計画流量の算定

このページを印刷する

Q.川棚川の治水計画の目標400ミリメートル/24hを超える大雨が発生した場合でも、石木ダムで住民の命が守られるのでしょうか?

・ダム計画において、洪水調節容量には、流入洪水の予測に関する不確実性などを考慮して2割程度の余裕を見込んでいます。仮に、計画を超える降雨により洪水時にためることのできる最高水位を越えたとしても、ダムへ流入する流量以上に放流することは なく、 ダムがあることで、下流河川の水位上昇を遅らせ、沿川住民の避難に要する時間を確保することができると考えています。

Q.川棚川流域平均雨量の算出において、昭和22年から昭和60年まで川棚川流域内に雨量計が存在していなかったことから佐世保雨量×0.94倍と設定して計画流量を算出していますが、実際に流域内には雨量計があったのではないでしょうか。

・川棚川の治水計画策定に必要なデータとしては、時間雨量の観測データが必要となります。

・昭和60年以前の川棚川流域内の雨量観測状況としては、訴訟の資料としても提出しておりますが、川棚川流域に雨量計はあったものの日雨量しか観測データがなかったり、時間雨量があっても欠測が多いなど、治水計画の策定に必要となる信頼性の高いデータを観測している観測局(雨量計)はありませんでした。

・そのため川棚川流域平均雨量の算出に当たっては、近傍の佐世保雨量局の時間雨量データを用い、川棚川流域平均雨量との相関を確認の上、算出しています。

・なお昭和61年以降は流域内に時間雨量の観測局が整備されたことから、流域内の実測雨量を用いて流域平均雨量を算出し、計画流量を算定しています。

Q.基準地点(山道橋)の計画流量は、雨量から流量を算出する「流出計算モデル」をもとに算出されていますが、このモデルの再現性について、石木ダム地点での検証がされておらず、再現性が適切に検証できていないのではないでしょうか?

・流出計算モデルの検証では、実際に起こった洪水で実測された流量観測データと計算によって求められた 流量を比較して検証を行います。

・川棚川では昭和63年6月2日、平成元年7月28日、平成2年7月2日に発生した大きい洪水で検証を行っていますが、当時、石木ダム地点では流量観測ができなかったことから、支障なく観測できる石木ダム下流の石木橋地点での流量観測データにより、流出計算モデルの検証を行っています。

・検証した結果、計算値は概ね実測値と一致しており、流出計算モデルの再現性については確認しております。

Q.流出計算の過程を示すハイドログラフ(流量ー時刻図)において、山道橋地点と石木ダム地点の洪水到達時間が異なっているのに、洪水ピーク時刻が同一なのはおかしいのではないでしょうか?

・本川や支川の洪水時のピーク時刻や最大流量は、降雨波形や地域特性など雨の降り方により異なりますので、同じ時刻やそうでない場合もあります。

・石木ダムで採用している降雨波形(流量が最大となるもの)で流出計算した結果では、ピーク時刻の違いが数分程度となっています。

・解析では、過去の大雨の降り方9パターンを計画雨量(3時間203ミリメートル、24時間400ミリメートル)に引き伸ばして流出計算を行い、その中で山道橋地点で最大の流量となるものを採用しています。同じ降雨量であっても降り方によって洪水のピーク時刻や流出量は大きく変わってきます。

Q.計画流量を算定する際に設定されたハイエトグラフ(雨量一時刻図)が、佐世保観測所で観測されたものと同じ降雨パターン(計画降雨ハイエト)を一様に与えているとすると、実態と乖離した降雨を前提に計算されたことになるのではないでしょうか?

 川棚川においては、流域平均雨量の算出に必要な雨量データが観測されたのは昭和61年以降であり、それ以前においては小流域ごとの降雨パターンを計算することができなかったことから、佐世保観測所観測データより用いた一様な降雨パターンで流出解析を行い、計画流量を算出しております。

このページの掲載元

  • 石木ダム建設事務所
  • 郵便番号 859-3605 
    長崎県 東彼杵郡 川棚町 百津郷394番地2
  • 電話番号 0956-82-5109
  • ファックス番号 0956-83-2944