長崎県

Vol. 134 韓国 ペ・サンヒョン


2017年11月13日更新

 ヨロブン、アンニョンハセヨ。
皆さん、こんにちは。
長崎県国際交流員のペです。お元気でいらっしゃいましたか。
早くも11月になり、朝晩寒くなりつつある季節ですが、風邪をひかないように気をつけてください。

今回は、11月ということで、ちょうど数日前の2015年11月12日(木)に行われました韓国の「大学修学能力試験」について紹介させていただきたいと思います。

既にご存知の方もいらっしゃると思いますが、韓国の「大学修学能力試験」、略して「修能」とは、日本のセンター試験と同じく、高校3年生の生徒が大学進学のため受ける大学入学試験のことです。高校3年生の生徒以外に、大学進学を希望する一般の人も受けることが可能です。

日本の学生たちが入試で良い成績を納め、希望する大学に進学するために日々努力しているように、韓国の学生たちもそれぞれの目標を目指して学業に励んでいますが、特に韓国では希望する大学への進学のため、早い場合はなんと小学生の頃から成績などを管理している場合も多くあるそうです。

そのような韓国の高い教育熱を背景にして、試験当日には、まさに非常事態といっていいぐらいに全国が受験生を優先した体制に変わります。そして、普段には考えられない珍しい風景が繰り広げられ、海外のメディアにも多く紹介されています。

それでは、これから皆さんに大学修学能力試験が実施される当日の珍風景のいくつかを紹介させていただきます。

1 朝が弱いあなたに朗報。試験当日には出勤が10時から!

全ての公共機関は業務時間が10時から始まり、銀行や株式市場も1時間ずつ遅れた日程で営業が行われます。これらの措置は全て円滑な受験生の移動のためのものです。ちなみに、バスや地下鉄などの交通機関の増便やダイヤの変更、そして試験場の周辺の交通規制も行われます。渋滞で大変な毎朝だけど、試験日だけは乗用車より公共交通を利用した方が早いです。

2 後輩たちの熱烈な応援を背負って試験場へ
同じ学校でも話したこともない後輩たちが、受験生よりも早めに試験場の入口まで来てくれて太鼓などを叩きながら応援してくれます。その勢いはまさに楽しいお祭り。冷え込んだ空気の中で受験生の緊張も少しは和らぐでしょう。

<次のリンク先で、当日の様子が見えます>
http://seongjuro.co.kr/default/index_view_page.php?part_idx=259&idx=32569
(韓国ソンジュ新聞ページ)

顔も知らない自分のためにきてくれたのはありがたいですが、大きく掲げられた応援の横断幕は少し恥ずかしい気分になるかも知れません。(笑)

また、学校によっては、試験場の隣で暖かい飲み物と合格祈願の「お餅」と「飴」を配っているところもあるようです。粘着性があって粘々としているお餅や飴と同じく、希望する大学にくっ付く(合格する)ように祈願する意味を持っているそうです。私も10年前には、試験を目の前にしてたくさんのお餅と飴をもらいましたが、本当に効果があったのかは未だに分かりません。(笑)

3 飛行機の離着陸も禁止!
修学能力試験には英語の聞き取り問題も含まれています。そのため英語の聞き取り問題が流される時間帯になると、試験に影響をしないように韓国は一瞬沈黙に陥るのです。
試験場の周辺地域では、自動車のクラクションを鳴らしてはいけないのはもちろん、試験場に隣接している鉄道がある場合、そこを通る全ての列車は25km/h以下の速度で徐行運行しないといけません。
なお、空港近くの試験場で受験する学生たちのため、聞き取りの問題が流される約20分の間には、飛行機の離着陸も制限され、高度1万フィート以下で飛行するのも禁止されます。まるで一時的に空港周辺にバリアが張られたように、空港の上空をぐるぐる回っている珍風景が繰り広げられます。もちろん、各航空会社には6ヶ月前に通知を行っているとのことなので、安全には問題ないようですね。

4 パトカーによる学生輸送作戦!
不正行為を事前に防ぐとともに試験の公正さを図るため、各学生たちは自分が通っている学校ではなく、他の学校が試験場として指定されるのが普通です。それで学校側は、試験前日には授業をしない代わりに、それぞれ指定された試験場へ下見に行ってみることにしています。
ですが、当日には、思った通りに物事が運ぶとは限りませんね。どうにも渋滞で立ち往生してしまったり、タクシー運転手さんが学校の名前を間違えてしまったりするなど、予想できない事態が毎年必ず出てくるはずです。
当日には入場時間までに指定された試験場に入れなかったら、絶対受験できないのが原則ですので、下手すると受験さえできずに、12年間の努力が水の泡になってしまうかもしれませんね。
その絶体絶命の時に備え、大学修学能力試験日だけは、韓国の警察が学生の足になってくださっています。ニュースなどにもよく出てきている話題ですが、試験に遅れた学生を警察のパトロールカーで運んだり、警察バイクで送ったりする風景は多分、韓国唯一かと思います。その学生は一生忘れられない経験をしたかも知れませんが、多分、次の日に登校すると先生に凄く怒られるに違いありません。(笑)

5 お疲れ様でした!受験生の皆様に特別割引!
長かった試験がようやく終わり、今度は受験生たちが開放感を思いっきり味わう番ですね。試験終了に合わせて、各企業は、ストレスを発散しようとする受験生が利用できるプロモーションを進行します。
受験票と身分証明書を提示すれば、飲食、公演、旅行、ショッピングなど多岐にわたる分野において、受験生割引が適用されるので、受験が終わった夜には、せっかくのチャンスを利用して遊びにいく受験生をよく見かけます。
受験生割引プロモーションは、当日だけでなく、1ヶ月間以上行うところが多いので、苦労した受験生にとって、いいプレゼントになるのではないかと思いますね。

今まで、韓国の大学修学能力試験について紹介させていただきましたが、皆さん、いかがだったのでしょうか。
私も十数年前には、一人の受験生として緊張の中で試験問題を解き、帰宅してからは、さらなる緊張感の中でネットの正解と自分の答案を比べていたことを思い出しました。確かにあまり嬉しくはない気分だったと覚えています。(笑)
今まで紹介させていただきましたとおり、韓国の入試は大変です。高い教育熱による教育費用の増加、かけがえのない大切な学生時代を楽しむことができず、激しく競争を強いられるなど、韓国社会の問題として指摘されることも多いのです。
しかしながら、どれだけ辛くても自分の未来を切り開いていくため諦めずに努力し続ける勤勉さには、見習うべきところがあるのではないかとも思います。
日本の受験生も非常に大変だとお聞きしていますが、この文を読んでいらっしゃる皆さんの周りにも受験生がいるのであれば、やさしく一言声をかけてあげてみたらいかがでしょうか?

「スゴハショッスンミダ」
(お疲れ様でした)

 

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