定例会等の開催概要

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意見書・決議

定例会を終わって  ●主な質問・質疑会期日程  ●本会議一般質問  ●「長崎県総合計画」集中審議  ●予算総括質疑   ●意見書・決議

鉄道建設・運輸施設整備支援機構の特例業務勘定の利益剰余金を整備新幹線の整備等へ活用することを求める意見書

 鉄道建設・運輸施設整備支援機構の特例業務勘定の利益剰余金については、去る4月の事業仕分けにより国庫返納すべきとされ、会計検査院からも余裕資金の国庫納付に関する意見が示された。また、財務省においては、その剰余金を平成23年度予算の一般財源として活用することについて、関係省庁と協議していると聞いている。
しかしながら、この利益剰余金は、新幹線債権に係る収入、旧国鉄用地売却収入、JR各社の株式売却収入などにより発生したものであることを勘案すると、鉄道機能の活性化のために活用されるべきものである。
とりわけ、整備新幹線は、総合交通体系の重要な一翼を担う高速大量輸送機関であり、我が国経済及び地域経済の活性化、地球温暖化防止、世界的な高速鉄道整備の加速化等の観点から、その整備を強力に推進する必要がある。
しかしながら、整備新幹線は、国の整備計画の決定以来、40年近く経過したにもかかわらず、開業区間は全体の一部にとどまり、未だに着工されていない区間も多く存在している状況はまことに憂慮すべき事態である。
以上を踏まえ、国におかれては、この利益剰余金を整備新幹線の整備など鉄道の活性化を図るために活用されることを強く求めるものである。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年11月29日


長 崎 県 議 会

(提出先)  

衆議院議長 
参議院議長 
内閣総理大臣

国土交通大臣  
財 務 大 臣

内閣官房長官


横 路 孝 弘 様
西 岡 武 夫 様

菅   直 人 様

馬 淵 澄 夫 様
野 田 佳 彦 様
仙 谷 由 人 様


諫早湾干拓事業工事差止等請求事件の上訴に関する意見書

 去る12月6日に、諫早湾干拓事業の潮受堤防撤去および常時開門等を求める「工事差止等請求事件」の控訴審において、国に5年間の開門を命じた一審判決を支持する内容の判決が福岡高等裁判所より出された。
 当判決は、排水門を常時開放しても、防災上やむをえない場合にこれを閉じることにより、その防災機能を相当程度確保できるとしているが、排水門を常時開放すれば、締め切り以前と同様、背後地の既設樋門の前や河口部に潟土が堆積し、排水不良を起こすばかりか、調整池の水位は海側の潮位に連動し、地域住民は大雨の度に再び洪水の危険に晒されることとなる。干満の度に排水門付近に発生する激流により、ようやく軌道に乗ってきた湾内の漁場環境にも支障を及ぼすことになる。
 また、本干拓地営農にとって潮受堤防の締め切りが必要不可欠といえないとしているが、代替水源の問題や塩害の問題などへの実現可能な具体的対策を示さないままの判決である。
 このように、潮受堤防が果たしている防災効果や代替水源がない中で調整池が営農上不可欠であるという実態を全く無視した判決となっており、高潮・洪水等による人命、財産への重大な被害や農業、漁業への深刻な被害を受けるのは地域住民であり、到底容認できるものではない。
 このため、排水門の開門が行われることがないよう、国におかれては、今回の判決を不服として速やかに上訴することを強く要請する。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年12月7日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
   
