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平成22年5月13日 定例記者会見

 ●会見内容●

1.諫早湾干拓の開門調査について
2.普天間飛行場移転について
3.石木ダムについて
4.肝炎対策について
5.参議院議員選挙について
6.口蹄疫について

○広報広聴課長 それでは、ただいまより知事の定例記者会見を始めさせていただきます。よろしくお願いします。

○知事 まず最初に、私の方から最近の主な動きといいましょうか、前回の会見以降の主な事項についてお話をさせていただきます。
 まず、ご承知のとおり、諫早湾干拓事業の開門調査の件につきましては、去る4月28日に、諫早湾干拓事業検討委員会の方から赤松農林水産大臣に対して座長報告がなされました。
 その報告の中で、開門調査が妥当であるといった旨の方向性が示されておりましたので、地元といたしましては、やはり地元の農業、漁業、あるいは防災、環境、さまざまな面で重大な影響・被害を生ずるおそれがあるということで、これまでも一貫して反対である旨のお話をさせていただいたところでありましたけれども、そういう状況を受けまして、4月30日に上京いたしまして、赤松農林水産大臣に直接改めて開門調査が行われることのないよう要請を行ったところであります。
 その際には、民主党県連の方々、そして県からは私と県議会議長、そして県議の皆様、そして地元諫早市長さん、雲仙市の副市長さん、そして農業者・漁業者の代表の方々、経済界の方々もご出席をいただき、それぞれのお立場から反対である旨の改めての要請を行ったところであります。あわせて県の方からも要請書を手渡しいたしました。
 そして、5月1日は、ご承知のとおり地元諫早において約2,000人の方々がお集まりになられまして、開門調査断固阻止緊急住民の集会が行われまして、その席にはこの検討委員会の委員をしておられました地元の西岡(武夫)代議士もご出席をされ、反対の立場からお話をしていただいたところであります。私もこれまでの状況等を踏まえてお話をさせていただきました。
 今後とも、地元の状況等については、引き続き機会あるごとに十分説明をしながら、開門調査が行われることのないよう努力していきたいと思っております。
 それから、5月8日でありましたけれども、前原国土交通大臣が現地視察ということで、ハウステンボスと軍艦島のご視察に来県されました。ハウステンボスの方には同行することができませんでしたけれども、軍艦島のご視察には私も同行させていただき、現地の視察を行いました。
 その際、移動中の船内でありましたけれども、せっかくの機会でありましたので、新幹線の整備促進、そして、もう一つは、県の重要港湾のうち五島、壱岐、対馬、そして長崎港、佐世保港、この5つの港湾について重点港湾として指定をしていただいて、引き続き重点的な整備に努めていただきたいという2項目について、時間をいただいて要請をいたしました。
 特段ご回答がいただけるような状況ではありませんでしたけれども、地方の思いの部分についてはご理解いただけたのではないかと思っております。説明だけさせていただいたという状況でありました。
 私の方からは以上でございます。

1.諫早湾干拓の開門調査について

○記者(読売新聞社) 赤松大臣が説明のために長崎県を訪れるというようなことを報告書を渡されるときにおっしゃっていたんですが、その日程の連絡とかはまだ県の方にはないんでしょうか。

○知事 まだいただいておりません。

○記者(読売新聞社) それまでにまた新たな要望活動とか、そういった予定はありますでしょうか。

○知事 この間、各代表の方々、諫早湾干拓推進協議会の皆様方を含めて30日に直接お会いしてお話をさせていただく機会もありましたので、また新たな動きなりが出てくれば機会を設ける必要があるのではないかと思います。

○記者(共同通信社) 仮にの話になってしまうんですが、大臣が開門の決断を、仮にですがされた場合、これまでの会見でも同じ質問があったんですが、県としてその場合どういった対応をされますか。

