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知事のページ - 長崎県知事 中村法道

平成30年3月5日 平成30年3月定例県議会における知事説明

 本日、ここに、平成30年3月定例県議会を招集いたしましたところ、議員の皆様にはご健勝にてご出席を賜り、お礼を申し上げますとともに、新たな任期のはじまりとして、所信を申し述べる機会をいただきましたことを光栄に存じております。
 また、このたび、県議会議員にご当選されました、松本洋介(まつもとようすけ)議員、盒蕎々(たかはしかつゆき)議員に対しまして、心からお慶びを申し上げます。

 さて、私はさきの知事選挙において、県民の皆様や県議会の皆様の温かいご理解とご支援を賜り、三たび知事として県政のかじ取りを担わせていただくこととなりましたが、ご期待の大きさや責任の重大さに、身が引き締まる思いであります。
 県政運営を託していただいた、お一人おひとりの思いをしっかりと心に刻み、これからの4年間、県政活性化のために全力を尽くしてまいります。
 今回、選挙期間を通して県内各地域を訪問させていただきましたが、人口減少や過疎化が一段と進行しつつある現状を目の当たりにし、まさに、地域の活力再生は一刻の猶予もならない状況にあるものと、危機意識を強くしたところであります。
 私は、知事就任以来、「何としても長崎県を元気な県にしなければならない」と考え、人を大切にすることを基軸に置きながら、県民の皆様が、安心して、生きがいを持って暮らしていただけるような、活力に満ちた長崎県づくりを推進するために全力を傾注してまいりました。
 この間、平成23年度には、「人や産業、地域が輝く長崎県づくり」を基本理念とした県の総合計画をスタートさせ、さらに、平成25年度には県民所得向上対策を、平成27年度には、国の動きと連動した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、人口減少や県民所得の低迷、地域活力の低下といった本県の構造的な課題に正面から向き合ってまいりました。
 その結果、雇用創出数や県外からの移住者数は目標を上回って推移し、合計特殊出生率も全国4位まで高まってまいりました。また、農業産出額は7年連続で増加し、観光消費額も過去最高を記録するなど、明るい兆しも見えはじめているところであります。
 しかしながら、未だ人口減少をはじめとした本県の長年に亘る課題を、解決するまでには至っておりません。
 地方創生の時代にあって、本県が厳しい地域間競争を勝ち抜き、明るい未来を切り拓いてまいりますためには、これまで以上に行政と県民の皆様方との連携・協働体制を強化し、有効な施策を構築するとともに、目標を共有化しながら、総力を結集して諸課題の解決に取り組んでいくことが何よりも大切なことであると考えております。
 このため、私は、これからの4年間、幅広い県民の皆様の参画のもと「人に生きがいを」、「産業に活力を」、「暮らしに潤いを」与えられるような施策の推進に力を注ぎ、県民の皆様方の思いや夢をかたちにし、具体的な成果としてお示しできるよう、全力を尽くしてまいりたいと存じますので、どうか県議会をはじめ県民の皆様には、引き続きご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 それでは、この3つの基本姿勢に基づいて、平成30年度当初予算に関する主な施策についてご説明いたします。

 

人に生きがいを

 人口減少が続き、地域や産業の担い手不足が深刻化する中、女性や高齢者、障害者の方々をはじめ、誰もが、生きがいをもって活躍できる地域社会づくりが重要であると考えております。

 (誰もが主体性を持って生き生きと活躍できる社会づくり)