衆議院議長
参議院議長 
内閣総理大臣
農林水産大臣
法務大臣

内閣官房長官
横 路 孝 弘 様
西 岡 武 夫 様
菅   直 人 様
鹿 野 道 彦 様

仙 谷 由 人 様

防衛予算の増額を求める意見書

 自衛隊は、我が国の平和と独立を守るとともに、災害救援救助活動などを通じて、国民生活の安定と地域の発展に多大な貢献をしてきたところである。これからも、大規模な災害や危機事案など、国民生活を脅かす事案が発生した場合に国民が最後の拠所とするのは自衛隊の存在であり、その被害を最小限にとどめ、早期に復興を遂げるためには、自衛隊の役割が大変重要である。
 本県においても、長崎大水害や雲仙・普賢岳噴火災害への災害派遣活動や離島地域からの救急患者の搬送活動などを通じて、県民の安全で安心な暮らしの確保に自衛隊は大きな役割を果たしてきており、県民は信頼と期待を寄せている。
 また、国外においても、ハイチ大地震に際しての国際緊急援助活動やソマリア沖・アデン湾における海賊対処活動などを通じて、国際社会にも貢献し諸外国からも高い評価を得ている。自衛隊員が生命を賭して海外に赴くことは、外国との貿易により成り立っている我が国にとって、国家の経済を支え、国民の生活を守るため、非常に重要なことであり、加えて、国際社会の平和と安定は、我が国の平和と安全に密接に結びつくものであり、自衛隊に対する国民の信頼と期待はますます高まることとなる。
 昨今の国際社会は、国家間の紛争をはじめ、大量破壊兵器等の拡散、国際テロなどの新たな脅威や様々な課題に直面している。我が国周辺においても、北朝鮮がミサイル発射や核実験を繰り返すなど、我が国を取り巻く安全保障情勢は大変厳しさを増している。
 国境離島、外洋離島を有する本県においては、防衛力の整備は、県民の安全・安心に直結するものと考えており、先に、潜水隊群の佐世保港誘致をはじめ、対馬市等より、自衛隊の増員及び増強についても要請が行われたところである。
 国においては、現在、新たな防衛大綱の策定に向けて作業が進められ、我が国周辺の動向などを踏まえ、必要な防衛力の整備が検討されており、最前線での活動を展開している自衛隊の役割がますます重要になっている。
 諸外国の国防費が増大していく中、我が国の防衛予算は厳しい国家財政事情により、平成15年度以降8年連続して減少が続き、我が国の安全保障体制に深刻な影響を及ぼすことが危惧されるところである。従って、我が国に必要な防衛力の整備は、我が国の最重要施策に位置付け、推進されるべきものである。
 よって、国におかれては、新年度の予算編成に関し、防衛予算の増額を図られるよう強く要望する。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年12月7日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
   
衆議院議長
参議院議長 
内閣総理大臣
防衛大臣
財務大臣
内閣官房長官
横 路 孝 弘 様
西 岡 武 夫 様
菅   直 人 様
北 澤 俊 美 様
野 田 佳 彦 様
仙 谷 由 人 様