○知事 これまで申し上げてきたことは、前回の報告書の中で触れられておりますように、「有明海の再生への可能性を探るため、そして排水門開門の是非をめぐるいさかいに終止符を打つために、環境影響評価を行った上で開門調査を行うことが必要であると判断する」という内容なんですが、これまで防災上の問題、営農上の問題、あるいは漁業に与える影響、さらには環境面の諸課題等を含めて、地元として説明をさせていただいた事項について、それぞれ懸念される事項、あるいは重大なる被害を及ぼしかねないような事項、あるいはどういう方策で代替水源等を確保しようとされているのか、そうした検討の過程なり、考え方、手順、スケジュール等、一切お話がございませんでした。
 3月29日だったと記憶しておりますけれども、この検討委員会に出席を求められて、地元としてその考え方を説明するようにということでご説明申し上げたんですが、そうした私どもの疑問なり問題点の指摘等について、一切ご回答なり考え方についてのご説明もありませんでした。もちろん報告書を出すというお話もございませんでした。そういう中で、開門調査が妥当であるという判断をされた経緯が一切わかりません。具体的にどういう手順で開門調査を行おうとされているのかというのもわかりません。したがって、私どもの懸念事項は一つも解消されてないと思っておりまして、引き続き地元としても心配は心配として残ったままでありますので、このままでは開門調査について了解をするというような状況では、決してないものと思っております。
 それともう一つ、私も地域住民の皆様方に申し上げたのは、この開門調査の中で触れられておりますように、「有明海の環境劣化の原因は、複合的な要因の結果と見ることが妥当だ」と、こう報告がなされております。これまで私どもも有明海の今のような状況に至るまでの原因については、決して諫早湾干拓事業一つではないのではないかと。もっと幅広い視点で、複合的、総合的な実態解明、原因究明とその対策を講じる必要があるのではないかという立場で環境アセスのあり方等を含めて意見を申し上げてきたところであります。
 そういう中で、諫早湾干拓事業のみが原因だとする考え方が一部修正されたというのは歓迎すべき点ではなかろうかと思いますけれども、ただ、そうであれば、なぜほかの複合的な要因について並行して調査、解明をしようとされないのか。なぜ諫早湾干拓事業だけ開門しようとされるのか。そこがやはり理解できません。
 この報告書の中では、これまで私どもが申し上げてきた熊本新港でありますとか、筑後大堰、それから三池炭鉱の海底陥没埋め戻し、あるいはノリの酸処理等も指摘されているというような形で触れてあるのでありますが、そういった中で、なぜ諫早湾干拓事業だけ再度繰り返し行われようとするのか、そこも理解しかねるところでありまして、こういった点は従前から申し上げてきた事項でありますので、先ほどと同じように開門調査については、これをやはり避けてもらいたいと考えていることに変わりありません。

○記者(NHK) この間、大臣に検討委員会の方から開門調査が適当だという報告がされて、もしそれをそのまま大臣が受けた場合に、現地の干拓地の農家の人の中には何億円とか投資をされて農業に取り組んでいる人たちがたくさんいるんですけれども、そういった場合、当然その補償とかの問題も出てくると思うんですけれども、そういうところには県としてはどういうふうに対処しなければいけないと考えますか。

○知事 まずは開門について反対の立場でありますので、開門されたときに補償がどうだというところまで考え方をまとめるには至っておりませんけれども、仮に開門されるということで具体的なさまざまな被害が出たということについては、やはり責任を持って補償をしていただくのは当然の話ではないかなと思っております。
 ただ、確かに、実際被害が生じて補償になるというのは当然のことだろうと思いますけれども、農業者の方々の中には、思い切った投資をされていらっしゃる方々があります。そうした中で、仮に開門されると、農業自体の継続が困難になるんじゃないかということで、信用不安というんですか、そこの面までご心配されている声があるやにお聞きをいたしております。したがって、十分その点についても慎重な対応が求められるものと思っております。
 ご承知のとおり、大体1経営体当たり1億円平均のいろいろな投資をされた上で干拓営農に今取り組んでいただいておりますので、そういった面で信用不安等を引き起こすようなことがないように、そういった面も配慮が求められているものと思っております。

○記者(NHK) 信用不安というのは、それは農家の方がたくさん多額のお金を借りたりしているということですか。

○知事 そうですね。

○記者(読売新聞社) 赤松さんが来られたときは、話し合いには応じるというそういうお考えなんですよね。

○知事 それはおいでになられて、話を聞いて下さいというお話でしょうから、どういったお話なのか、おいでになられれば、当然ながらお話をさせていただく必要があると思います。

○記者(読売新聞社) 今おっしゃったようなことを、改めてまた、県の立場を訴えるということになりますか。

○知事 それはどういうお話をお持ちなのかというのはまだわかりませんので、今申し上げた事項については、これまでも既にお伝えをしてあります。

○記者(読売新聞社) (赤松大臣は、開門を反対している人が)しょうがないのかなというところまで持っていきたいみたいなお話をされていたんですけれども、この間ですね。そういう意味では、知事を説得するような内容になるのかなと思いますが。

