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H21年1月
Vol.56
2004年の6月から、県国際交流員(CIR)が自国の歴史や文化、身近な話題など提供しておりますが、今回は柳 ジン(ユ ジン)さんが楽しい話題を御紹介いたします。

アンニョンハセヨ?皆さん、こんにちは。
セへ、ポック マニパドゥセヨ(あけましておめでとうございます)!
皆さん、新しい年を迎える準備は万全でしょうか。新年には皆様にいいことばかりありますよう祈願いたします。
長崎はそれほど寒くないですが、韓国のソウルは今の時期に -4〜5℃の気温です。やっぱり地球温暖化で冬の気温も昔に比べて、非常に低くは下がりません。韓国の冬は、実は12月より2月の方が寒いとよくいわれます。
さて、今の時期に韓国では全国のお母さんが一斉にやっていることがあります。それは、「キムジャン」というものです。
「キムジャン」とは、これから寒くなる冬に食べるキムチを大量に作ることです。今はスーパーマーケットに行けば、いつでもキムチの材料を手に入れることができますが、昔は冬が長い上、寒かったので、食べるものもキムチ以外にはなく、冬に材料を手に入れることはさらに難しいことでした。そのため、昔から韓国では秋の暮れ頃に大量のキムチをつくっておいて、冬にそれを食べて過ごしました。
韓国のニュースでは、「今年のキムジャンにかかる(材料の)費用」が去年に比べてどうなったのかを報道するほど、キムジャンはその年の韓国の物価が分かる基準にもなり、一般庶民の生活に深く関わっている重要な年中行事でもあります。
皆様もご存じのように、ほとんどの韓国人は毎日、毎食キムチを食べています(イタリアンレストランでパスタを食べる時などは例外ですが)。それを冬の3〜4ヵ月の間、一日三食、毎日食べると考えてみましょう。それでは、その量がどのくらい「大量」なのか、想像してみてください。
もちろん、今は韓国社会も核家族になった上、季節と関係なく必要な食材をスーパーマーケットで簡単に手に入れることができるので、それほど大量にはつくりません。約50年前までは一つの家庭で作るキムジャンの量は、例えば、白菜キムチなら、5人家族基準で白菜200〜500株くらいつくっていました。今日でも家庭によって異なるものの、約50〜150株くらいは作ると思います。
従って、キムジャンは本当に大きな行事なので、家族だけでは人手が足りません。この時には「プゥマシ」という風習で、村の人々がやって来て手伝います。
「プゥマシ」とは、例えば、今日Aさんの家でキムジャンをするなら、B、C、DさんがAさんの家に行ってキムジャンを手伝います。そして、後でBさんがキムジャンをする時にはA、C、Dさんが手伝います。こういうふうに、村の中で交互で互いに助け合う風習を「プゥマシ」といいます。プゥマシは、キムジャンに限りません。大変なことがある度に村の人々はお互いに助け合います。
最近は、時間と手間をはぶくため、既に塩に漬けておいた白菜を購買する人も増えています。
キムチを作るには、まず塩に漬けて水分を少し除去しないと味が染みないので、最初に塩に漬ける過程が欠かせませんが、これが結構時間も手間もかかる作業だからです。
キムチは韓国で年中食べるものですが、このキムジャンで作ったキムチは特に「キムジャンキムチ」と呼びます。
キムジャンキムチは、白菜キムチだけでなく、大根で作った「トンチミ」と「カクトゥギ」、高菜で作った「カッキムチ(高菜のキムチ)」、ネギで作った「パギムチ(ネギキムチ)」などが一般的です。そして、その地域ごと、家庭ごとにそれぞれ特色があります。
例えば、海岸地域ではキムチに生のイカや牡蠣など新鮮な海産物を沢山入れます。また、山の近い地域なら、山菜のように山でよく採れる材料をたっぷり使います。
また、北の方は気温が低いので、塩味は薄めにして野菜の新鮮な味を活かします。一方、南の方では少ししょっぱい味にしたり、唐辛子の粉も多めに入れます。従って、北のキムチが汁が多く、淡泊な味だとすれば、南のキムチは汁も少なく、色も一層赤いと言えます。中部地域は汁も、赤い色もその中間くらいです。
特に、ソウルの場合、多様な地域から来た人たちが集まって住んでいるので、キムチが塩辛くも、薄くもない程よい味付けで、色も適度に付いています。
それでは、キムジャンのキムチは寒い冬にどのように保管するのでしょうか?
皆様もご存じのようにキムチは発酵食品です。寒い冬には新鮮な野菜や果物が少ないので、ビタミン欠乏になりやすいですが、韓国の人はそのビタミンをキムチから摂取してきました。キムチが発酵すると酸っぱくなりますが、これはキムチの発酵で乳酸菌が発生したからです。キムチにはヨーグルトより遙かに多い乳酸菌が含まれていると言われています。
完成したキムチは5℃前後の一定の温度で熟成・保存しないと、変質したり、うまみが出なかったりします。今は、普通、キムチ専用冷蔵庫に保存しますが、昔は家の中の倉庫みたいなところに保管したり、地面を掘って(地面は温度がほとんど変わらないので)、キムチを入れた壷を埋めたりしました。
今も田舎や庭のある家では伝統的な保存方法を使っています。
このように韓国では、キムジャンが大きな一つの年中行事なので、キムジャンが終わると皆の労を労う意味で、生牡蠣の入ったキムチとポッサム(豚肉の煮込み)をみんなで一緒に食べます。
キムジャンをすることは大変ですが、韓国の主婦たちは、キムジャンさえ終われば、どんなに寒くなってももう心配ないと言います。寒い冬になっても、家族が美味しく食べられるキムチが沢山あれば、まさにお金持ちになった気持ちになるからだそうです。
皆様にキムジャンを紹介しているうちに私もキムジャンキムチが食べたくなりました。皆さんも、ただの「キムチ」ではなく、「キムジャンキムチ」が食べたくなりましたか?

次回は2月末に中国の劉 宇
(リュウ・ウテイ)さんが登場予定です。どうぞお楽しみに! ご意見、ご感想などお待ちしています。 なお、メールアドレスは、トップページに記載しています。