諫早湾干拓事業の福岡高裁判決に対する国の上告放棄に抗議する決議

 昨日、12月15日に菅総理が、地元に対して一切の説明をすることなく、一方的に、上告は行わないとマスコミを通じて発表を行った。
 しかしながら、諫早湾干拓事業は、平成19年度に完成し、既に高潮や洪水に対する地元の防災効果が発揮され、干拓地でも大規模な環境保全型農業が取り組まれており、諫早湾内ではアサリ等の養殖も軌道に乗りつつある。また、調整池やその周辺では絶滅危惧種を含む新たな淡水性の生態系が既に形成されている。
 このような中、潮受堤防排水門の開門が行われれば、地元に多大な被害、影響が発生することを危惧し、これまで、国の環境アセスメントにより科学的・客観的に検証を行った上で、開門調査の可否について慎重に検討し、また、地元の同意なくして開門調査が決して行われるようなことがあってはならないことから、県議会としても、官邸や農林水産省等に要請を行ってきたところである。
 また、今回の控訴審判決においては、
1 常時排水の防災機能を認めていないが、潮受堤防により、実際、ガタ土の堆積による河川や排水樋門の排水阻害が解消され、河川改修が可能となり、たん水被害は大幅に改善されているのであり、全く現状を踏まえていないものである。
2 河川改修や排水施設の設置・強化が必要な状況であるから、洪水時の防災機能は限定的としているが、河川改修や排水施設の設置は、もともと常時マイナス1メートルの調整池水位管理を前提として計画されているものであり、全く実態を無視したものである。
3 気象予報をもとに、必要な時に排水門を閉門することによって、高潮時、洪水時の防災機能を一定程度確保できるとしているが、調整池水位を低く維持することによって、締切り前のたん水被害が今や半減している一方で、常時開門となれば、小潮時には、調整池の水位が背後地のゼロメートル地帯よりも高くなり、全く排水ができない状態が1週間近く続き、たん水被害が起こることが予想されるのであり、全くこういう実態が理解されていない。
4 干拓地の農業についても、潮受堤防の締切りが営農に必要不可欠ではないとしているが、諫早地域には、ため池、河川に新たな干拓地に回す水利権、用水の余裕はなく、下水処理水についても、一日の処理水量が約6千トンで実際の最大日用水量約1万2千トンの半分であり、水質も全窒素が農業用水基準1ppmの8倍(8ppm)で不適である。また、地下水取水により地盤沈下が発生していること、さらには取水堰の建設には数百億円は必要となることなど、地元の実情を踏まえて検証すれば、代替水源の確保は困難である。
5 常時開放によって漁業被害が発生する具体的危険等を認めることができないとしているが、国自身のシミュレーションにおいて、開門されれば、干満の度に排水門付近に激流と濁りが生じ、濁りの拡散によって周辺漁場へ甚大な被害を及ぼすとされている。実際、平成14年の短期開門調査でも、諫早湾内では、アサリ等が斃死し、被害に対して国が補償した経緯を全く考慮していない。
6 そのほか、海水導入による新たに形成された淡水性の生態系への影響が考慮されていない。
 このように、今回の判決は、地元の実情を踏まえておらず、諫早湾干拓の防災機能、農業に対する評価が低く、開門による地域住民、農業、漁業への被害や影響が全く理解されていないなど、実態を正確に評価していないものであり、県議会としても、国に対し上告するよう意見書を可決し、国や政府・与野党に要請を行ったところである。
 しかしながら、今般、そうした地元の事情等を考慮されることなく、また、科学的根拠に基づくことなく、さらには、地元に対する一切の説明もなく、一方的に上告を放棄し、開門する方針を菅総理が表明されたことは、極めて遺憾である。
 諫早湾干拓事業は国営事業で実施され、あらゆる側面での地元の協力の上に、平成19年度に完成したものであり、現在、具体的に防災機能が発揮され、地元住民は安全・安心な生活を確保されるとともに、全国的にも誇れる先進的な営農が実施されていることを考慮すれば、菅総理は、まず、実態を正確に把握した上で、自らの発言を撤回し、上告を行うよう強く抗議する。


 以上のとおり決議する。


 平成22年12月16日


長 崎 県 議 会


ロシア大統領の北方領土訪問に対し、毅然とした外交姿勢を 求める意見書

 ロシアのメドベージェフ大統領が11月1日、わが国固有の領土である北方四島の一つ、国後島を訪問した。
  北方領土は歴史的にも国際法上もわが国固有の領土であることは明白であり、ロシアも1993年の「東京宣言」において「北方四島の帰属に関する問題については、歴史的・法的事実に立脚し、両国間での合意の上、作成された諸文書及び法と正義の原則を基礎として解決する」との指針を確認している。
 旧ソ連時代を含め、ロシアの国家元首が北方領土を訪問したのは初めてであり、大統領の訪問はこうした日露両国間の合意を無視し、ロシアによる四島の不法占拠を既成事実化しようとするものである。
 また、訪問の背景には、普天間飛行場移設問題や、中国人船長釈放問題など、民主党政権がもたらした外交史上例を見ない失態があることは明白であり、更なる外交上の失態はわが国及びアジア太平洋地域の安全保障、経済発展に重大な影響を与える。
 よって、国におかれては、今般のメドベージェフ大統領の北方領土訪問に厳重に抗議し、毅然たる外交姿勢でロシアに対して臨むよう強く求めるとともに、北方領土問題を早期解決に導くためにも、早急に外交戦略の立て直しを図るよう求める。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年12月20日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
   
衆議院議長
参議院議長 
内閣総理大臣
外務大臣
北方対策担当大臣
国家戦略担当大臣
内閣官房長官
横 路 孝 弘 様
西 岡 武 夫 様
菅   直 人 様
前 原 誠 司 様
馬 淵 澄 夫 様
玄 葉 光一郎 様
仙 谷 由 人 様