 働くことを希望する女性の皆様が、結婚や出産などの様々なライフイベントを経験しつつ、仕事や生き方にその個性や能力を発揮し、活躍できる社会の実現を目指してまいります。
 そのため、「ながさき女性活躍推進会議」と連携を図りながら、仕事と家庭生活の両立に向けた働き方改革を推進するなど、女性が働きやすい環境づくりを進めてまいります。
 また、「男女共同参画・女性活躍フェスタ」の開催等を通じて女性団体等との連携を強化し、男女共同参画社会の実現を図ってまいります。
 高齢者の方々については、人生100年時代を迎えようとする中、健康で長生きをしていただくとともに、生涯を通して活躍できる地域社会づくりを進める必要があります。
 そのため、「健康長寿日本一の長崎県づくり」を旗印に掲げ、働き盛りの世代から健康寿命を延ばしていくための施策を検討する「健康長寿戦略検討プロジェクトチーム」を設置するとともに、認知症予防効果のある体操を実践する地域サロンリーダーを養成・派遣し、高齢者の介護予防、重度化防止に力を注いでまいります。
 加えて、認知症に関する支援の中核を担う「認知症サポートセンター」を設置し、市町に対する支援体制の強化や人材育成を図るほか、若年性認知症支援コーディネーターの配置により、就労支援や自立支援等につなげるためのネットワークづくりを進めることとしております。
 また、「ながさき生涯現役応援センター」においては、引き続き、就業から社会参加までの幅広い相談に対し、関係機関の紹介を行うなどマッチング支援に努め、高齢者に活躍の場を提供してまいります。
 併せて、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、できるだけ早期に県内全域に地域包括ケアシステムを構築するとともに、高齢者等の見守り体制の充実を図るため、モノのインターネット(IoT)技術やICTを活用した見守りシステムの実証事業等を推進してまいります。
 障害をお持ちの方々については、安定した暮らしや社会参加を実現できるよう、就職面接会や雇用支援のつどいを開催し、雇用機会の拡大を図ってまいります。加えて、就労継続支援事業所の工賃向上のため、事業所が提供する物品等の品質や生産性の向上に向けた技術指導を実施するほか、「障害者就業・生活支援センター」においては、就職や職場への定着及び日常生活に対する支援を行い、就業面・生活面の一体的な対策を講じてまいります。

 (安心して子供を産み育てられる環境づくり)

 本県の平成28年の合計特殊出生率は、1.71で全国4位と高い水準にありますが、出生数は減少傾向にあり、依然として少子化の進行に歯止めがかかっておりません。
 少子化を招いた主な要因は、未婚化の進展による有配偶者の減少によるものと考えられ、誰もが安心して結婚ができ、妊娠・出産・子育てができるよう、各段階に応じた切れ目のない支援策を講じることが求められております。
 そのため、本年度は、合計特殊出生率に影響を与えている要因の分析を行い、県内市町ごとの現状と課題を「見える化」し、その結果を各市町に提供しました。来年度は、この分析結果に基づき、各市町において新たな少子化対策に取り組んでいただくこととし、その企画・立案の段階から支援を行ってまいります。
 また、データマッチングによるお見合いシステムについて、これまで蓄積してきた申し込み履歴等のビックデータを活用した効果的な引き合わせの実施や、婚活サポーターの増員によるサービス向上など結婚支援策の強化を図り、市町や関係団体と連携しながら目標として掲げる平成31年度中の成婚数100組の達成を目指してまいります。
 安心して出産できる環境を整備するため、長崎大学病院が平成31年度の完成に向けて準備を進めている総合周産期母子医療センターについては、県内で不足している周産期専門医の人材育成にも資することから、その整備に支援を行い、リスクの高い妊婦に対する医療や高度な新生児医療の提供体制の充実を図ってまいります。
 さらに、保育所入所待機児童解消のため、保育補助者等の活用による保育士の負担軽減や、国家公務員の給与改定に準じた保育士等の待遇改善、長崎県子育て条例行動計画の見直しによる保育所等の整備促進に力を注ぎ、保育の受け皿と担い手の確保に努め県内の待機児童ゼロの達成を目指してまいります。

 (地域や産業を支える人材づくり)

 人口の減少は、地域活力の低下や経済の縮小を招くだけでなく、深刻な人手不足を発生させ、地域社会における生活基盤の維持を困難にさせることから、産業や地域活動の支え手となる人材を育成し、県内に定着させなければなりません。そのため、高度専門人材等、地域の活性化を担う多様な人材の育成や集積を通して、「人財県長崎」を確立してまいりたいと考えております。
 医療や福祉など、県民の安全・安心を担う人材の育成確保に努めるとともに、次世代の介護人材を育てるため、小中高校生を対象とした介護の基礎講座や職場体験を実施し、介護職のやりがいや魅力を伝える伝道師を養成するほか、定年退職後の看護職員の就業継続や復職の支援に努め、職場開拓等を推進することとしております。
 また、県内産業の活性化を担い得る人材の育成を図るため、長崎大学と連携し、地場企業のロボットやIoT技術者に対して、人工知能(AI)などの先端技術修得のための講座を開設するほか、自動車等の高度な組込みソフト開発に必要な技術習得を支援し、高度専門人材の集積を目指してまいります。
 さらに、若者の県内定着を促進するためには、小中高等学校を通じた体系的なふるさと教育が重要であると考えており、義務教育段階においては、本県独自の郷土資料「ふるさと長崎県」等を学校教育の様々な場面で活用することに加えて、高等学校段階においては、地域との協働による課題探究型学習等に取り組むことで、ふるさとへの愛着や誇りを育み、未来を担う人材としての志を育成してまいります。
 高校生の離島留学制度については、既設の対馬高等学校、壱岐高等学校や五島高等学校に加えて、本年4月から五島南高等学校と奈留高等学校にも導入し、県外、島外からの生徒を積極的に受け入れることとしております。
 一方、本県は若者の県外への流出が多く、県外からのUターン・Iターンによる移住者の確保が重要であることから、平成28年度に「ながさき移住サポートセンター」を県・市町共同で設置いたしました。開設以来、順調に移住者数が増加しており、その流れをさらに加速化させるため、本県出身者が多い福岡県において、移住相談会を毎月開催するとともに、子育て世代に重点化した移住体験ツアーを実施するなど、本県への興味・関心を引き付け、一層の移住促進に力を注いでまいります。

