東京大学「フィールドスタディ型政策協働プログラム(FS)」

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東京大学「フィールドスタディ型政策協働プログラム(FS)」について

 長崎県では、令和3年度から、国立大学法人東京大学と連携し、学生が現地活動などを行いながら地域の課題解決の道筋提案を行う「東京大学フィールドスタディ型政策協働プログラム(東大FS)」に協力しております。
 令和5年度は、南島原市・五島市で活動が行われました。
 「東京大学フィールドスタディ型政策協働プログラム」については、東京大学のHPをご参照ください。

<これまでの主な活動内容>

南島原市(令和5年度)【令和3年度からの活動】

 南島原市では、東大生に以下のテーマを掲げ、1年間かけて事前調査(活動企画立案)・現地活動・事後調査を行ってもらい、課題解決に向けた道筋について学生の皆さんとともに考えていきました。
 令和5年度は、空き家バンク登録促進と空き家バンクドナー制度の確立を目指し、家の終活ノート「おうちの手帳」の製作に取り組みました。

 テーマ

 空き家バンクドナー制度の確立、試行
現地報告会 (2) 現地報告会

1回目現地調査イルカウォッチング 1回目現地調査空き家視察

【長崎県南島原市】R5東大FSプレゼンテーション用資料(空き家バンクドナー制度確立、試行)[PDFファイル/2MB]

 主な年間スケジュール
6月 2022年度東大FSメンバーとの顔合わせ、引継ぎ
7月から8月 空き家バンク制度説明と南島原市の空家の現状説明。現地調査(1回目)へ向けて日程調整など
9月 9月5日から8日まで現地調査(1回目)。
空き家の内見、市内の空家の現状について説明、市内観光・アクテビティ体験、移住者との懇話など。
10月から11月 ドナー制度について精査、家の終活ノート「おうちの手帳」と名付け、プロトタイプの作成。
現地調査(2回目)の日程確認など
12月 12月15日から17日まで現地調査(2回目)。
おうちの手帳を用いて内容について現役世代、高齢者世代、不動産業者へ聞き取り調査。調査をもとに内容改定
1月から2月 おうちの手帳内容確認。学内報告会、現地報告会の報告内容確認
3月 3月19日から20日で現地調査(3回目)、報告会
 南島原市からのコメント

 2021年度、2022年度、2023年度と3回目の東大FSでした。空き家バンク制度を通して3年目の集大成として「おうちの手帳」を学生が考えてくれました。内容も家に特化した内容になり、名前も親しみやすいものなりました。
 この手帳を今後は南島原市のHPで公開したり出前講座に活用したりなどたくさんの方に使っていただけるように動いていく予定です。

五島市(令和5年度)【令和5年度からの活動】

 五島市では、東大生に以下のテーマを掲げ、1年間かけて事前調査(活動企画立案)・現地活動・事後調査を行ってもらい、課題解決に向けた道
筋について学生の皆さんとともに考えていきました。
 令和5年度は、伝統文化(チャンココと神楽)の担い手と交流し、伝統文化継承の現状や想いなどについて聞き取りをおこないました。
 また、小・中学校でのワークショップを行い、子供たちに伝統芸能の動画を見せたり、衣装や道具に触れさせる機会を設け、伝統芸能に触れることで、子供たちの語彙にどのような変化が起きるかなどを分析したほか、かつて担い手として活躍していた宮司や老人会の方々、無形文化財ではなく有形文化財(バラモン凧)の若い継承者への聞き取り調査も行いました。
 これらの活動を通じて、これまでの口伝による継承の課題も見え、デジタル記録媒体の活用による保存の重要性が示唆されました。

 テーマ

 島に残る伝統文化(神楽や念仏踊り「チャンココ」「カケ」など)の子どもたちへの伝承
 (1)島外者の視点で島の伝統文化を考える
 (2)感動と所作を数値化する

五島市写真1 五島市写真3

五島市写真2

【長崎県五島市】R5東大FSプレゼンテーション用資料(島に残る伝統文化)[PDFファイル/3MB]