朝鮮高級学校を高等学校等就学支援金の支給対象とすることについての意見書

 朝鮮高級学校を高等学校等就学支援金の支給対象とすることの可否について、文部科学省は5月に委員や議事録が一切非公開の「検討会議」を設置し、8月末に朝鮮高級学校が高等学校等就学支援金支給対象となり得るか審査する際の「判断基準」における「教育課程等」を、「個々の具体的な教育内容については基準としない」とする結果を取りまとめた。
 教育とは内容そのものであり、「教育内容を判断基準としない」という結論については、国民から多くの疑問が出ている。しかし、燒リ文部科学大臣は、11月5日に「検討会議」の結論をほぼ踏襲した、「審査基準」を正式に発表した。これにより、外形的な基準が整えば、朝鮮高級学校が高等学校等就学支援金の対象となる可能性が極めて高くなった。
 しかし、朝鮮高級学校では、特に歴史教育において、金日成・金正日に対する徹底した個人崇拝のもと、客観的な事実に基づく朝鮮の歴史ではなく、「金日成・金正日の家系史」が教育されており、到底、「歴史教育」あるいは「民族教育」と呼べる内容ではない。
 さらには、「朝鮮戦争は米国・韓国が引き起こした」、「大韓航空機爆破事件は韓国のでっち上げ」、「拉致問題についても日本当局が極大化した」などの、虚偽・捏造の歴史が教育されている。このような教育内容は、朝鮮高級学校に通う子供達に対して、日本社会や国際社会に対する軋轢を生みだすものであり、独裁体制を支えるための「思想教育」として人権侵害の疑いさえある。
 このように、教育内容について数多くの問題点が指摘されているが、政府案では指定の前に教育内容を判断することはできず、指定に際しての「留意事項」として改善を促すこととなる。しかし、留意事項の履行状況の確認についても、必要と認めるときに報告を求めるに留まり、原則的には朝鮮高級学校に自主的な改善を促すのみなので、真に教育内容の是正が図られるかは保証されていない。
 なお、公安調査庁は、「朝鮮学校の管理・運営は朝鮮総連の指導の下に進められており、朝鮮総連の影響は、朝鮮学校の教育内容、人事、財政に及んでいる」旨、国会で説明している。さらに、北朝鮮の朝鮮労働党の機関紙には、「就学支援金の支給は、生徒への支援ではなく朝鮮学校への支援である」という認識が掲載されている。このような状況のもとで朝鮮高級学校を就学支援金の対象としても、就学支援金が真に生徒の教育費負担の軽減に充当されることを保証することは、極めて困難である。
 よって、国におかれては、11月下旬の北朝鮮から韓国への砲撃を受け、現在審査手続きは凍結されているものの、朝鮮高級学校を高等学校等就学支援金対象とするか判断するに際しては、教育内容の是正及び就学支援金が生徒の授業料の支払いに充当されることを審査の前提条件とすべきこと及び朝鮮高級学校がその条件を受け入れない場合、公金を投入する就学支援金の対象とするべきではないことを強く要望する。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年12月20日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
   
衆議院議長
参議院議長 
内閣総理大臣
文部科学大臣
国家戦略担当大臣
内閣官房長官
横 路 孝 弘 様
西 岡 武 夫 様
菅   直 人 様
焉@木 義 明 様
玄 葉 光一郎 様
仙 谷 由 人 様

教職員による不祥事の根絶に向けた実効ある取組を求める意見書

 教職員の相次ぐ不祥事により、県民の学校教育に対する信頼を裏切り続けていることは、極めて遺憾と言わざるを得ない。
 今般、県教育委員会において、不祥事の根絶と損なわれた本県教育に対する信頼の回復に向け、行政機関のみならず本県教育界の総力を挙げて取り組むという決意のもと、新たな不祥事防止対策が取りまとめられたところである。
 これまでも様々な不祥事防止対策に取り組んできたにもかかわらず、依然として不祥事が発生しているという現実を重く受け止め、今回取りまとめた対策の実行に係る歩みを緩めることなく、不断の検証と改善に強い決意で取り組むことが必要である。
 郷土の未来を託す子どもたちの教育は、「人が輝く長崎県」づくりを支える重要な柱であり、県政発展に欠くことのできない基盤をなすものである。
 教職員一人ひとりが教育に携わることに誇りを持ち、子どもたちから尊敬され、自信を持って子どもたちと向き合える教育県長崎の実現を、県民とともに強く願う県議会として、今後の取組が実効あるものとなるよう、以下のとおり要請する。