 

産業に活力を

 地場産業の活性化を図るためには、商工業やサービス業分野では「地域産業活性化計画」を、水産業分野では「浜の活力再生プラン」を、農業分野では「産地計画」を基軸に置きながら、これまで以上に、関係団体、市町、県、事業者や生産者等が連携を強化し、目標を共有しながらその達成のために一丸となって付加価値向上や販路拡大に取り組み、県民所得の向上を目指すことが必要不可欠であると考えております。

 (商工業等の活性化)

 我が国は、急速なグローバル化や少子高齢化が進展する中、AI、ビックデータに代表される第4次産業革命など、時代の大きな転換期を迎えており、本県もこの大きな動きを的確に捉え、時代の潮流に沿った施策を講じる必要があります。
 本県の基幹産業である造船関連産業については、船舶需要の影響により好不況の波が大きいことから、造船業に次ぐ基幹産業となりうる産業を、これからしっかりと育てていくことが重要であります。
 そのため、本県の造船関連産業において培われた優秀な人材や技術の集積を活かしながら、次なる産業の誘致・育成に力を注いでまいります。具体的には、造船・プラント、ロボット、半導体、航空機及びIoT関連産業等の成長ものづくり分野の企業間連携を促進し、受注の多角化やサプライチェーンの強化など事業拡大や生産性の向上に取り組む複数企業のプロジェクトに対して重点的に支援し、県外需要の獲得と県内企業への波及効果の最大化に努めてまいります。
 併せて、企業誘致についても、成長ものづくり分野の誘致に注力するため、誘致体制の強化を図ってまいります。
 さらに、ロボット、IoT関連においては、県内のものづくり系企業や情報系企業などで構成する「次世代情報産業クラスター協議会」を立ち上げ、関連企業の育成や外需の獲得とともに、県内産業界の生産性の向上や高付加価値化を促進することにより、地域を牽引する産業の創出を目指してまいります。
 食料品製造業においては、業界や商工団体等と連携し、プレミアム市場や機能性食品等の特定市場など、成長が見込まれる分野に進出意欲のある企業が加入する協同組合やグループに対する支援を実施し、新商品開発や売上拡大を目指すとともに、その効果が食品産業界全体へ波及するよう取り組んでまいります。

 (観光産業の活性化)

 本県を訪れる観光客延べ数は、平成24年から4年連続で増加を続け、平成27年には、過去最高となる3,328万人を記録し、平成28年は、熊本地震の影響により一旦減少したものの、平成29年においてはクルーズ客船の入港数の増加や、有人国境離島法を活用した滞在型観光の促進等により持ち直しの動きが見られております。
 平成30年度は、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界遺産登録を見据え、受入体制の整備に万全を期すとともに、キリスト教徒が多い韓国やフィリピン等に対し、巡礼ツアーによる観光客の誘致を促進してまいります。
 さらに、高品質・高単価のコンテンツづくり、長崎ならではの旅の魅力や質の高いサービスを提供するホテルコンシェルジュの充実を図るなど、富裕層をターゲットとした誘客対策を講じることにより、観光消費額の拡大に力を注いでまいります。
 特に、本県は、富裕層向けの宿泊施設が不足していることから、質の高いホテル誘致を目指す県内市町の取組をサポートするための体制を整備することとしております。
 また、海外からのさらなる観光客誘客対策として、宿泊施設、観光施設、医療機関等を利用する外国人観光客と、受入先の日本人スタッフとの円滑なコミュニケーションを支援する「多言語コールセンター」を設置し、言語の壁のない旅行環境を提供することで、外国人観光客の安全・安心や旅行満足度を高め、本県への再訪につなげてまいります。
 本県を訪れる観光客の皆様に満足していただき、再び訪れてみたいと思われる観光地となるため、地域住民がその土地の歴史・伝統文化に根ざしたまちづくりに自ら取り組み、その「まち」の魅力が磨かれることで次第に人が集まってくる「住んでよし・訪れてよし」のまちづくりの実現に向け、その取組を後押ししてまいります。
 加えて、本県の空の玄関口である長崎空港の活性化については、24時間化の実現を図るため、引き続き路線誘致活動や推進委員会における議論を進めるとともに、離島航空路の維持に配慮しつつ、県内空港運営の民間委託手法であるコンセッション方式等の導入可能性を検討するための調査を実施してまいります。