○知事 この検討委員会の中では、開門調査、事前対策の具体的な内容や方法、実施時期については取りまとめておりませんという内容になっておりますので、その後、どういう形でその考え方、手順なりをお考えになっておられるのか、そういった面も含めてお聞かせいただく必要があるのではないかと思っています。

○記者(長崎新聞社) 現時点では、開門をというふうに大臣がおっしゃった場合の対抗措置なり何なりを考えていらっしゃるんですか。

○知事 具体的には考えておりません。地元としての不安、懸念が払拭されるような内容であれば、それは当然検討してみる必要があるんだろうと思いますけれども、今の段階でその後の、具体的にどう取り組んでいくのかという手順等については、まだ具体的に検討しておりません。

○記者(長崎新聞社) 内容を見て判断するということですか。

○知事 そうです。

○記者(読売新聞社) 懸念というのは、開門の手順とか、期間とか、そういうことになるんですか。

○知事 私どもが申し上げてきたのは、開門された場合に、今の防災機能をどうやって維持されようとするのか。潮風害の発生の可能性、あるいは地下水の変動によって塩害が起きる可能性等指摘してきておりますので、具体的にどういう手法でそれを解決しようとされるのか。一番難しいと思っていますのは、農業用水をどういった手法で、どこで確保しようとされるのか。あるいは、水産業に対する被害も、前回の短期開門調査、1カ月でありましたけれども、この1カ月間のごく短期であったにもかかわらず6千万円の漁業補償が行われているわけですね。開門すると、当然ながら、水産業に対する被害も想定されるわけでありますので、どういう手法でそれを避けようとされるのか。あるいは、よく諫早湾干拓でムツゴロウが全滅したと、こう言われましたけれども、今、既にまた新たな淡水系の生態系ができ上がっている。それをまた、全部壊してしまうことになる。どう対応しようとされているのか。さまざまな課題があると思うんですね。そうした課題については、これまでも繰り返しお話をさせていただいてきておりますので、そうした一つ一つの懸念、不安材料等について、どう対応されようとしているのかというのをまずお聞かせいただく必要があるものと思っております。

○記者(読売新聞社) そこで納得できる答えが聞ければ検討もするということですか。

○知事 それはもう心配ないということが確認できれば、もちろんその地域の方々とも相談をさせていただく必要があると思います。

○記者(NHK) まず、知事が検討委員会に3月に出た時に、長崎県としては平成14年に短期開門調査を受け入れたときに、大臣とか周辺の県が同意をしたというか、そういう経緯を話されたんですけど、それについては国は何か考え方というのは回答しているんですか。

○知事 一切公式なお話はありません。ただ、政権が代わったんだから、前の政権とは違う考え方があってもいいんじゃないかというような趣旨のご発言はあったかなと記憶しております。

○記者(NHK) 赤松大臣からですか。

○知事 はい。私どもは、前回の短期開門調査の際には、お隣の佐賀県の知事さんも立ち会い者としてご同席をいただいて、農水大臣、漁連、そして、知事の間で二つの項目について同意がなされた。それはもう短期開門調査を行うというだけではなくて、この諫早湾干拓事業は18年度までに完了しますよということが合意されているわけでありますので、そうした合意の前提で今日に至っているのを、再度振り出しに戻るような話というのは、これはおかしいのではないかと申し上げています。

○記者(読売新聞社) 参院選に金子前知事が立候補するということが決まったんですけれども、諫干に関しても開門反対ということでずっとおっしゃっています。そういう意味で、参院選で金子さんを応援するというようなそういうお考えというのはありますでしょうか。

○知事 これまでの選挙戦を通して、私は言わば県民党、県民党という正式な名前じゃないんですが、特定の党派に偏らない形で行政を行っていきたいということを繰り返し申し上げてきましたので、特定の党派ということで支援をするということは今のところ考えておりません。ただ、この諫早湾干拓事業については、ご承知のとおり、地元の民主党の皆さん方も開門調査については反対であるということをおっしゃっておられるわけでありますので、現に西岡代議士も「座り込んででも反対するぞ」というようなお話等も私も直接お聞きしておりますので、地元としては諫早湾干拓事業について大きなぶれはないと思います。