  1. 全ての教職員が現状を真摯に受け止め、高い使命感と倫理観を持って職責を全うするよう指導を徹底すること。
  2. 不祥事の原因分析を行うとともに、対策の取組状況について、常に検証し実効あらしめるよう改善を図ること。
  3. 中・長期的な対策として整理した項目についても、早急に検討に着手し、速やかに実行に移すこと。
  4. 今後も新たな対策について、幅広い視点で検討し積極的に取り組むこと。

 平成22年12月20日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
   
長崎県教育委員会委員長
秀 島 はるみ 様

養護老人ホームの運営の支援拡充を求める意見書

 養護老人ホームは、明治時代、貧困により生活に困窮した高齢者の受け入れ施設「養老院」が始まりとされており、それ以降、救護法(昭和4年)、生活保護法(同25年)、老人福祉法(同38年)と一貫して、低所得高齢者の福祉対策、つまり弱者救済の措置施設として運営が図られてきている。
 現在、長崎県における施設数は32施設であり、うち8箇所(25%)の施設が30年以上経過しており、多くの入所者(高齢者)は老朽化が激しく劣悪な環境下での生活を余儀なくされている。
 よって、国におかれては、養護老人ホーム入所者が今後も文化的かつ健康的な生活が保障されるとともに、養護老人ホームの経営安定が図られるよう、下記事項について十分な措置が講じられるよう強く要望する。



  1. 養護老人ホームヘの措置権限を有している市町において、実態に即した財政支援措置を講じること。
      また、県が建設補助基準単価の引き上げを行うことができるよう、養護老人ホームの改築等に係る施設整備の交付税措置について拡充措置を講じること。
  2. 介護職員の職場環境の改善とキャリアアップを目的に、国は平成21年度補正予算において、介護保険サービス事業所には「介護職員処遇改善交付金」、障害福祉サービス事業所には「福祉・介護人材の処遇改善事業助成金」を2年半の限定措置として支給されているが、養護老人ホームに従事する職員についても、同様の処遇改善交付金等の拡充措置を講じること。
  3. 養護老人ホームにおける施設の改修や建替え等に係る借入金の償還金及びその利息への充当については、平成21年6月1日付けの国通知「社会福祉法人が経営する社会福祉施設における運営費の運用及び指導について」により、措置費のうち民間施設給与等改善費として加算された額を限度とするなど制度上の規制があり、その財源の捻出に運営上大きな 支障をきたしていることから、なお一層の規制の緩和を講じること。
  4. 養護老人ホームの措置(運営)費には、減価償却費が積算されておらず、また、入所者から居住費を徴収することができないことなどから、施設において改築等に係る十分な資金を確保することが困難な状況にあるため、独立行政法人福祉医療機構からの借入について、次の事項について改善措置を講じること。
    (1)融資率について、100%に引き上げること(現在80%)。
    (2)償還期間について、25年以内に延長すること(現在20年以内)。
    (3)貸付利息に対する優遇措置のため、老朽民間社会福祉施設整備事業等一部整備事業にある無利子貸付制度の適用を認めること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年12月20日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
   
衆議院議長
参議院議長 
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官
横 路 孝 弘 様
西 岡 武 夫 様
菅   直 人 様
片 山 善 博 様
細 川 律 夫 様
仙 谷 由 人 様

子ども手当財源の地方負担に反対する意見書

 政府は平成22年度予算から導入した子ども手当について、全額国庫負担で実施するとの方針を繰り返し表明してきたが、平成22年度限りの「暫定措置」として地方負担約6,100億円が盛り込まれた。
 本来、全額国庫負担が原則だった子ども手当について、原口一博前総務大臣は国会答弁等で、地方負担を平成23年度以降は継続しないことを明確にしていたにもかかわらず、現政権は来年度以降も地方負担を求めることに前向きの考えを示している。
 子育て支援は地域の実情に応じ地方自治体が創意工夫を発揮できる分野を地方が担当すべきであり、子ども手当のような全国一律の現金給付については国が担当し、全額を負担すべきである。こうした内容について地方との十分な協議もないままに、来年度予算でも地方負担を継続されることに強く反対する。
 よって、国におかれては、子ども手当制度を存続させる場合、最低限、現行の地方負担を廃止し、全額国庫負担で行うよう強く求める。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年12月20日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
   