 (農林水産業の活性化)

 高齢化や一次産業における就業人口の減少、日本・欧州連合経済連携協定(日EU・EPA)の大枠合意など、農林水産業を取り巻く環境が大きく変化する中、本県の農林水産業のさらなる活性化に向け、所得向上や生産性の向上等につながる施策を講じることが重要であると考えております。
 農林業においては、「産地計画」を基軸としながら、環境制御技術等の導入による品質や単収向上など生産性向上対策に取り組むとともに、規模拡大に必要な農地集積及び基盤整備の推進、新規就農者などの担い手確保、農畜産物の輸出促進などの対策に力を注ぐことで、園芸産出額1000億円、畜産産出額600億円の達成を目指してまいります。
 特に来年度は、生産性向上のためのロボット技術、ドローン、フィールドサーバーの活用など新たな農業技術を開発、改良、実証し、現場への普及を通じてさらなる農林業の技術革新を推進してまいります。
 また、農産物の高付加価値化や一次加工業者など食品製造業育成のため、平成32年度を目途として、新たに食品加工センターを整備し、県内農産物を活用した加工食品の試作や新商品の開発、商品改良等を支援する拠点づくりを進めてまいります。
 水産業においては、国の「浜の活力再生プラン」や県の「地域別施策展開計画」を基軸とし、先駆的な漁法や漁労技術などの導入を支援するとともに、これまで経営指導・支援で育成した収益性の高いモデル経営体の普及を進め、所得向上と優良経営体の育成を加速化させることとしております。
 加えて、ICT技術を活用した新たな漁海況情報を発信する技術開発に大学や民間企業と連携して取り組み、沿岸漁業の効率的な操業を目指してまいります。
 また、本県水産物の輸出については、主に中国向け鮮魚の輸出額・数量がともに順調に伸びており、さらなる拡大のために中国国内における販路開拓を行うほか、輸送手段の多角化についても検討を進めてまいります。
 さらに、日EU・EPA大枠合意を踏まえ、県としては、攻めの水産業を展開していく中で、新たな市場として需要調査の必要性があることや、県内養殖業者においても新たにEU等への輸出を目指している動きがあることなどから、水産物のEU向け輸出の可能性調査を実施してまいります。

 (経済団体等との連携による産業の活性化)

 地域の特長ある産業の活性化のために、商工会議所、商工会等とさらなる連携を図り、経営力強化支援を進め、併せて、起業・創業・事業承継を促進することが重要であると考えております。
 そのため、商工団体や金融機関等で構成する「ながさき産業振興推進会議」において、地域ごとに策定した「地域産業活性化計画」を共有し達成するため、経営指導員等との連携強化を図り、従来の個社への経営指導等の基礎的業務に対する支援のみならず、広域的な指導や異業種への取組拡大等の水平的な支援を新たな要素として加え、小規模企業に対して経営改善策を講じることとしております。
 また、サービス産業の振興については、商工団体や大学等と連携を図りながら、業界団体単位での生産性の向上や新サービスの創出等を促進し、その成功モデルを業界内の事業所や他の業界団体へ波及させることを目指しております。このほか、ICTの活用による情報発信力強化や付加価値向上等を図るため、引き続き、インターネット通信販売への参入を支援し、サービス産業の活性化を推進してまいります。
 一方、産業や地域活動の担い手となる生産年齢人口の減少に歯止めをかけるため、特に若者の県内就職・定着促進策について全力を傾注してまいりたいと考えております。
 そのため、高校生の県内就職については、県内の公立・私立高等学校に配置したキャリアサポートスタッフ等により生徒や保護者に対して、県内企業の魅力や情報を発信するとともに、県内企業の職場見学会や合同企業説明会、インターンシップを実施するなど、県内企業に関心を持っていただけるよう就職支援策を講じてまいります。
 大学生については、長崎大学を中心としたCOC+事業との連携による、県内企業と学生との合同企業説明会等のマッチング機会を充実させるとともに、本県から進学者が多い福岡県において、県内企業との交流会や企業説明会を開催するなど、積極的な施策を展開してまいります。
 さらに、県内企業が県内就職応援サイト「Nなび」を活用して、直接アプローチできる仕組みを構築するとともに、本格的な就職活動期を迎える前の大学生に、県内の大学や県庁舎内において、学生と企業が協働できるスペースを積極的に確保し、提供してまいります。
 こうした企業との直接的な交流機会の拡大により、生徒や学生が県内企業の魅力を実感することで、県内就職が選択肢となるよう施策を講じてまいります。

