鳥インフルエンザ(ヒトの健康に関すること)

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鳥インフルエンザとは

鳥インフルエンザウイルスA(H5N1)のヒトの感染例は、1997年に香港で初めて報告されました。
2010年にはエジプト・インドネシア・ベトナムなどで報告されています。
また、2013年4月、中国においてインフルエンザ A(H7N9) に感染した患者が発生したとWHOが発表しました。

ヒトが鳥インフルエンザに感染した場合の潜伏期間は、おおむね2から9日、感染初期には発熱、咳、全身倦怠感、筋肉痛、下痢、嘔吐、腹痛、鼻出血、歯肉出血などを呈します。重症化すると、肺炎や多臓器不全などを起こし、死亡することもあります。症状だけでは鳥インフルエンザかどうかは判断できず、検査により診断します。病状や治療、死亡率など、まだ十分に解明されていない点が多いのが現状です。

鳥インフルエンザと新型インフルエンザとの関係
季節的に流行するヒトインフルエンザウイルスと、鳥インフルエンザウイルスの感染がブタやヒトの呼吸器で同時に起こると、これらの体内で遺伝子の組み換えが起こる可能性が高く、ヒトからヒトに効率的に感染を起こす新型インフルエンザの原因ウイルスとなる可能性があります。

病原体

H5亜型鳥インフルエンザウイルス
H7亜型鳥インフルエンザウイルス

・感染動物

鳥類(主に水きん類)

・感染経路

ヒトは、感染した鳥やその排泄物、死体、臓器などに濃厚に接触することによって、まれに感染することがあります。日本では、発症したヒトは確認されていません。
鳥インフルエンザウイルスに感染した鳥の体液、排泄物などを吸い込んだり、触れることによって感染します(飛沫感染・接触感染)。

・世界での発生状況

鳥類では東南アジアを中心に、中東・ヨーロッパ・アフリカの一部地域などで感染が確認され、ヒトでの症例はアジア、中東、アフリカを中心に報告されています。

厚生労働省 鳥インフルエンザ(H5N1)発生国及び人での確定症例(2003年11月以降)
厚生労働省ホームページ(鳥インフルエンザについて)へ

潜伏期

2から9日(多くは2から5日)

・診断と治療

(1)臨床症状
発熱、呼吸器症状、下痢、多臓器不全等
(2)病原体診断
(3)治療:タミフル等を用いた対処療法

・予防

鳥との接触を避け、むやみに触らない
生きた鳥が売られている市場や養鶏場にむやみに近寄らない
手洗いの励行(特に発生国では徹底してください)

鳥インフルエンザに感染しないためには・・・

・野鳥からの感染防止

野生の鳥は、インフルエンザウイルス以外にもヒトに病気を起こす病原体を持っている可能性があります。日頃から次のことに注意しましょう。
衰弱又は死亡した野鳥又はその排泄物を見つけた場合は、直接触れないこと。もし、触れた場合には、速やかに手洗いをすること。
特に、子供は興味から野鳥に近づくおそれがありますので注意しましょう。

・海外での感染防止

特に、鳥インフルエンザが流行している海外地域に行かれる方は注意が必要です。
不用意に鳥類に近寄ったり触れたりしない。
(特に、家きんが飼育されている場所、生きた鳥を販売している場所や食用に鳥を解体している場所には立ち入らない)
鳥の解体や調理をしない。もしも鳥を扱った場合には必ずよく手を洗う。
十分に加熱された鳥肉、卵などを食べる。

県民の皆様へ

鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染について

ヒトについては、この病気にかかった鳥類と接触して、羽や粉末状になったフンを吸い込んだり、触れたりすることによって、大量のウイルスが体内に入ってしまった場合に、ごくまれにかかることが知られています。

なお、日本では、この病気にかかった鳥は安全に処分されており、通常の生活で病気の鳥類と接触したり、フンを吸い込むようなことはほとんどないことから、住民の皆さんが鳥インフルエンザに感染する可能性はきわめて低いと考えられます。