○記者(読売新聞社) ただ、犬塚(直史)候補自身は、開門容認というスタンスをとっていらっしゃるかと思うんですけれども、その辺についての不安というのはありませんか。

○知事 犬塚候補から直接そういった話は、まだ私も聞いておりません。

○記者(読売新聞社) では、仮に民主党候補が勝ったとしても、諫干に関してはさほど影響はないというふうにお考えなんですか。

○知事 だと思います。今のところ、民主党の皆さん方も、先ほど申し上げた4月30日にも、まさに一緒に赤松農水大臣と同席した上でお話をさせていただきました。

○記者(NCC) ただ、犬塚さんは、知事には直接お話になっていないかもしれませんが、マスコミには「開門容認」という発言をされているんですけれども、じゃ、例えば直接お話を聞く機会を設けるとか、そうするつもりはないんでしょうか。

○知事 ですから、先ほども申し上げた特定の政策課題に応じて選挙戦を応援する、しないということは考えておりませんので、諫干については、これは私どもの方から理解をしていただいて、支援をお願いする立場だろうと思っております。

○記者(長崎新聞社) ただ、本県選出の国会議員がどういう考えなのかというのは確認しておく必要もあるというふうに思うんですが。

○知事 何度か私も知事になる前、そうした諫干の状況等については現状のご説明をさせていただいた機会もありましたけれども、その時は、諫早湾干拓事業には開門調査をすべきであるというようなお話は、まだ明確にそこまでは至っておりませんでした。開門調査が去年だったですかね、アセスをやって開門の是非について検討しようという方針が出されましたので、それ以降はあるいは副知事から説明をさせていただくような機会があったのかもしれませんけど、私は直接、説明をさせていただく機会はまだいただいておりませんでした。

2.普天間飛行場移転について

○記者(NCC) 普天間基地移設で沖縄に駐留するアメリカ軍の一部の訓練を全国の自衛隊基地に分散するというような報道もあっているかと思うんですけれども、本県にも自衛隊基地を抱えているわけなんですが、もしも今後正式にそのような要請があった場合、知事としてはどのような対応をされるおつもりでしょうか。

○知事 どういう要請があるのか、その内容次第だろうと思います。地元として受けることができるようなご提案なのかどうか。さまざまなことを心配されて、地元の方でもいろいろなご心配をなさっておられるんではないかと思いますけれども、まずは騒音の問題であるとか、事件・事故の問題であるとか、どの程度の規模・負担になるのか、まだ全然具体的なお話をいただいておりませんし、もともとそういったお話も報道を通して知り得るだけでありますので、その段階で検討してみる必要があるんではないかと思います。

○記者(NCC) 具体的な要請がある前に、何らか長崎県としてアクションを起こすような、例えば、長崎県としては反対なんだとか、そういうようなおつもりは今のところないんでしょうか。

○知事 まだ来るぞという話もないのに、反対だと言うわけにもいかないのではないかと思います。ただ、報道を通して、例えば佐世保であるとか、大村であるとか、候補地の一つになっているというふうなお話もあって、地元大村の方ではいろいろな集会等で反対の取り組みがなされているというお話は聞いておりますけれども、その前に、例えば、県として何かやるかというと、まだまだ早いのではないかと思っております。

○記者(NCC) 沖縄の負担を全国で分け合うべきじゃないかという考え方もあるかと思うんですが、そのあたりについて、知事のお考えを聞かせていただきたいと思います。

○知事 そうした考え方があるのかもしれません。ただ、ご承知のとおり、長崎自体、米軍基地を抱えて、重要な機能も一部担わせていただいているわけでありますから、これまでもさまざまな事件・事故等も起こってきた経過があって、国との間で相当難しい調整等も重ねてきて、現在があるわけでありますので、県としても一定担わせていただいているものと思っております。

○記者(NCC) そうすると、これ以上もう来ないでほしいというお気持ちなんでしょうか。

○知事 基地といっても、訓練の場であるとか、住まいの場であるとか、さまざまな側面があると思います。そういう中で、例えば、単純に人口が増えるというようなことであれば、反対される方はあまりないのかもしれませんし、いやそれでもやはり治安上問題がある、とされるのか、そこはやはり具体的な話に応じてどう考えるかということをしっかり整理しないと、なかなか一概には言えないのではないかと思います。