衆議院議長
参議院議長 
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
国家戦略担当大臣
内閣府特命担当大臣(少子化対策)
内閣官房長官
横 路 孝 弘 様
西 岡 武 夫 様
菅   直 人 様
片 山 善 博 様
野 田 佳 彦 様
玄 葉 光一郎 様
岡 崎 トミ子 様
仙 谷 由 人 様

脳脊髄液減少症の診断・治療の確立を求める意見書

 脳脊髄液減少症は、交通事故やスポーツ外傷等の身体への強い衝撃が原因で、脳脊髄液が漏れ、減少することによって引き起こされ、頭痛、めまい、耳鳴り、倦怠感等、多種多様な症状が複合的に現れるという特徴をもっている。
 今年4月、厚生労働省より、本症とわかる前の検査費用は保険適用との事務連絡が出された。これは、本来、検査費用は保険適用であるはずのものが、地域によって対応が異なっていたため、それを是正するため出されたものである。これは、患者にとり朗報であった。しかし、本症の治療に有効であるブラッドパッチ療法については、いまだ保険適用されず、高額な医療費負担に、患者及びその家族は、依然として厳しい環境におかれている。
 平成19年度から開始された「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する研究」事業(当初3年間)は、症例数において中間目標100症例達成のため、本年度も事業を継続して行い、本年8月に遂に、中間目標数を達成した。今後は、収集した症例から基礎データをまとめ、診断基準を示すための作業をすみやかに行い、本年度中に診断基準を定めるべきである。そして、来年度には、診療指針(ガイドライン)の策定およびブラッドパッチ療法の治療法としての確立を図り、早期に保険適用とすべきである。また、本症の治療に用いられるブラッドパッチ療法を、学校災害共済、労災、自賠責保険等の対象とすべきである。
 よって国におかれては、脳脊髄液減少症の診断及び治療の確立を早期に実現するよう、以下の項目を強く求める。



  1. 「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する研究」事業においては、症例数において中間目標(100症例)が達成されたため、本年度中に脳脊髄液減少症の診断基準を定めること。
  2. 「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する研究」事業においては、来年度(平成23年度)に、ブラッドパッチ治療を含めた診療指針(ガイドライン)を策定し、ブラッドパッチ療法(自家血硬膜外注入)を脳脊髄液減少症の治療法として確立し、早期に保険適用とすること。
  3. 脳脊髄液減少症の治療(ブラッドパッチ療法等)を、災害共済給付制度、労働者災害補償保険、自動車損害賠償責任保険の対象に、すみやかに加えること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年12月20日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
   
衆議院議長
参議院議長 
内閣総理大臣
厚生労働大臣
総務大臣
文部科学大臣
内閣官房長官
横 路 孝 弘 様
西 岡 武 夫 様
菅   直 人 様
細 川 律 夫 様
片 山 善 博 様
焉@木 善 明 様
仙 谷 由 人 様

ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV−1) 総合対策を求める意見書

 ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV−1)は、致死率の高い「成人T細胞白血病(ATL)」や、進行性の歩行・排尿障害を伴う「せき髄疾患(HAM)」等を引き起こす。国内の感染者数(キャリア)は100万人以上と推定され、その数はB型・C型肝炎に匹敵する。毎年約1000人以上がATLで命を落とし、HAM発症者は激痛や両足麻庫、排尿障害に苦しんでいる。一度感染すると現代の医学ではウイルスを排除することができず、いまだに根本的な治療法は確立されていない。
 現在の主な感染経路は、母乳を介して母親から子どもに感染する母子感染と性交渉による感染であり、そのうち母子感染が6割以上を占めている。このウイルスの特徴は、感染から発症までの潜伏期間が40年から60年と長いことである。そのため、自分自身がキャリアであると知らずに子どもを母乳で育て、数年後に自身が発症して初めて我が子に感染させてしまったことを知らされるケースがある。この場合、母親の苦悩は言葉では言い表せない。本県では、妊婦健康診査時にHTLV−1抗体検査を実施し、陽性の妊婦には授乳指導を行うことで、効果的に感染の拡大を防止している。
 平成22年10月6日、厚生労働省は、官邸に設置された「HTLV−1特命チーム」における決定を受け、HTLV−1抗体検査を妊婦健康診査の標準的な検査項目に追加し、妊婦健康診査臨時特例交付金に基づく公費負担の対象とできるよう、通知を改正し、各自治体に発出した。これにより全国で感染拡大防止対策が実施されることになる。そのためには、医療関係者のカウンセリング研修やキャリア妊婦等の相談体制の充実を図るとともに、診療拠点病院の整備、予防・治療法の研究開発、国民への正しい知識の普及啓発等の総合的な対策の推進が不可欠である。
 よって、国におかれては、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV−1)の感染拡大防止に伴う「HTLV−1総合対策」を推進するため、以下の項目について早急に実現するよう強く要望する。



