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割れ窓理論


 建物の窓ガラスが割られて,そのまま放置しておくと,その建物は管理されていないと思われ,割られる窓ガラスが増える。建物は荒廃し,さらに地域全体が荒れていく。このように小さな無秩序を放っておくと,最後には地域の崩壊につながるという理論を,割れ窓理論という。この理論は,たった1枚の割れたガラス窓への対処,小さな無秩序への初期対応の大切さを教えるものである。1982年にアメリカの犯罪学者ジョージ・ケリング博士により提唱された。割れ窓理論を取り入れ実施したニューヨーク市は,その結果,凶悪犯罪が激減し犯罪都市の汚名返上に結びついた。

地域が荒廃しないために
 非行による地域の荒廃は軽いものから,重いものへと進行するという基本パターンがある。小さな無秩序を放置するとエスカレートしていき,外部からプロがやってきて抜き差しならぬ状況になる。
 そこで小さな違反行為を正していくことが大切となり,そうした意味で街頭補導・巡回活動等の地域の健全育成活動は極めて重要である。
 そのためには住民が「この地域では,みんなと話し合って取り組みができる」という意識を持てるようにすることがカギとなる。さらにそのような活動に,青少年やPTAが参加することが大切となる。
 このような地域の連帯感をつくるためには,まず地域の人々が顔見知りにならねばならない。地域が一体となった「あいさつ・声かけ運動」は,これを促進するための方法である。

地域が放置すると割れ窓は増える

右グラフから,親子の絆が弱い青少年は,地域の働きかけのいかんで非行に走るか否かが大きく左右されることが読みとれる。地域の無秩序を生むことなく,すべての青少年が健全に成長するためには,地域のサポートが重要である。
(科学警察研究所資料より作成)






どのような青少年の社会参加活動が
非行防止に効果的か

 科学警察研究所の資料によると,地域活動の中で最も中学生に万引きを起こさせない効果がある活動は,内容別にみると清掃美化活動等であることが報告されている。また活動で中学生の経験する要素別にみた場合,最も中学生に万引きを起こさせない活動としては,「他の人と協力して最後までやり遂げた」,「親といっしょに参加した」という要素を持ったものが有効であることが報告されている。