 主な年間スケジュール
6月 東京大学(御殿下記念館・学生支援センター)にて、学生チームと市職員が顔を合わせ、今回テーマになる伝統文化(神楽とチャンココ)の映像を鑑賞し、意見交換を行った。
7月から8月 子どもたちの想いを収集するためのワークショップを小中学校で実施するため、その方法の検討や学校との調整を進める。調査方法については、市職員と学生で意見を出し合いながら、「哲学対話(P4C/PwC) ・Mentimeter (ワードクラウド機能)による思考ツールの活用」を採用することとした。
9月20日 五島市に初来島。郷土食の五島うどんを食べたり、市内を巡りながら、大陸への海路に位置する当地の歴史的背景を体現した。また、チャンココの実演を観た後に、担い手である青年団と交流し、伝統芸能継承についての想いを聞き取った。
9月21日 チャンココを行っている地域の小学校において、楽器や衣装に実際に触れることで、子どもたちの意識がどのように変化するかを評価するワークショップを実施した。午後は神楽保存会の協力を得て、地域の小中学校において神楽鑑賞会を実施。神楽について説明を受ける前後での意識変化を評価した。その後、神楽保存会の練習を体験した後、交流会を行った。
9月22日 チャンココを行っている地域の中学校において、自分たちの伝統文化についてお互いに話し合う前後での意識変化を評価した。
10月から11月 収集したデータの分析を行い、次の調査事項について検討した。
12月15日から17日 2回目の来島。神楽を伝承している宮司から、現在実施できないでいる例大祭への課題などを伺う。また、かつてチャンココを担ってきた経験を持つ老人会のメンバーに集まってもらい、彼らから見る現在のチャンココについてなどの意見を伺う。さらに、若い女性のバラモン凧継承者の作業場を伺い、師匠とともにインタビューを行う。さらに凧あげを経験する。
2月10日 市立図書館において現地発表会を行う。女性8名も含めて40名の参加者があった。伝承の必要性と変化してしまう無形文化財の保全方法の課題などが浮き彫りになった。
 五島市からのコメント

 毎年お盆に行われているチャンココ。
 その継承については課題という認識はありながらも、普段なかなか島民同士では話すことができずにいました。
 伝承の課題は担い手の減少と思い込んでいましたが、子ども達が地域の伝統芸能に誇りを感じていることがわかり、子どものうちに何かしらの形で伝統芸能に携わらせる工夫をすれば、次の担い手として継承され、将来に残していけるのではないかと、一筋の光が見えたような感覚でした。
 また、踊りが代々変容しているという指摘があり、デジタル技術などにより保存をするとしても、どの時代の踊りを記録として残すべきなのかという点で課題があることに気づくことができ、とても感動しました。

 

雲仙市(令和4年度)

 雲仙市では、東大生に以下のテーマを掲げ、1年間かけて事前調査(活動企画立案)・現地活動・事後調査を行ってもらい、最終的には課題解決に向けた道筋提案を行ってもらいます。
 夏の現地活動では、交流拠点「雲仙BASE」等の視察、市内の観光・農業・飲食等の事業所や地域のプレイヤーと意見交換を行いました。

 テーマ

 地方と都市の交流によるオープンイノベーションの場、仮想大学『雲仙大学』で雲仙市の課題解決と相互のレベルアップを目指す雲仙大学パワポ
画像2

参考資料(雲仙市・学生向けオリエンテーション資料)[PDFファイル/3MB]

 主な年間スケジュール(予定)
4月 オリエンテーション
5月から7月 R3年度の学生の活動・提案等を把握し、周辺情報の事前学習
8月から9月 現地活動(現場の課題や解決してほしい事業所等を把握)
9月から11月 東京で都市側の大学や企業等にヒアリング
課題解決に向け、解決可能な人や企業の発掘・選定及びマッチングを模索
11月から2月 現地又はオンライン会議等(地域の人と都市部の人とのマッチングの場の設定)
2月から3月 現地報告会(マッチングから課題解決に至る過程等の事例のまとめ、
それらを踏まえ、ブラッシュアップした雲仙大学の仕組みづくりを提案)
2.南島原市(令和4年度)

 南島原市では、東大生に以下のテーマを掲げ、1年間かけて事前調査(活動企画立案)・現地活動・事後調査を行ってもらい、最終的には課題解決に向けた道筋提案を行ってもらいます。
 夏の現地活動では、農林漁業体験民泊やマリンスポーツ等を体験し、地元高校生、空き家所有者、自治会長、移住者と意見交換を行いました。

 テーマ

 (1) ワーケーションを通じた関係人口増加の取り組み
 (2) 移住検討者・空き家所有者のコミュニケーションのオンライン化
南島原市パワポ画像3参考資料(南島原市・学生向けオリエンテーション資料)[PDFファイル/3MB] 

 主な年間スケジュール(予定)
4月 オリエンテーション
6月 R3年度の学生との顔合わせ・引継ぎ
6月から7月 事前調査
・ワーケーション(空き家確保の道筋案)
・オンライン化(アプリメニュー検討、高齢者サポート案、試験運用準備)
・MINAコインとの連携模索
8月 現地活動
・市内周遊、地域住民との交流(実際に事業交渉)
・南島原市の各種体験実践
・LINEアカウントの試験的運用
9月から2月 事後調査
・ワーケーション(空き家のリフォームデザイン、パッケージ作成等)
・オンライン化(高齢者サポート仕組み、LINE公式アカウント再確認)
・MINAコインとの連携
3月 現地報告会

 

 

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