食品の安全・安心確保をテーマにした食品工場見学と意見交換会を長工醤油味噌協同組合で開催しました。
結果は下記のとおりです。
開催日 平成28年3月7日(月)
開催場所 長工醤油味噌協同組合
参加者 一般消費者13名 ほか長工醤油味噌協同組合、長崎県
開催内容
【工場見学】 醤油工場のスライドによる説明、味噌工場へ移動しながら醤油タンク等の説明、味噌工場内各工程を見学窓から見ながら作業工程の説明を受けた。
【意見交換会】
○大豆は国産が安全かと思ったが、カナダ産を使われているということで、国産とカナダ産の割合をおたずねしたい。
→醤油の大豆は、国産大豆は5%未満。確かに国産というお声は多数いただくが、安心と安全という言葉があって、皆さんは明らかに国産が安心される。心情的にわかるが、でも、安全と安心は別のもので、安全があって、それを認識された方が、安心されるのではないかと思う。うちがカナダでやっているのは、非常に緯度が高くて、気温が上がらなくて、害虫がいない。なので、日本の大豆よりも、はるかに農薬を使っていない。無農薬とは言わないが、畑に植える前に除草剤を1回まく程度。国産は安心でしょうが、本当にそういった農薬とか化学肥料が気になる方は、有機をお勧めする。
→(県)長工の方も言われたが、安全と安心は違う。輸入大豆を使っているものも、添加物を使っているものもあるが、ここで扱われている商品は安全。後は皆さんの安心の度合いで商品を選択することになる。
○初歩的なことかもしれないが、薄口醤油と濃口醤油の違いを知りたい。原材料や製造工程など大きな違いは?
→使う原料は、配分は違うが同じ。大豆のたんぱく質、小麦のでんぷん、糖質が合わさると、褐変反応といって色が黒くなってしまう。だから薄口醤油もずっと置いておくと黒くなる。温度が高いと色がどんどん黒くなるので、薄口は比較的低い温度で発行させている。それと、一番の大敵は空気、酸素。酸化すると色が進むので、さっき見た大きいタンク中をどうやってかく乱するかというと、絶対人では無理。エアー撹拌と言って、タンクの底に入っているチューブからボコボコ空気を出して混ぜる。そうすると、よく混ざるが、空気をあまりたくさん入れると、色がどんどん進む。だから、薄口醤油は撹拌も最低限に抑えている。それと、時間が経つと、当然色が濃くなるので、薄口は熟成期間が濃口より短い。だいたい、半年以内に全部出してしまっているような感じ。そういった事で、何とか色が着かないようにしている。
○塩分の違いは?
→発酵菌の働きを弱めるため、色がつかないようにするため、薄口は塩分が多い。平均的には16%ぐらい。薄口は18か19%ぐらいとなっている。その分、薄口はうま味成分、甘味成分が3割ぐらい少ない。料理によって使い分ける。
など。
【工場見学の様子】
【意見交換会】