釜山は「野球」の都市
ヨロブン、アンニョンハセヨ!皆さん、こんにちは!
4月から長崎県の国際交流員として働くこととなりました、李 常夏(イ・サンハ)と申します。
「サンハ」と呼んでいただけると嬉しいです!
私は韓国の釜山から来ました。釜山はソウルに次ぐ韓国第2の都市と言われており、長崎のような港町でもあります。
美味しい食べ物はもちろん、映画やスポーツなど、様々な文化を楽しめるところです。
また、長崎県とは友好都市であり、今年で友好交流関係樹立10周年を迎えることとなりました。
運命と言ったら大げさかもしれませんが、こうした記念すべき年に、釜山出身の私が長崎県に来られたことを嬉しく思っています。
これからコラムなどを通して、釜山を含め、韓国のあれこれをご紹介できたらと考えています。
皆さんに友好都市である釜山、そして韓国に興味を持っていただき、馴染んでいただける機会になると幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
釜山は「野球」の都市
韓国ではサッカー、野球、バスケ、バレーボールが4大プロスポーツと呼ばれており、
その中でも野球の人気は本場アメリカや日本に負けないくらい高いです。
特に釜山は野球の都市、「球都(クド)」と呼ばれるほど、熱狂的な野球ファンが多い都市でもあります。
ただ今リーグの真っ最中ということで、今回のコラムでは「釜山×野球」についてご紹介したいと思います。
釜山・ロッテ・ジャイアンツ
韓国のプロ野球リーグ(KBO)は10チームで構成されています。
釜山を本拠地とする「ロッテ・ジャイアンツ」は、韓国プロ野球が発足した1982年から存続している6つの球団の一つです。
最後の優勝が30年も前で、近頃の成績も良いとは言えませんが、それでも全国的な人気を誇る球団でもあります。
チームそれぞれの魅力がありますが、釜山・ロッテファンの応援文化はリーグの中でも独特なものと知られています。
ロッテファンの応援文化
1)ビニール袋&新聞紙で応援
▲ ビニール袋の付け方[1] |
▲ 新聞紙のポンポンの作り方[3] |
▲ ビニール袋を付けて応援するファンの様子[2] |
▲ 新聞紙のポンポンを使って応援するファンの様子[4] |
まずは、こちら。空気を入れたビニール袋を頭に付け、新聞紙をちぎって作ったポンポンを振る。 ビニール袋を頭に付ける文化は、もともと観戦が終わってから周りのゴミを持ち帰るようにとビニール袋を配っていたことから始まったらしいです。新聞紙も、昔は服が汚れないように観客席に敷いて座っていたことから、いつの間にか応援道具として使われるようになったそうです。 残念ながら、今は環境問題などの影響でなくなりましたが、未だに昔を懐かしむ声が上がるなど、ロッテを代表する独特な応援方法でした。 (▼ 今はタオルを振り回したり、ハンドクラッパーを鳴らしたりしているそうです。) |
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▲ タオル応援を呼びかけるポスター[5] |
▲ 応援グッズのハンドクラッパー[6] |
2)相手投手の牽制には「マ!」と叫ぶ
日本ではあまり馴染みのない応援方法かもしれませんが、韓国には「牽制応援」という文化があります。相手投手が牽制球を投げた時、応援団長の合図に合わせて一斉に声を上げることで、相手投手にプレッシャーを与えるとともに、チームの士気を高めることを目的としています。 ロッテファンの場合、牽制応援として「マ!」と叫びます。これは釜山地域の方言で、「おい」「こら」などの意味を持っていて、ここでは牽制球に対する警告のような意味合いも含まれています。 このようにその地域の方言を用いるなど、各チームごとに独自の応援方法があり、これを見比べるのも見どころの一つと言えます。 |
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牽制応援のフレーズを活用したロッテの応援グッズ |
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▲ うちわ[8] |
3)世界で一番大きいカラオケ
選手たちの士気を上げるために「プサン カルメギ (釜山カモメ)」「トラワヨ プサンハンエ (釜山港へ帰れ)」など、釜山をテーマとした昔ながらの歌謡曲をみんなで熱唱することから、ロッテのホーム球場である社稷(サジク)野球場は「世界で一番大きいカラオケ」とも呼ばれています。 (選手たちが乗っていたり、試合に勝つとエンドレスで流れるとかなんとか…) |
4)子供に特別な思い出を
観客席に飛んできたボールの周辺に子供がいたら、周りから「アジュラ」を連呼します。 「アジュラ」は釜山地域の方言で「子供にあげなよ」「子供にやれよ」という意味です。観客席に飛んできたボールを子供に譲ってあげようという文化を指す言葉として使われています。 これは、野球場を訪れた子供たちに特別な思い出を作ってあげようという趣旨でファンの間で自然と始まり、ロッテファンを代表する言葉の一つとなりました。 ただ、最近ではこのことを悪用し、まだ小さい赤ちゃんを連れてきてボールを譲ってもらおうとしたり、譲ることを強制する風潮に変質してしまったという批判の声も上がっています。 (もし強制されて譲ってあげたとしても、譲った人からすると、せっかくゲットしたボールを奪われた気分で、逆に良い思い出になりませんよね) |
ちょこっと韓国語
今回は日常生活でもよく使われている野球用語をいくつかご紹介します。
韓国のこのコンテンツはどうですか?