 

暮らしに潤いを

 地域に暮らす人たちがふるさとに住み続けていただくためには、住み心地の良いまちづくりを進めていくことが重要であることから、県民の皆様が生活を営むうえで、必要なサービスが安定的に供給される体制を整備していかなければならないと考えております。

 (地域の特性を活かした暮らしづくりの推進)

 一昨年、県民の悲願でありました有人国境離島法を制定していただいたところであり、この法律を最大限に活用しながら雇用機会の拡充、航路・航空路の運賃低廉化、滞在型観光の促進などにより、良質な雇用と人材の確保、移住者や交流人口の拡大による地域づくりに取り組み、離島地域の維持・振興に全力を注いでまいりたいと考えております。
 国境離島地域の人口については、毎年約1,000人の社会減が続いてきた中、平成29年における社会減は約650人で、350人を超える改善となっており、有人国境離島法による施策効果が現れてきているものと考えております。
 今後も、この流れを持続させることが重要であるため、引き続き国の交付金を活用しつつ、市町と連携を図りながら、その効果をより高める施策を展開していく必要があります。
 とりわけ、雇用について継続的な拡大を図るためには、島内事業者による雇用創出に加えて、今後は、島外の事業者と連携した取組も重要であると考えております。そのため、都市部において創業・起業セミナーを開催し、参加事業者による離島での事業展開を促すとともに、特に意欲がある事業者については、専門コンサルタントによる島内事業者とのマッチングやフォローアップを図るなど創業・事業拡大等の推進に力を注いでまいります。
 また、新規雇用創出に伴う人材確保についても、島内求職者だけでの充足では不足する状況にあるため、都市部において、採択事業者と求職者のマッチングの機会を設けることとしております。
 地域商社については、埼玉県等の海のない県と連携した商談会・食材フェアの実施、各地域商社職員及び生産者を対象とした営業活動強化や生産力向上のためのセミナー開催のほか、各離島産品を集約した輸送手法の検討などの施策を推進してまいります。
 観光振興については、市町や旅行会社と連携を図りながら、しまでもう1泊してもらうための魅力づくりのほか、動画やSNSなどを活用するプロモーションの展開など、首都圏・関西圏における本県のしまの認知度向上に取り組んでいるところであります。さらに、来年度においては、宿泊施設と体験プログラムを利用する観光客を対象に、島民運賃並みの割引を実施する新たな「企画乗船券・航空券」を導入する予定としており、引き続き、滞在型観光の促進を図ってまいります。
 一方、本県では、住民の皆様方と行政が力を合わせて、地域の特長を活かした活動を進める小さな楽園プロジェクトを推進しており、これまでモデル地域において、廃校舎の利活用や買い物支援など地域や集落の維持・活性化に向けた取組を支援してまいりました。来年度は、モデル地域で得た課題や、その解決策をわかりやすく市町やまちづくり団体などに周知するとともに、地域の実情に応じたアドバイザー派遣や集落再生塾を実施するなど、市町と連携を図りながら小さな拠点づくりを全県下に展開してまいります。

 (交流と賑いのある暮らしづくりの推進)