高病原性鳥インフルエンザとは

鳥インフルエンザのなかでも、鶏に感染させた場合に、高率に死亡させてしまうようなものを高病原性鳥インフルエンザといいます。その原因となるウイルスは高病原性鳥インフルエンザウイルスといいます。高病原性鳥インフルエンザウイルスとしては、A/H5亜型のものとA/H7亜型のものが知られています。

鳥インフルエンザと新型インフルエンザとの関連

鳥インフルエンザ=新型インフルエンザではありません。

鳥類に対して感染性を示すA型インフルエンザウイルスによる感染症が、鳥インフルエンザです。一方、新型インフルエンザは、既知の鳥インフルエンザウイルスや豚インフルエンザウイルスの遺伝子が変異し、ヒトからヒトへと効率よく感染する能力を獲得した、新たな遺伝子を持つインフルエンザウイルスによる感染症です。

県内における高病原性鳥インフルエンザが疑われる事例の発生について

高病原性鳥インフルエンザが疑われる事例が発生しています。

健康相談窓口を以下のとおり設置しております。

 鳥インフルエンザのヒトの健康に関する相談窓口

 鳥インフルエンザについて、ヒトの健康に関するご相談は最寄の保健所までお尋ねください。

保健所名 住所 電話番号 各保健所のホームページ
長崎市保健所 長崎市桜町6-3 095-822-8888 長崎市保健所(長崎市のホームページ)
佐世保市保健所 佐世保市高砂町5-17 0956-24-1111 佐世保市(佐世保市のホームページ)
西彼保健所 長崎市滑石1-9-5 095-856-0691 西彼保健所のホームページ
県央保健所 諫早市栄田町26-49 0957-26-3304 県央保健所のホームページ
県南保健所 島原市新田町347-9 0957-62-3289 県南保健所のホームページ
県北保健所 平戸市田平町里免1126-1 0950-57-3933 県北保健所のホームページ
五島保健所 五島市福江町7-2 0959-72-3125 五島保健所のホームページ
上五島保健所 南松浦郡新上五島町有川郷2254-17 0959-42-1121 上五島保健所のホームページ
壱岐保健所 壱岐市郷ノ浦町本村触620 0920-47-0260 壱岐保健所のホームページ
対馬保健所 対馬市厳原町宮谷224 0920-52-0166 対馬保健所のホームページ

 

鳥インフルエンザに関するQ&A(厚生労働省)

問1 インフルエンザとは何ですか。

  • 答 インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによる感染症です。
     インフルエンザは、インフルエンザウイルスがヒトや動物に感染することで引き起こされる感染症です。インフルエンザウイルスは抗原性の違いから、A型、B型、C型、D型に大きく分類されます。
     国内で主に冬季に流行するインフルエンザは、季節性インフルエンザと呼ばれ、近年、世界的にヒトの間で流行している原因ウイルスは、A(H1N1)pdm09、A(H3N2)(いわゆるA香港型)、B型です

問2 鳥インフルエンザとは何ですか。

  • 答 鳥類に対して感染性を示すA型インフルエンザウイルスによる感染症が、鳥インフルエンザです。
     鳥インフルエンザの原因となるA型インフルエンザウイルスの自然宿主は野生の水きん(カモ)類です。この野生のカモ由来のウイルスが家きんの間で感染を繰り返すうちに、鶏に対して高い病原性を示すウイルスに変異した場合に高病原性という表現をします。
     鳥インフルエンザウイルスは、通常はヒトに感染しませんが、感染したトリに触れる等、濃厚接触をした場合などにきわめて稀にヒトに感染することがあります。このように、鳥インフルエンザウイルスが、トリ以外に、ヒトやその他の動物に感染した場合も鳥インフルエンザという病名を使用しています。
     ヒトの鳥インフルエンザのうち、A(H5N1)及びA(H7N9)の鳥インフルエンザは、感染症法上は二類感染症に、それ以外の亜型の鳥インフルエンザは 四類感染症に位置づけられています。 