今回は野球に関するコンテンツをいくつかご紹介します。
【バラエティ】:最強!野球団
アマチュア野球選手たちが、プロ野球界のレジェンドたちと真っ向勝負。
最強のチャンピオンを目指して、各チームが激しい戦いを繰り広げる。(出典:NETFLIX)
【ドラマ】:ストーブリーグ
万年最下位のプロ野球チームがオフシーズン中に雇ったのは、野球経験のないゼネラルマネージャー。
その型破りな方法で、優勝を目指して球団の立て直しを図る。(出典:NETFLIX)
【歌】:SEVENTEEN ‐ ‘HOME;RUN’
9回の裏 2アウトでも バットを握ろう Hit ‘em up ボール飛んできたら チャンスと思う思考 君のままでいいんだ そんなに不安かい? ホームラン またホームラン |
以上、今回のコラムでは、「釜山×野球」についてご紹介いたしました。いかがでしたか?
もし釜山に行くことがあったら、一度社稷(サジク)野球場を訪ねて、釜山の野球愛を感じてみてください。
- 社稷(サジク)野球場 (VISIT BUSAN ホームページに移動します)
では、次回もお楽しみに!
ト マンナヨ!また会いましょう!
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毎週水曜日、出島交流会館にて「CIR(国際交流員)と話そう!」を開催しています。
韓国はもちろん、中国やオーストラリアの国際交流員とお話できます。
興味のある方は、ぜひ参加してみてください。
6月の『CIR(国際交流員)と話そう!』の開催について | 公益財団法人 長崎県国際交流協会 (nia.or.jp)
【写真出典】
[1] ロッテ・ジャイアンツ ビニール袋応援 – ロッテ公式ブログ (lotte.co.kr)
[2] 6月 5日 遠征_斗山戦 > メディア | ロッテ・ジャイアンツ (giantsclub.com)
[3] ロッテ・ジャイアンツ 新聞紙応援 – ロッテ公式ブログ (lotte.co.kr)
[4] ロッテ応援文化 都市ブランド化に向け努力: 釜山広域市の新聞 (busan.go.kr)
[5] ロッテ、応援団長と一緒にタオル応援を > メディア | ロッテ・ジャイアンツ (giantsclub.com)
[6] [Gロゴ 両面ハンドクラッパー (RED/NAVY)] (lottegiantsshop.com)
[7] [クレヨンしんちゃん アクリルキーホルダー(6種)] (lottegiantsshop.com)
[8] [マ! ホログラムうちわ (NAVY)] (lottegiantsshop.com)
[10] ストーブリーグ ‘ルールも審判もなし!’ (縦) : ポスター : SBS
【その他参考資料】
- ロッテ・ジャイアンツ及び応援文化の紹介
紹介 > 球団紹介 > 紹介 | ロッテ・ジャイアンツ (giantsclub.com)
[ロッテ プロ野球] 応援を楽しもう! …‘マ! マ! マ’… ‘アジュラ~’ : 釜山広域市の新聞 (busan.go.kr)
熱狂的な釜山のプロ野球応援文化を体験しよう : 釜山広域市の新聞 (busan.go.kr)
釜山は今、野球が熱い! : 釜山広域市の新聞 (busan.go.kr)
[イ・デジンのタイムアウト] 新聞紙とビニール袋 – 釜山日報 (busan.com)
[今日を通し、過去をレビュー] ロッテ・ジャイアンツのビニール袋応援、そしてアジュラ – ファイナンシャルレビュー (financialreview.co.kr)
- ちょこっと韓国語
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