エイズ・性感染症対策

1、梅毒とは

梅毒は、性的な接触(他人の粘膜や皮膚と直接接触すること)などによってうつる感染症です。原因は梅毒トレポネーマという細菌です。
梅毒では全身に様々な症状が出ることがあります。検査や治療が遅れたり、治療せずに放置したりすると、長期間の経過で脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。
梅毒は早期の適切な抗菌薬治療で完治が可能です。十分に治療されないと病気が進行することもあるため、症状がよくなっても自己判断で治療を中断しないようにすることが重要です。また、治療によって完治した後でも新たに感染することがあり、予防が必要です。
妊娠している人が梅毒にかかると、流産、死産となったり、子が梅毒にかかった状態で生まれる先天梅毒となることがあります。感染した妊婦への適切な抗菌薬治療によって、母子感染するリスクを下げることができます。

梅毒の症状
Ⅰ期顕症梅毒: 感染後数週間

梅毒トレポネーマが侵入した部位(主に口の中、肛門、性器等)にしこりや潰瘍(かいよう)ができることがあります。また、股の付け根の部分(鼠径部)のリンパ節が腫れることもあります。これらの症状は痛みを伴わないことが多いです。治療をしなくても症状は自然に軽快しますが、ひそかに病気が進行する場合があります。

Ⅱ期顕症梅毒: 感染後数か月

感染から3ヶ月程度経過すると、梅毒トレポネーマが血液によって全身に運ばれます。この時期に、小さなバラの花に似ていることから「バラ疹(ばらしん)」とよばれる淡い赤い色の発疹が、手のひら、足の裏、体幹部などに出ることがあります。その他にも肝臓、腎臓など全身の臓器に様々な症状を呈することがあります。
発疹などの症状は、数週間以内に自然に軽快しますが、梅毒が治ったわけではありません。また、一旦消えた症状が再度みられることもあります。アレルギーや他の感染症などとの鑑別が重要であり、適切な診断、治療を受ける必要があります。

晩期顕性梅毒: 感染後数年

感染後数年程度経過すると、ゴム腫と呼ばれるゴムのような腫瘤が皮膚や筋肉、骨などに出現し、周囲の組織を破壊してしまうことがあります。また大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)などが生じる心血管梅毒や、精神症状や認知機能の低下などを伴う進行麻痺、歩行障害などを伴う脊髄癆(せきずいろう)がみられることもあります。
現在では、抗菌薬の普及などから、晩期顕性梅毒は稀であるといわれています。

感染が脳や脊髄に及んだ場合を神経梅毒と呼び、どの病期でも起こりうるとされています。
梅毒が疑われる症状や感染の心当たりがあれば、病期にかかわらず早めに医療機関を受診するようにしましょう。

主な感染経路

主に、粘膜や皮膚が、梅毒の病変部位と直接接触することで感染します。具体的には、性器と性器、性器と肛門(アナルセックス)、性器と口の接触(オーラルセックス)等です。

予防方法

粘膜や皮膚が梅毒の病変と直接接触しないように、また病変の存在に気づかない場合もあることから、性交渉の際はコンドームを適切に使用しましょう。ただし、コンドームが覆わない部分から感染する可能性もあるため、コンドームで100%予防できると過信はしないようにしましょう。もし皮膚や粘膜に異常を認めた場合は、性的な接触を控え、早めに医療機関を受診して相談しましょう。

検査方法

血液検査で調べます。
保健所では、無料匿名で検査を受けることができます。プライバシーは守られますので、安心してご利用ください。

長崎県では、梅毒感染者の届け出数が過去10年間で最大となっており、全国的にも増加しております。

全国的に梅毒患者の届出数が増加しており、長崎県でも令和5年に147件の梅毒の報告がありました。現行の調査が開始されて以降、過去最多の報告数となっています。
心配な出来事等があった場合には、保健所での検査を利用できますので、ご相談ください。
すでに、症状が出ている場合には、泌尿器科、皮膚科等の医療機関を受診しましょう。

【厚生労働省ホームページ】
 梅毒に関するQ&A
 性感染症 

イラスト1イラスト2

梅毒の感染が拡がっています(イラスト)(A4)[PDFファイル/325KB]
梅毒の感染が拡がっています(写真)(A4)[PDFファイル/428KB]

いま、梅毒が急拡大していることをご存知ですか?いま、梅毒が急拡大しています。

いま、梅毒が急拡大していることをご存知ですか?[PDFファイル/936KB]
いま、梅毒が急拡大しています。[PDFファイル/610KB]

医療機関のみなさまへ

令和6年5月1日以降に梅毒の診断を行った場合、追加調査を実施しております。
詳しくは、地域保健推進課ホームページをご確認ください。

2、エイズについて

 エイズとは、「後天性免疫不全症候群」といい、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染することで引き起こされる病気です。HIVに感染すると、ヒトの体を病原体などから守るシステム(免疫)が破壊され、免疫が下がりすぎると、健康な時にはかからないような様々な病気にかかってしまいます。
 感染経路は、以下の3つです。
 〇性行為による感染
 〇母子感染 
 〇血液による感染
 HIVは感染しても症状がほとんどなく、平均10年程度の無症状の期間があることから、発症して初めて感染を知ることもあります。
 検査を受けることで、早期発見・早期治療につながるため、感染の不安・心配がある方は1人で悩まず相談をしてください。
 相談も検査も匿名・無料で受けることができ、プライバシーは守られますので、安心してご利用ください。

相談対応時間

9時00分から17時45分 (土曜日、日曜日、祝日を除く)

2 HIV(エイズ)・梅毒検査

検査について

HIV抗体検査は、採血で、HIVに感染している可能性を調べるもので、血液中のHIVの抗体の有無を調べます。
ご希望があれば、梅毒についても一緒に検査ができます。

●梅毒抗体検査  ・・・性感染症の1つである梅毒感染の有無を調べます。

※検査は、無料匿名で実施でき、プライバシーに配慮するために予約制としております。
必ず事前予約をお願いします。
※令和6年10月から保健所では、B型肝炎、C型肝炎ウイルス検査は実施しておりません。
 ご希望の場合には、医療機関へご相談ください。詳しくは地域保健推進課ホームページをご確認ください。

検査を受ける時期

HIVに感染しても、感染初期には血液中に抗体やウイルスが検出されない期間があるため、
感染の心配があった時から3か月以上経ってから検査を受けることが目安となります。

検査結果

通常検査の場合、採血日から約2週間から4週間後に結果をお知らせします。

予約申し込み・お問い合わせ先

県南保健所 地域保健課 健康対策班 0957-62-3289

このページの掲載元