| 調整池 | 干陸地 |
| 第3期諫早湾干拓調整池水辺環境の保全と創造のための行動計画 |
| 諫早湾干拓調整池及び水辺で見られる生きものたち |
国営諫早湾干拓事業により諫早湾の湾奥部が潮受堤防によって締め切られ、長崎県の中央部に新しい湖(調整池)が
できました。
調整池の水位を一定に保つことにより、干上がった土地(干陸地)が出現し、そこには、ヨシやガマなどの湿地を好む
植物が生え、さらに、その植物群を住みかとする昆虫や野鳥などの動物が見られるようになっています。
衛星写真 航空写真(平成16年9月)
調整池周辺の干陸地では、すでにヨシが繁茂し、トンボやカエル、オオヨシキリなどの動物が住んでいます。
ヨシ原(小江干陸地付近) ヒメガマ(中央干陸地) オオヨシキリ
調整池
約7kmの潮受け堤防の内側に、2,600ha(26平方キロメートル:調整池に隣接する旧森山町の面積とほぼ同じ )の調整池ができています。
調整池は、人工の湖で、高潮や洪水による水害を防ぐとともに、かんがい用水(農業用水)として利用できるようになっています。
高潮や洪水による水害を防ぐため、水があふれて周辺の畑や家に害を及ぼさないように、湖の水位を常に一定に保つ工夫がなされています。
この工夫は、潮受け堤防の南と北にある排水門で、洪水が起こらないように調整されていることから、この人工の湖を「調整池(ちょうせいち)」と呼んでいます。
調整池の水深は、深いところで3.5m、平均1.4mと浅い水域になっており、風が吹くと底の泥(底泥)が巻き上がりやすい状況にあります。
調整池の水質を保全するため、工事完成後の水質を次のように定めています。
水質保全目標値
- 化学的酸素要求量(COD:有機物による水の汚れの度合いを示す数値)
→ 5mg/L(ミリグラムパーリットル)以下 - 全窒素(T-N:硝酸、亜硝酸など動植物の栄養のもと)
→ 1mg/L(ミリグラムパーリットル)以下 - 全燐(T-P:窒素と同様に動植物の栄養のもと。水の中に窒素や燐が増えすぎると植物プランクトンが増え、赤潮やアオコの原因となり水質が悪くなる)
→ 0.1mg/L(ミリグラムパーリットル)以下
(1mg/L(ミリグラムパーリットル)とは、例えば1トンの水に1gの砂糖が溶けている濃度)
諫早湾干拓調整池の水質の状況
令和元年8月に策定した「第3期諫早湾干拓調整池水辺環境の保全と創造のための行動計画」に基づき、国、県、市町等の関係機関が連携して下水道、農業集落排水施設、浄化槽の整備促進や環境保全型農業の推進等各種対策を推進しています。
調整池に生息する生物
調整池の中では、現在、ギンブナやコイなどの淡水魚が住んでいます。
ギンブナ コイ
干陸地
調整池の陸側に約600ha(ヘクタール)の湿地ができています。陸地に近づくにしたがって、乾燥が生じ、環境の変化に応じた動植物の生息が見られます。
植生
水際には生け花によく使われるガマが生育し、その後方には簾(すだれ)などに利用されるヨシが繁茂しています。
水際から離れると、私たちがよく目にするセイタカアワダチソウなどの雑草が生えています。
動物
これらの植物の種類の変化とともに、トンボやカエル、カヤネズミ、オオヨシキリ、ホオジロ、セッカなどの動物の生息が
みられ、環境の変化による動植物の生息の変化の様子を観察できる場所となっています。
トノサマガエル カヤネズミ ホオジロ セッカ
第3期諫早湾干拓調整池水辺環境の保全と創造のための行動計画
令和元年8月に策定した「第3期諫早湾干拓調整池水辺環境の保全と創造のための行動計画」に基づき、国、県、市等の関係機関が連携して、調整池の水質保全対策や自然豊かな水辺空間づくりに関する事業を実施しています。
計画(本文)
第3期諫早湾干拓調整池水辺環境の保全と創造のための行動計画[PDFファイル/1MB]
諫早湾干拓調整池及び水辺で見られる生きものたち
以下の資料に詳しく記載していますので、ご覧ください。
自然観察のしおり
- 自然観察のしおり(表紙から9ページ)[PDFファイル/3MB]
- 自然観察のしおり(10ページから19ページ[PDFファイル/2MB]
- 自然観察のしおり(20ページから24ページ)[PDFファイル/888KB]
諫早湾干拓調整池の自然環境
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- 地域環境課
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