 本県は、多くの離島・半島を有することから、交流人口の拡大や産業振興を支える基盤となる新幹線、道路、港湾、空港等社会資本の計画的な整備が重要であると考えております。
 九州新幹線西九州ルートについては、現在、国において、フリーゲージトレイン、フル規格、ミニ新幹線の整備方式ごとの費用や投資効果など、多面的かつ定量的な比較検討作業が行われており、今月末を目処に、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム「九州新幹線(西九州ルート)検討委員会」に報告されることとなっております。
 本県としては、公共交通機関としての「安全性」や山陽新幹線への直通運行ができる「利便性」が確保され、現在整備中の武雄温泉〜長崎間のインフラを十分に活用できる、フル規格による整備を求めているところであります。
 このような中、去る2月22日、八江県議会議長、県議会新幹線議員連盟、関係自治体や経済団体の方々と共に、政府・与党に対して、フル規格による整備を要請してまいりました。
 今後とも、西九州ルートの整備のあり方については、同検討委員会における議論の動向を注視しながら、本県選出国会議員や県議会、関係自治体などと連携を図り、国等に対して、西九州ルートのフル規格による整備の実現を求めてまいります。
 一方、道路整備については、九州横断自動車道において、今月18日に木場スマートインターチェンジが開通予定であり、来年度は、長崎多良見インターから長崎芒塚(すすきづか)インター間の4車線化の完成が予定されております。
 また、西九州自動車道の伊万里松浦道路においては、来年度は、昨年開通した今福インターから調川(つきのかわ)インター間に続く、松浦インターまでの開通が予定されております。
 さらに、島原道路においては、昨年12月の吾妻愛野バイパスの開通に続き、今月24日には、諫早市内の栗面(くれも)インターから小船越(おぶなこし)インター間の開通を予定しているところであり、今後も、早期の全線完成に向けて全力を注いでまいります。

 (安全・安心な暮らしづくりの推進)

 県民の皆様方が、長崎で暮らしてよかったと実感していただけるよう、「安全・安心日本一の県づくり」を推進してまいります。
 昨年、県内における刑法犯認知件数は戦後最少を記録するとともに、犯罪率は全国第3位の低さとなるなど良好な治安を維持しているところであります。
 しかしながら、交通事故の状況は、発生件数、負傷者数ともに前年より減少したものの、死者数は増加し、特に65歳以上の高齢者の割合が高いことから、高齢者を対象とした参加体験型の交通安全講習会や、安全運転サポート車「サポカーS」の普及啓発を実施するなど、高齢者に重点化した事故防止対策を進めてまいります。
 さらに、近年、全国的に増加傾向にある特殊詐欺被害については、被害に遭いやすい県内の高齢者に対して、電話による注意喚起を行うコールセンターの設置や自宅訪問、金融機関やコンビニエンス・ストアによる協力等、各種対策を総合的に実施し、被害の拡大防止に努めてまいります。
 また、石木ダムについては、川棚川の抜本的な治水対策と佐世保市の慢性的な水源不足を解消するために必要不可欠な事業であり、現在、県収用委員会において土地収用法に基づく手続きが進められる一方、付替県道工事の着実な進捗に努めているところであります。
 これまで、地域の方々には、説明会や意見交換会等において事業の説明を行い、地権者の皆様には、事業へのご協力をいただこうと努力を重ねてまいりましたが、残念ながら、一部の方々から未だご協力が得られておりません。
 この間、昨年の九州北部豪雨をはじめ、県内外で自然災害が頻発しており、特に、過去に大きな災害を幾度も経験してきた本県としては、県民の皆様の安全・安心な暮らしを守るため、ダムの早期完成に向け最大限努力していく必要があります。
 石木ダムの完成は、安全・安心の確保はもとより、県北の中心都市である佐世保市の発展、さらには地元川棚町の地域振興にもつながっていくものであり、引き続き、佐世保市や川棚町と一体となって、事業の推進に努めてまいります。

 以上3つの基本姿勢のほか、今後の県政運営にあたっては、来年度においても、財源調整のための基金を取り崩しながらの厳しい財政運営を余儀なくされることから、これまで以上に施策の重点化や限られた人材及び財源を効率的に活用し、諸課題の解決に向け組織の総力を挙げて事業を推進していかなければならないと考えております。そのため、組織・人員や財政面等を含め、あらゆる項目において不断の見直しに努め、長崎県行財政改革推進プランを着実に実行してまいります。
 また、様々な地域課題の解決のためには、県民の皆様方の参画を得ることが重要であると考えております。そのため、多様な主体による協働事業が創出できるよう、協働サポートデスクや県庁舎内の各フロアに設置した協働エリアの活用、NPO・ボランティア団体をはじめ、企業や大学などが一堂に会し、交流する「NPO協働フォーラム」の開催等、県民の皆様の積極的な参画をいただくための環境を整備してまいります。

