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【卒論紹介】カボチャにおける不耕起連続栽培の検討(11月8日) |
1 目的
カボチャは、連作障害の発生しにくい作物である。そこで、前作がカボチャの圃場において、不耕起連続栽培を行った。不耕起栽培では、耕耘等作業の省力化、マルチ資材のコスト削減とあわせて基肥を前作の植穴に局所施肥するため減肥での栽培が期待できる。そこで基肥を以下の3種類用い、施用量も慣行栽培の6割減として不耕起連続栽培の効果を検証した。
①育苗じまん(育苗ポットに基肥を施用する肥料)
②レコアップ(複合堆肥混合肥料)
③果菜1号(標準的な化成肥料)
2 内容
作型:抑制栽培(前作春カボチャ)
供試品種:「ホワイトハロウィン」(トーホク)
播種日:2023年8月10日 定植日:2023年8月25日
収穫日:2023年11月~2024年1月
試験区の設定:
試験区①育苗じまん区、試験区②レコアップ区、試験区③果菜1号区
※10a当たり窒素4.4kgに統一(基準対比60%減肥)
慣行区①育苗じまん区、試験区②レコアップ区、試験区③果菜1号区
※10a当たり窒素11kgに統一(カボチャの基準施肥量)
試験方法:試験区では前作のマルチをそのまま利用し、植穴に上記の基肥を局所施肥。
慣行区では、前作栽培終了後整地耕耘して基肥を全面散布。
調査方法:試験区ごとに生育調査、収量調査を行った。
3 結果
平均1果重、収量とも
①育苗じまん区:慣行区>試験区(収量の差:110kg)
②レコアップ区:試験区>慣行区(収量の差:330kg)
③果菜1号区 :試験区>慣行区(収量の差:330kg) |
表 試験区ごとの平均1果重、収量および肥料費

※肥料費は、育苗じまん、レコアップ、果菜1号の価格。苦土石灰等の共通のものは含まない。 |
4 考察
レコアップ区と果菜1号区では、試験区の方が大玉で、多収であった。また、育苗じまん区では、慣行区の方が大玉で多収であったが、試験区との差は小さかった。このことから、不耕起での連作はカボチャの生育や収量に大きな問題はなく有効であると思われた。また、肥料間での違いでは、標準的な化成肥料である果菜1号区が試験区、慣行区とも一番収量がよかった。しかし圃場に施肥せず育苗ポットに施肥する育苗じまんや複合堆肥混合肥料であるレコアップは、より安価でかつ環境に配慮した肥料であるため、経営面や環境保全面での効果も考えると、十分に有効な肥料であると思われる。 |
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