研 修 部  

令和4年度ながさき農業オープンアカデミー ~第2回講座(令和4年8月24日)~
  令和4年8月24日(水)、五島振興局を主会場、各振興局をサテライト会場とし、第2回講座を開催しました。 

はじめに、(株)ブロードエッジ・ファクトリー取締役社長 江口和明氏より「SNS時代の共創マーケティング~自分で発信して売るということ~」と題してご講演いただきました。

江口氏はショコラティエ(チョコレートから様々なデザートや菓子を作る職人)であり、東京都内及び関西に店舗を展開しており、販売に関してInstagramTwitterSNSを重要なツールとして活用、多くのフォロワーが江口氏のSNSに注目しており、TV番組で度々取り上げられています。SNS利用が当たり前となった現在、SNSで顧客へ販売したい商品を伝えるためには、最も重要なことは価値を伝えること、買いたい心理を高めていくこと、また、商品の紹介のみでなく、顧客は商品の背景にあるストーリー(どのようなところで作られているか、作られるまでの過程など・・)も含めて購入していること、更に、SNS投稿は、見ている男女比や年代比率、閲覧時間帯などの分析が重要で、タイムリーに投稿することの必要性をアドバイスいただきました。 

次に(株)ファーム・サポーターズ・ラボ 代表取締役 岡部由美子氏の「顧客視点について考える」と題したご講演では、顧客視点も以前と大きく変化しており、顧客が求めるものが、作ることから生産されるまでのストーリーがわかり選ばれるものを作ることに変化していること、また過去の常識で消費者を見ていると理解できない、コモディティ(消費財があふれている)時代の現在では、自分の強みを見つけ、顧客のニーズに提案する時代になっていることなど、状況の変化について詳しくご説明いただきました。 

続いて、県農林部農政課 江里口係長から「ライフプランの重要性について」と題し、農業経営をも含めた生涯人生設計が必要で、特に自身や家族のイベント、夢を実現するためには農業所得の目標額を設定すること、長期のマネープランを常に考える重要性など説明いただきました。
  またサテライト会場(県央振興局)から、山本社会保険労務士事務所の山本真介氏より「労務管理」についてご講義いただきました。農業法人化する場合、雇用者管理が必要になることから、主に雇用者給与からの所得税、保険料計算、年末調整の仕組みなど実務を中心に、わかりやすく説明いただきました。 

特に江口氏のSNS活用についてのご講演は、人口減による地元顧客の減少や大消費地から離れた五島地区も含めた本県にとって、ネット販売の促進につながる大きなツールとなり、受講した方には今後積極的な活用を検討していただく機会になりました。 

  今回は主会場を五島振興局とした初めての離島開催となりました。主会場には基本講座受講生に加え、市、JAのほか、地元の企業や農園などからのスポットでの多勢の方のご参加をいただきました。今回の開催により五島地区での本講座の内容をより一層知っていただく機会にもなりました。

来年度以降も市、JA、振興局と連携するとともに、地域農業を中心的に担っていく方々の受講を期待しています。

(研修部職員)
 
 (株)ブロードエッジ・ファクトリー 江口和明氏 「SNS時代の共創マーケティング」
グループに分かれて発表(岡部先生からのアドバイスも。会場:五島振興局)
 
県農政課 江里口係長「ライフプランの重要性について」 
 
山本社会保険労務士事務所 山本真介氏 「労務管理」(サテライト会場からの講演) 
 
主会場(五島振興局)の様子(多数のかたに参加いただきました。)