 来年度の主な施策について、ご説明を申し上げましたが、なお、補強を要する政策的な事項については、県議会のご意見を賜りながら、さらに十分な検討を重ねたうえで、次の機会に必要な予算を提案したいと考えております。

 それでは、次に、これまでの3つの基本姿勢に沿った事業以外の主な施策や懸案事項などについてご報告を申し上げます。

 

特定複合観光施設(IR)区域整備の推進

 我が国におけるIRの導入は、単なるカジノの解禁ではなく、ホテル、会議場、レクレーション施設等が一体となった施設群により、世界中の多くの人々を惹きつける新たな滞在型観光を実現するものであります。本県へIRの導入が実現できた場合、その効果は、本県全域の振興につながることはもとより、九州全体のインバウンドの拠点となるものと期待されております。
 本県が有する地域資源や歴史的資源を最大限に活かした、長崎らしい国際競争力のあるIRを実現するため、現在、国内外38社から様々なご提案をいただき「長崎IR基本構想」を取りまとめております。今後、県議会をはじめ、佐世保市や関係経済団体の皆様とともに、この基本構想に基づき、区域認定の申請に向けた諸準備を進めてまいりたいと考えております。
 また、本県へのIR導入を実現するために欠かすことができない「オール九州」としての誘致体制づくりについては、昨年12月、九州各県の行政団体等を訪問し、本県の取組について説明を行ったほか、九州が一体となって取り組む必要がある送客機能等について意見交換を行うなど、九州全体の動きとなるよう機運の醸成を図っております。
 さらに、県民の皆様に対して、IR導入効果やその振興策、懸念される事項への対応策について、丁寧に説明を行うこととしており、引き続き、県民の皆様にIRに関する正確な情報の提供に努めてまいります。
 また、アルコール、薬物、ギャンブル等に対する依存症患者や家族が抱える多様な問題及び不安に対し、長崎こども・女性・障害者支援センターに依存症専門相談員を配置し、依存症患者や家族に対する回復プログラム等の実施、適切な医療等につなげる体制の強化を図ることとしております。
 今後とも、IR実施法案の国会審議の動向を注視するとともに、県議会や県民の皆様のご意見を伺いながら、日本で最初のIR区域認定を目指し全力を注いでまいります。

 

景気の動向及び若者の県内就職促進

 本県の景気は、「緩やかな回復を続けている。」とされ、平成29年12月の有効求人倍率は1.24倍と、雇用環境はさらに改善しつつあります。
 一方、全国的な景気回復により、都市部企業による新規学卒者に対する採用圧力が高まることから、一人でも多くの若者に県内企業への就職を促進するため、若者が動画を視聴する機会が多いことに着目し、県内就職プロモーション動画「ナガサキ プライド」を制作して、本県で働き、暮らしていく魅力や素晴らしさを実感できるよう情報発信してまいります。
 さらに、大学等の「直接県内企業から情報をいただく機会が少ない」という声や、県内企業の「大学に対してどのように働きかけてよいのかわからない」という声に対応するため、去る1月25日、「大学等と県内企業の情報交換会」を開催し、大学等の教員、就職担当者や県内企業の担当者を一堂に集め、県内就職への理解促進を図るとともに、県内企業の情報提供を実施しております。
 併せて、去る2月19日、長崎大学長とともに経済団体の代表者の方々に対し、来春卒業予定の大学生等への採用情報の早期公開の要請を行ったところであります。
 また、3月1日の求人広報活動解禁に合わせ、長崎市や佐世保市において、来春卒業予定の学生等を対象とした合同企業説明会を開催することとしております。
 今後とも、県内の高校生、大学生等に対し、積極的に企業情報の提供等に努め、県内就職の促進に全力を注いでまいります。

 

