平成20年9月臨時会

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意見書・決議

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米国とインドの原子力協力に係る日本政府の核不拡散及び
核軍縮体制推進を強力に求める意見書

 長崎県議会は、平成2年12月、全会一致により「自由と平和の尊厳に関する長崎県宣言」を議決し、「長崎を最後の被爆地に」との願いのもと、一日も早い核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現を訴え続けてきた。
 戦後63年が過ぎたが、高齢化した多くの原爆被爆者は今なお原子爆弾の後遺症に苦しんでいる。
 長崎県民は、核兵器廃絶への動きについて重大な関心を持っており、先の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典において、福田首相は「我が国が今後とも非核三原則を堅持し、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向け、国際社会の先頭に立っていく」と誓っており、私たち長崎県民を大いに勇気づけたところである。
 そのような中で、核兵器不拡散条約(NPT)を締約していないインドに対し、米国が核関連技術等を提供しようとする両国の原子力協力協定について、発効の前提となる原子力供給国グループ(NSG)臨時総会が、去る8月21日、22日開催されたが、決着に至らず、検討を継続することとされている。
 我が国は、核の不拡散、核軍縮という立場から究極的に全世界から核兵器廃絶を目指してきた国である。先のNSG臨時総会におけるインドへの特例措置の議論は核軍縮、核不拡散に逆行し、NPT体制の形骸化が指摘されているところであり、県民にも大きな不安が広がっている。
 ついては、国においては、核兵器廃絶を目指す被爆国として、引き続きインドに対してNPTへの早期加入と包括的核実験禁止条約(CTBT)への署名及び批准を行うよう働きかけるとともに、NSG臨時総会においては、核不拡散体制の強化に努めてきた立場を踏まえ、インドへの特例措置を世界唯一の被爆国として認めないよう強く要望する。
 併せて、国の対応を国民に十分説明し、今後とも核兵器廃絶に向けて積極的に取り組むよう要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成20年9月3日

長 崎 県 議 会

(提出先)
内閣総理大臣
外務大臣
内閣官房長官
衆議院議長
参議院議長

福田
高村
町村
河野
江田

康夫
正彦
信孝
洋平
五月

様
様
様
様
様



米原子力潜水艦「ヒューストン」の冷却水漏洩に関する意見書

 佐世保港に寄港した米原子力潜水艦「ヒューストン」が、2006年6月から2008年7月の約2年間にわたり、放射性物質を含む冷却水を漏洩していたことが確認され、外務省においては、漏洩した放射性物質の量は人体、海洋生物、環境を危険にさらすものではないと公表されたが、放射性物質の漏洩については、漏れた量の問題ではなく、漏洩そのものが大きな問題であり、県民に大きな不安を与えた大変憂慮すべき事態である。
 さらに、外務省から寄港地である本県や佐世保市への伝達が遅滞したことは、国防に協力することを基本としている本県との信頼関係を損ないかねない間題であり大変遺憾である。
 また、本県は被爆県であり、今回の放射性物質を含んだ冷却水の漏洩という事態は県民に対し、大きな不安を与えた。
 本県議会としては、県民の安全・安心を考えたときに、原子力艦船の安全性、監視体制、防災体制の確立がなされないままでの原子力艦船の佐世保港入港は安易に容認できるものではない。
 よって、国におかれては、放射性物質の漏洩という事態の重大性に鑑み、以下の事項を講じるよう強く要望する。

記

  1. 今般の事態発生に伴って改善された原子力艦船の安全性に係る情報の連絡・通報体制を厳正に遵守すること。
  2. 放射性物質漏洩の原因究明及び再発防止の原子力艦船の安全性の確保を米国に求め、速やかに公表すること。
  3. 佐世保港におけるモニタリング体制のさらなる充実のために、本県及び佐世保市が要請している佐世保港南部地区へのモニタリングポスト増設の早期実現を図ること。
  4. 佐世保市が実施する原子力艦原子力防災訓練への米軍の参加を求めること。
  5. 原子力潜水艦の入出港通報の事前公表中止措置解除を米国に求めること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成20年9月3日

長 崎 県 議 会

(提出先)
内閣総理大臣
外務大臣
文部科学大臣
内閣官房長官
衆議院議長
参議院議長

福田
高村
鈴木
町村
河野
江田

康夫
正彦
恒夫
信孝
洋平
五月

様
様
様
様
様
様

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