液状化の被害について
東北地方太平洋沖地震によって、東日本の広い範囲で液状化が発生し、地盤が沈下して戸建て住宅や塀などが傾いたり、歩道がうねって壊れたり、マンホールが隆起するなど、多くの被害が見られました。
液状化が起こる仕組み
液状化とは、地下水を多く含んだ砂の層で地震の振動により砂が水の中に浮いた状態となり、地盤が液体のようになってしまう現象です。
液状化した地盤は砂が水と一緒に噴き出した後に沈下することで、建物などは傾いたり、マンホールなど空洞の構造物は浮力によって地表面に浮き上がる現象が起こります。
一般的に、液状化しやすい場所の条件は次のとおりです。
- 砂地盤であること(少なくとも地下2~3mの浅い位置に砂層が存在すること)
- N値 (注)が低いこと(砂がふんわりとたまっていて締めかたまっていないこと)
- こうした緩い砂の層が地下水に満たされていること
これら3つの条件がそろった場所で、大きな地震が発生し激しく揺れると液状化現象が発生すると言われています。
(注)N値:地盤の強度等を評価する指標となる数値で、標準貫入試験等により求められます。
液状化発生のおそれがある場所
長崎県においても地震や地盤の状況により液状化の危険度が極めて高い地域があります。
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微地形区分による図
長崎県では、国土庁防災局「液状化地域ゾーニングマニュアル」に従い、微地形区分図を基に、各地の地震等に応じて250mメッシュで液状化の危険度(4段階)を示しています。
ただし、このマップは一般的に指摘される可能性程度で各地の傾向を表すものであり、地質の状況によって敷地ごとにはこれと異なる場合があります。
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活断層地震による図
「長崎県地震等防災アセスメント」では、想定される活断層地震の個別に求めた危険度の最大値をもとに、250mメッシュで液状化険度(5段階)を示しています。ただし、このマップは、各地の傾向を表すものであり、地質の状況によって敷地ごとには、これと異なる場合があります。
液状化の対策
建築基準法等では、戸建て住宅等の敷地内の液状化の可能性や対策については規定がなく審査されません。
したがって、地盤調査や対策工事は建て主が費用負担も含めて、自己責任において判断することとなっています。
- まずは、敷地が液状化しやすい土地か調べる必要があります。
液状化の起こりやすさは、ボーリング調査により調べることができますが、一定の費用が掛かります。敷地周辺の環境にも左右されますので、次に該当するかどうか調べてみましょう。- 新しい埋め立て地
- 以前、河川や池、沼があったところ
- 大きな川岸の近く
- 採掘跡地の埋戻し地盤
- 盛土による造成地
- 海岸砂丘のすそ
- 過去に液状化のあった土地
- 液状化の危険性のある土地では、敷地や建物の計画に応じた対策工事を行うことで液状化による被害の防止・抑制が可能です。
- ビルなどで使われる工法として、サンドコンパクションパイル工法などがあります。
- 戸建て住宅に使われる工法として、表層改良工法や柱状改良工法、小口径杭工法があります。
- 地震保険における地盤の液状化による建物損害について、東日本大震災では液状化特有の建物の傾斜や沈下といった損害に着目した損害認定方法が基準に追加されました。地震保険を活用し、液状化の被害に備えることも対策のひとつです。
<参考>一般社団法人日本損害保険協会(外部リンク)
http://www.sonpo.or.jp/news/release/2011/1106_04.html
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