スポーツの振興

 去る1月14日、京都市で開催された「第36回全国都道府県対抗女子駅伝競走大会」において、本県選抜チームは廣中璃梨佳(ひろなかりりか)選手の区間新記録樹立や、森智香子(もりちかこ)選手の区間賞となる快走で中盤では首位に立つなど、最後まで上位を争う見事なレースを展開し、12年ぶりに銅メダルを獲得いたしました。
 あらためて、選手並びに関係者の皆様のご健闘を讃えるとともに、今後一層のご活躍を期待いたします。
 去る2月23日、J1リーグが開幕いたしました。V・ファーレン長崎は、長崎を代表するサッカーチームとして夢の舞台での活躍が期待されるところであります。
 V・ファーレン長崎のJ1参戦は、長崎県の知名度向上やイメージアップにつながるとともに、これまで以上に県外から多数の観戦者の来県が期待されることから、県内観光地への誘客や宿泊促進、県内特産品のPRにより、地域の活性化を図ってまいりたいと考えております。
 また、2020年東京オリンピック・パラリンピックにおける事前キャンプ誘致については、欧州や東南アジアのターゲット国への誘致活動を引き続き積極的に推進することとしております。さらに、本県がホストタウンに登録されているベトナムについては、平成30年度中の一部競技のトレーニングキャンプ受入について協議を行っているところであり、受入チームと県内競技団体との合同練習や地元の子供達との交流等に結びつくよう、関係市や競技団体と協力して受入準備を進めてまいります。
 今後とも、本県スポーツの振興と競技力の向上に全力で取り組んでまいります。

 

綱紀の保持

 先般、諫早市に派遣している職員が、派遣先所属の執務室内に保管されていた親睦会費等を無断で繰り返し持ち出し、私的に費消した件について、関係職員に対して懲戒免職という厳正な処分を行ったところであります。
 また、人事委員会事務局の職員が、ストーカー行為等の容疑で逮捕されるという事案が発生いたしました。今後、事実関係を確認のうえ、適切に対応してまいります。
 職員の服務規律の確保については、再三にわたり周知徹底を図っているところでありますが、職員がこのような不祥事件を起こしましたことに、県議会をはじめ、県民の皆様に対し深くおわびを申し上げます。
 今後、県民の皆様の信頼を回復するため、職員一人ひとりが、全体の奉仕者として高い倫理観を持って行動するよう、より一層の綱紀保持に全力を尽くしてまいります。

 次に、議案関係についてご説明いたします。
 まず、平成30年度予算については、編成時期の関係もあり、政策的経費を除いた、いわゆる骨格予算を予定しておりましたが、県内経済の活性化に向けて切れ目なく対応するため、人口減少対策や、有人国境離島対策等を含め政策的経費を可能な限り計上した予算として編成いたしております。
 一般会計の予算額は、6,960億3,740万2千円
 特別会計の予算額は、2,283億3,987万2千円
 企業会計の収益的支出及び資本的支出の総額は、83億7,314万1千円
となっております。

 次に、平成29年度補正予算でありますが、今回の補正予算は、国の補正予算への対応と国庫支出金の決定等に伴う事業費の増減、その他年度内に執行を要する緊急な事業費等について計上いたしました。
 一般会計54億2,145万8千円の減額
 特別会計5億2,705万円の減額
 企業会計7億1,257万円の減額
補正をしております。  この結果、平成29年度の一般会計の累計予算額は、7,231億87万9千円
となっております。

 次に、予算以外の議案のうち、主なものについてご説明いたします。
 第20号議案「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」は、昨年10月に行われた県人事委員会の「職員の給与等に関する報告及び勧告」並びに国家公務員の給与の取扱いの状況等を踏まえ、関係条例を改正しようとするものであります。
 第41号議案「長崎県介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例」は、地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律の施行に伴い、介護保険法が改正されたことにより、新たに創設された介護医療院の基準に関する条例を制定しようとするものであります。
 第67号議案「公の施設の指定管理者の指定について」は、長崎県立佐世保技能会館、長崎県立諫早技能会館の管理を行う指定管理者を指定しようとするものであります。
 第71号議案は、長崎県公安委員会委員の任命について議会の同意を得ようとするものであります。
 委員といたしまして、片岡瑠美子(かたおかるみこ)君を任命しようとするものであります。
 第90号議案は、長崎県監査委員の選任について議会の同意を得ようとするものであります。
 委員といたしまして、渡辺敏勝(わたなべとしかつ)君、中島浩介(なかしまこうすけ)君を選任しようとするものであります。
 いずれの委員も適任と存じますので、ご決定を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
 なお、監査委員を退任されます、外間雅広(そとままさひろ)君、深堀浩(ふかほりひろし)君には、在任中、多大のご尽力をいただきました。この機会に厚くお礼申し上げます。
 その他の案件については、説明を省略させていただきますので、ご了承を賜りたいと存じます。

 以上をもちまして、本日提出いたしました議案の説明を終わります。
 なにとぞ、慎重にご審議のうえ、適正なるご決定を賜りますようお願い申し上げます。


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