、「初めて外国で生活する自分は今までと全然違う人間関係にうまく対応することができるか」とかなり心配していましたが、長崎に来てから日本人や中国人は勿論、イギリス人、韓国人、アメリカ人、ブラジル人、ベトナム人そして色々なイベントを通じて他の国の方々と接しました。その結果、人々は確かにその国のある特徴があるかもしれませんが、人はどんなタイプの人間であるのかはその国と関係があるというより、その性格に緊密にかかわっていると思うようになりました。

そして、十人十色という言葉のように、世の中の人々はさまざまですが、それこそ面白いです。また、同じく人間同士ですから、だれでも得意なところがあれば、不得意なところもあります。だれでも間違います。各自の存在と相違を尊重し、お互いに大切にすれば、人間関係は自然にスムーズにいくに違いありません。
世界平和というと、それは各国の指導者が考えるべきことで、一般人の私たちにあまり関係ないと思う人がいるかもしれません。しかし、世界平和は実は私たち一人一人に関わっている身近な存在だと、国際交流員として長崎で働いたこの一年間、ますます感じるようになりました。
とくに、孫文先生と梅屋庄吉先生の国境を越えた友情の歴史や長崎原爆の関係資料などを学んでから、100年前にアジアの平和と発展を願った二人に思いを馳せるのは勿論、一人一人平和を発信する重大な意義をますます感じるようになりました。

次のリンク先で孫文先生と梅屋庄吉先生のことが詳しく分かります。
  http://tabinaga.jp/sonbunumeya/
(長崎県文化振興課 孫文・梅屋庄吉と長崎)

確かに個人の力には限度がありますが、同じ人間である私たちみんなが平和を発信することができれば、この世界はきっと今よりもっと明るくて暖かくなるに違いないと私は信じています。

人間関係も国と国の間の関係も共通するところがあると思います。それは、「お互いに大切にする」ことと「恩返し」をすることです。皆がお互いを大切にして、そしてできる限り恩返しをすれば、その縁は未来につながるのです。
たとえば、去年の4月に長崎に来た私は、職場や仕事やプライベートで知り合った県民の友人の皆さんからも大変お世話になっているおかげで、充実で楽しい一年間を過ごすことができ、いい思い出が沢山できました。
そして、恩返しとして、帰国してからも、長崎県と中国、日本と中国の友好のために微力ながら尽力させていただきます。

今月のコラムは以上でございます。

そして最後に一言ご報告があります。

来る2016年4月に、長崎県国際課の任用期間満了を迎え、帰国することとなりますので、今回のコラムが、私の最後のコラムになりました。任期終了までにまだ時間は少し残ってはいますが、本コラムを通じて皆さんにご挨拶申し上げるのは、これが最後になります。

今までのご高覧、誠にありがとうございました!
皆さん、いつでもお元気で幸せにいらっしゃることを心からお祈り申し上げます。
それでは、ザイジェン!(また会いましょう!)

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