令和7年度ながさき農業オープンアカデミー~第2回講座(7月29日~)
第2回講座を7月29日、県央振興局(主会場)、県北、五島振興局(サテライト会場)で開催しました。

 第2回講座では、日本農業新聞 編集局長 川島 豪紀さんを講師に迎え、「長崎県農業の強さ~農政・経済・流通の視点から~」と題して基調講演を行っていただきました。

川島さんから、地球的規模で見ると人口の増加に伴う需給のミスマッチが続いており、食糧供給の役割を担う農業の重要性がさらに高まること、関連して世界のグローバル企業の多くが農業分野に熱い視線を送っているとのお話がありました。特に日本については、人口減少が進んでも市場価値の高さを注目されていることや、消費者は節約と贅沢の共存で、メリハリをつけるようになっていること等、新聞記者の視点による多角的で深く分析された農業をめぐる現状の説明がありました。

また、異常気象や世界的な食糧事情、地政学リスクが問題となっていることに伴い、国の農業基本政策も改正しており、農政を把握していくことが重要であるとの説明がありました。

さらに食事することは食べるためが目的ではなく、リラックスや食卓に上がるまでの食材のストーリーも消費者は求めていること、そして、売るのみでなく、消費者側から見た買う視点を持つ発想も伝えていただきました。

最後に新聞記事の読み解き方、市況データもより観察し、単価が高い時期に出荷できるよう栽培方法の工夫を行うなど経営の向上につながるよう活用して欲しいとアドバイスをいただきました。

 基調講演の後は、ファームサポーターズ・ラボ 岡部由美子さんより、「実行計画」、「経営計画作成」について講義がありました。実行計画を立てる上で、国内外のマーケットの動向や未開発分野の可能性を知ること、食に関する年代別傾向等を把握し、大きく変動や多様化する現在、経営環境も大きく変わることが前提で、経営計画の戦略を考える際には、「するべきことは何か」、「何をしないか」を選択、するべきことに資源を集中する重要性や自分や、作った農産物を「商品」と捉え、セルフブランディングする認識を持つことも学びました。
今回の講座の最後には、過去にアカデミーを修了した2名の方から、当時立てた計画の内容や修了後の取り組み、苦労した点などを語っていただきました。受講生にとっては今後の計画を作成していくうえで大いに参考になったようです。
第3回講座(8月18,19日)は、島原振興局、県央振興局で開催します。これまでの講義やグループワークをもとに経営計画の作成に進んでいきます。

日本農業新聞 編集局長 川島豪紀さんの基調講演
(「長崎県農業の強さ~農政・経済・流通の視点から」)
(株)ファーム・サポーターズ・ラボ
代表取締役 岡部 由美子さん
(講義「実行計画」、「経営計画作成」)
今回の講義でもグループワークで自分の考えを出しあい共有、議論していきました サテライト会場(県北、五島振興局から参加の受講生)
アカデミー修了者から、講座修了後の取り組みを講座で立てた経営計画と比較しながら説明をいただきました。
(諫早市 中島 勇太さん)
アカデミー修了者 平戸市 西 政則さん