3.石木ダムについて

○記者(朝日新聞社) 石木ダムの件でお伺いしたいんですけれども、前回の記者会見以降、何か地元住民との流れの対話ですとか、具体的なお話が進んできたということが何かありますでしょうか。

○知事 具体的な事項は、あの後はございません。

○記者(朝日新聞社) 今、石木ダムの住民が抱えている状況と、知事が国との間で諫干で抱えている状況というのは、非常に似ているように見えるんですけれども、今回、この諫干の関係で主導権を持っている国に対して抗議をされている状況の中で、石木ダムの工事の中断について、何か少しまた話を進めていこうというようなお話、あるいは中断することを検討しているということはないんですか。

○知事 それはこれまでも繰り返しお話をさせていただく機会をいただきたいというお願いをしてきたところであって、まだ実現されていないわけでありますけれども、そうした姿勢については全然変わりません。
 具体的にどういう形でそういった話し合いの場を設けさせていただくことができるのか、検討をしてみる必要があると前回も申し上げておりましたけれども、少しこれからもそういう姿勢で何かいい方法がないのか、考えていく必要があると思います。

○記者(朝日新聞社) 住民は中断を求めているので、一時中断という声をかければ、対話にも応じるということになるかと思うんですが、そのあたりのお考えを聞かせてください。

○知事 中断を求めているからとおっしゃいましたけれども、この間、ずっと石木ダムは事業を継続してきているんですよ。
 今回、初めて石木ダムを進めているわけではありませんで、これまでも長年にわたって取り組んできて、既に46%分については執行済みという状況になっているわけでありますので。

○記者(朝日新聞社) 諫干も執行済みででき上がっているものを開けるかどうかの議論になっているんですが、この執行済みのものを続けるということと同じことで、そういった主導権を持たない側の立場に立ったときに、そういったお考えが少し変わったりとか、今後別の取り組みをされるという考えというのも、特に今のところはお持ちではないんですか。

○知事 石木ダムとの関係はどんな考えをお持ちなのかよくわかりませんが、まさに諫早湾干拓事業というのは国営事業であって、事業主体は国でありました。しかしながら、その事業がもう完了してしまって、農地の配分を受けて営農をやっているわけですね。あとはもう地域住民の主体性の中でさまざまな事業が進んでいる。これをもう一度もとに戻してというのは、少し話が違うと思うんですが、そのことと石木ダムと何か関係がありますか。

○記者(朝日新聞社) 確かに、的確性は私も欠いているというのは認識した上での話なんですけれども、実際にできていて営農もされているんですね。実際に住民たちも農民であり生活を始めている状況ですね。今住んでいる農地に対して、その住んでいる土地がダムの建設によって変わってしまう、そういうような主導権をですね、同じ手法で抗議をされているという意味では、その位置付け、構図としては同じものだと考えているんですけれども、私は。

○知事 それはちょっと違うのではないですか。私どもも地権者の方々のご意向を無視してやろうとしているではなくて、何としてもやはりご理解をいただいた上で進めたいという思いについては全然これまでと変わっていないわけでありまして、主導権をお持ちではないと言っても地権者の方々でありますので、ご理解をいただいた上で進めるというこれまでの方針には全然変わりないという思いなんですけれども。

4.肝炎対策について

○記者(NIB) 今日、肝炎患者の方から要望があったと思うんですが、改めて県独自で何かしらの救済策というのを行おうというようなお考えはないのかということを伺いたいんですが。

○知事 これを県独自でというのはなかなか難しいんではないかと思うんですね。今、訴訟が提起されていて、和解勧告に国が応じていこうとされているわけで、これから具体的な内容の調整が進んでいくのではないかと思っております。
 そういう状況の中で、本県だけの特別な地域課題でもありません。全国に共通する課題でありますので、その辺については患者の皆さん方のご苦労というのは本当に大変な状況であるというのは十分理解しておりますけれども、基本的にはやはり国の方できちんと対処されるべき性格の課題ではなかろうかと思っております。
 そういった上で、なおかつ県として必要な施策があるのかないのか、そういった面でこれからも検討していく必要があるのではないかと思います。