     家きんにおける鳥インフルエンザについては農林水産省ホームページ「鳥インフルエンザについて知りたい方へ」をご参照ください。

問3 高病原性鳥インフルエンザとは何ですか。

  • 答 鳥インフルエンザのなかでも、鶏に感染させた場合に、高率に死亡させてしまうようなものを高病原性鳥インフルエンザといいます。その原因となるウイルスは高病原性鳥インフルエンザウイルスといいます。高病原性鳥インフルエンザウイルスとしては、A/H5亜型のものとA/H7亜型のものが知られています。

問4 鳥インフルエンザウイルス(高病原性鳥インフルエンザウイルスを含む)はヒトにも感染するのですか。

問5 鳥インフルエンザウイルスはどのような場合にヒトに感染するのですか。

  • 答 報告されている患者のほとんどが、家きんやその排泄物、死体、臓器などに濃厚な接触があったとされています。
     また、鳥インフルエンザウイルスがヒトからヒトに感染するのはきわめて稀であり、感染の事例は、患者の介護等のため長時間にわたって患者と濃厚な接触のあった家族等の範囲に限られています。

 問6 鶏肉や鶏卵を食べて、鳥インフルエンザウイルス(高病原性鳥インフルエンザウイルスを含む)に感染することはありますか。

  • 答 鳥インフルエンザウイルスについては、これまで、鶏肉や鶏卵を食べることによってヒトに感染したという事例の報告はありません。
     なお、WHO(世界保健機関)は、鶏などの家きん類にA(H5N1)の高病原性鳥インフルエンザが集団発生している地域(東南アジア等)では、家きん類の肉及び家きん類由来製品について、食中毒予防の観点からも十分な加熱調理(全ての部分が70℃に達すること)及び適切な取扱いを行うことが必要であるとしていますので、鶏肉は十分加熱して食べてください。また、鶏肉を未加熱又は加熱不十分なままで食べることは、食中毒予防の観点からもお勧めできません。
     また、食品安全委員会も、平成16年3月に、鶏肉や鶏卵は「安全」とする見解を示しています。詳細は、食品安全委員会ホームページをご参照ください。

 問7 鳥インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザを含む)と新型インフルエンザとはどのような関連があるのですか。

  • 答 鳥インフルエンザ=新型インフルエンザではありません。
     鳥類に対して感染性を示すA型インフルエンザウイルスによる感染症が、鳥インフルエンザです。一方、新型インフルエンザは、既知の鳥インフルエンザウイルスや豚インフルエンザウイルスの遺伝子が変異※し、ヒトからヒトへと効率よく感染する能力を獲得した、新たな遺伝子を持つインフルエンザウイルスによる感染症です。季節性インフルエンザウイルスと異なり、大部分のヒトは新型インフルエンザウイルスに対する免疫を有さないと考えられるため、ヒトの間で急速かつ大規模な流行を引き起こすと考えられます。なお、平成21年に発生した新型インフルエンザは、豚インフルエンザウイルスの遺伝子変異に由来したウイルスでした。
  • 鳥インフルエンザウイルスが新型インフルエンザウイルスになる仕組みは、2つあります。ひとつは、鳥インフルエンザウイルスがヒトや鳥類の体内で変異し、ヒトからヒトへ感染する新型インフルエンザウイルスになることです。もうひとつは、ヒトや豚に、ヒトのインフルエンザウイルスと鳥インフルエンザウイルスが同時に感染し、それぞれが混ざり合って、ヒトからヒトへ感染する新型インフルエンザウイルスになることです。(下図参照)
  • 鳥インフルエンザウイルスが新型インフルエンザウイルスになる仕組み 

 

関連情報(外部リンク)

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