  1. 医療関係者や地域保健担当者を対象とした研修会を早急に実施すること。
  2. HTLV−1母子感染対策協議会を全都道府県に設置し、検査体制、保健指導・カウンセリング体制の整備を図ること。
  3. 相談支援センターを設置し、感染者及び発症者の相談支援体制の充実を図ること。
  4. 感染者及び発症者のための診療拠点病院の整備を推進すること。
  5. 発症予防や治療法に関する研究開発を大幅に推進すること。
  6. 国民に対する正しい知識の普及と理解の促進を図ること。
  7. 発症者への支援、福祉対策を推進すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年12月20日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
   
衆議院議長
参議院議長 
内閣総理大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官
横 路 孝 弘 様
西 岡 武 夫 様
菅   直 人 様
細 川 律 夫 様
仙 谷 由 人 様

議員の位置付けの明確化及び都道府県議会議員の選挙区制度の見直しの早期実現を求める意見書

 議会を構成する地方議会議員が、本会議・委員会において行政に対する監視や政策立案のための充実した審議を行うことは、当該地方自治体の事務に関する調査研究や、住民意思の把握など不断の議員活動に支えられている。しかしながら、議員の責務に関する法律上の規定がないこともあり、議員活動に対する住民の理解が十分得られていないのが現状である。議会が住民に期待される機能を十分発揮できるようにするため、公選職としての地方議会議員の責務を法律上明記するとともに、専業化している都道府県議会議員の特性を踏まえて、議員の責務を果たすにふさわしい活動基盤を強化することが喫緊の課題となっている。
 さらに、都道府県議会議員の選挙区について、「郡市の区域による」としている公職選挙法の規定(第15条)を改正し、地域の実情を踏まえ、都道府県が条例で自主的に選挙区を規定できるようにすることにより、住民意思を正しく議会に反映させ、地域の振興を図る制度とすることも重要な課題である。
 よって、国におかれては、来年の通常国会において関係法律の改正を行い、選挙制度の見直しを含め地方議会議員の活動基盤を強化するため、次の事項を実現するよう強く要請する。



(1)住民から選挙で選ばれる「公選職」としての地方議会議員の特性を踏まえ、その責務を法律上明らかにするとともに、責務遂行の対価について、都道府県議会議員については「地方歳費」又は「議員年俸」とすること。
(2)地方議会議員の活動基盤を強化するため、現在法文上調査研究活動に特化されている政務調査費制度を見直し、住民意思の把握や議員活動報告のための諸活動を加え、幅広い議員活動又は会派活動に充てることができることを明確にすること。
(3)議会意思を確実に国政等に反映させるため、議会が議決した意見書に対する関係行政庁等の誠実回答を義務付けること。
(4)住民意思を正しく議会意思に反映させるとともに地域の振興を図るため、都道府県議会議員の選挙区について、「郡市の区域による」としている公職選挙法の規定(第15条)を改正し、地域の実情を踏まえ、都道府県が条例で自主的に選挙区を規定できるようにすること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年12月20日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
   
衆議院議長
参議院議長 
内閣総理大臣
総務大臣
国家戦略担当大臣
内閣官房長官
横 路 孝 弘 様
西 岡 武 夫 様
菅   直 人 様
片 山 善 博 様
玄 葉 光一郎 様
仙 谷 由 人 様

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