5.参議院議員選挙について

○記者(長崎新聞社) 参院選のことでちょっとお尋ねしたいんですけれども、金子前知事が参院選に出馬するということになりましたけれども、知事をやめられたときは、政権交代をしたので自分が退くことで県政が不安なくスムーズにいくんじゃないかということも話されていましたけれども、今回状況が変わって、また政治の場で県民を代表して県の声を届けたいということを言われて出馬をされましたけれども、県民からすると、政権交代を受けて何か投げ出したようなふうに見られたところもありますし、その流れで中村知事が擁立をされて知事になられたわけですけれども、そういった金子前知事の説明もありますけれども、県民としての受け止め方もいろいろあると思うんですけれども、中村知事としてはこの金子前知事の出馬についてどういうふうに受け止められましたか。

○知事 これは私も機会があるときに申し上げたことがありますけれども、地方の首長と議員という立場は、少し違うのではないのかなという思いはあります。政治家であるというのは、それは同じなんでしょうけれども、行政の長という立場が片方にありますので、そういった意味で中央政権との党派が違うことによってさまざまな課題が生じてきて、その辺をおそらく懸念されて不出馬をご決断されたのではないのかと思いますけれども。ただ、お一人の議員ということになると、これは全く違う政治活動が可能になるし、そこは当然ながら違っていいんではないのかなという思いはあります。

○記者(長崎新聞社) 金子さんに対して期待なり、注文といいますか、何かそういうところはありますか。

○知事 金子前知事だからという面から言うと、もうこれまで本当に行政を自らの責任ある立場の中で切り盛りしてこられた方であって、一番お詳しい方であります。そうした方が国政を目指していかれるということであって、ご支援をいただける面は多々あるのではないかと思います。
 ただ、だから別の候補者と特別に違いがあって、金子前知事を応援するかと言われると、先ほども申し上げたとおり、特定の党派だからという考え方は毛頭ございません。

○記者(長崎新聞社) ですが、実際に知事選で金子さんの後援会のご支援を受けて、また自民党から資金的にも人的にもかなりの支援を受けたので、当然向こうからは「応援よろしく」ということが言われると思うんですけれども、その場合はどうされますか。

○知事 そこはまだ、「応援よろしく」というお話はありませんので、どういうご要請があるのか、その段階で検討したいと思います。
 確かに私をご支援いただいたのは、自民党の皆様方、公明党の皆様方、中には民主党の皆様方からもいただいてきておりますので、特定の党派という考え方は毛頭ございません。そうした一人ひとりの皆さん方にどう応えていくかというのが、私のこれからの大きな責務だろうと思っております。

○記者(朝日新聞社) 参院選に関連してなんですけれども、金子前知事は長崎県の代表として国に長崎の声を届けていきたいということをおっしゃっているんですけれども、先ほどの注文というようなところに関連するんですが、具体的にどのようなことを、もし国政に行った場合に、知事を経験されたということで求めていきたいかというふうなことが何かあれば教えていただきたいんですけれども。

○知事 それはいろんな地域振興の課題等があると思ういます。本県ならではの観光の問題、あるいは離島の問題、産業振興の問題、いろんな課題があって、それぞれの党にやはりいろんな県選出の国会議員の皆様方のお力添えはいただきながら、中央の政府に対して要望等を繰り返し行ってきているわけでありますので、そうした中でお力添えをいただけると大変ありがたいと思います。

6.口蹄疫について

○記者(NCC) 宮崎の口蹄疫なんですが、一部JAなどで、農家さんへの支援を打ち出したところもあるかと思うんですが、県として何か今のところ検討している措置などはありますか。

○知事 必要な防疫上の対策等については、県でも主体性を持ってやっているものがあります。例えばフェリーターミナル周辺の防疫対策とか。課長、何か他県と比べて県独自で何かやろうとしていることはありますか。

○畜産課長 基本的に長崎、佐賀、福岡は危険がないという地域ですので、熊本とか、大分とか、それらの県との対応は違うんですが、一番危惧しているのは、知事が言われた港等からの車両の進入とか、持ち込むことがないようにということで、県としては今そういった点で重点的に防疫対策をやっているところです。

○知事 ただ、現実に(家畜)市場の開催延期も行われている状況でありますので、それを今後どのくらい続ける必要があるのか、そういう今後の推移によっては、必要な対策をしっかり講じていかないといけないと思っています。

○広報広聴課長 よろしいでしょうか。それでは以上で知事の定例会見を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

★発言内容については、わかりやすいように一部変更している部分があります。
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