閉会中の委員会活動

農水経済委員会

現地調査

委員会名 農水経済委員会
目的 農水経済行政現地調査
日時 平成29年7月31日(月)~8月3日(木) (4日間)
調査先 大阪府、京都府、兵庫県
出席委員 委員長 宅島寿一、副委員長 近藤智昭、委員 渡辺敏勝、委員 山田博司、
委員 外間雅広、委員 松島 完、委員 西川克己、委員 中島浩介
委員 大久保潔重、委員 麻生 隆
概要

1.株式会社 阪急オアシス

株式会社 阪急オアシスを訪問し「長崎県水産物の販売」について調査を行った。

(1)会社概要
 
  • 商 号:株式会社 阪急オアシス
  • 設 立:2006年(平成18年)9月1日
  • 所在地:大阪府豊中市岡上の町2丁目2番2号
(2)店舗数
 


・大阪府下 31店舗、大阪市 22店舗、兵庫県 24店舗
 京都府下 7店舗、滋賀県 1店舗
 主に、阪急電鉄沿線に沿って設置。

(3)経営方針
 


阪急オアシス箕面船場店

 「この場所に、あなたの市場を、みんなの力で創りたい」をコンセプトに社員、スタッフ全員が「食のプロフェッショナル」を目指し、「安心安全な高品質食品」を提供し、「ライブ感あふれる市場」をつくり、食にまつわる「生活提案の発信地」となり、海と大地と地域と食卓がひとつでつながる市場を目指している。

○長崎県産水産物販売の取り組み
   阪急オアシスグループ全体で、年に2回の「長崎県水産物のフェア」を実施している、売上げ高は、約4億円。また今回訪問した「箕面船場店」では、月1回の長崎フェアにおいて、長崎の魚類を「一艘買い」し、新鮮な魚類を安く提供している。その他、阪急オアシス独自の加工を施し、長崎県産魚類の販売も行っている。今回は2店舗視察したが、どちらも新鮮で、価格も安く設定されていた。
 売場にも活気があり、魚のおろしのサービス等も行われ盛況だった。
 その他にも、長崎県の素麺、塩、漬物等も販売されていた。

2.兵庫県手延素麺協同組合

 兵庫県手延素麺協同組合の揖保乃糸資料館そうめんの里を訪問し、「そうめんのブランド化等」ついて調査を行った。

(1)組合概要
 


そうめんの里

  • 設 立:明治20年9月9日
  • 所在地:兵庫県たつの市龍野町富永219番地の2
  • 組合員数:463名
  • 業者数: 442者
  • 登録商標:宝播、揖保乃糸ほか
(2)「そうめんの里」施設概要
 
  • 鉄筋コンクリート4階建
  • 資料館面積 2,125㎡
  • 開館時間 午前9時~午後5時
  • 入館料 大人    300円
        中・高校生 200円
        小人    100円
 


 播州地方の伝統産業でもある「手延べそうめん 揖保乃糸」の製造工程や歴史を学べる施設として、平成9年に設置された。施設では、主力商品、上級6把包装の加工場の見学や、日に数回行われる小分け作業の実演では、生の麺を一気に引き延ばす体験もできる。また、そうめんを主とした食事処や売店も設置されている。年間の入場者数は、約12万人。
 揖保乃糸最上級の「特級」については約450の生産者のうち、3件しか製造することができない高級品であり、更にブランド化が図られている反面、後継者の育成が今後の課題となっている。
 また、そうめんの他にもひやむぎ、うどん、冷やし中華、パスタも製造販売している。その他「サザエさん」のオープニングにも紹介されるなど揖保乃糸のPRにも力を入れている。

3.農業生産法人こと京都

 農業生産法人こと京都を訪問し「九条ねぎの生産・加工」について調査を行った。

(1)会社概要
 
  • 会社名:こと京都株式会社
  • 設 立:2002年(平成14年)5月1日
  • 所在地:京都市伏見区横大路下三栖里ノ内30番地
  • 従業員:140名
(2)沿革
 


こと京都株式会社 向島工場

・2002年 有限会社竹田の子守唄設立
2007年 こと京都株式会社に社名変更
2009年 南丹市美山町で九条ねぎ栽培研究と栽培開始
2010年 新本社工場 竣工(横大路)
2013年 第1回6次産業化シンポジウムで農林水産大臣賞 受賞
2014年 こと日本設立
2015年 向島工場竣工
2015年 京野菜冷凍加工会社設立
2016年 京(みやこ)・食の安全衛生管理認証取得
(3)主な取組み
  ① こと九条ねぎについて
 こと九条ねぎとは、「産地のこと、栽培方法のこと、品種のこと」の3つの基準を満たした九条ねぎを定義としている。京都府内で生産され、慣行農法を超えない肥料や農薬の使用で、安全・安心な栽培方法で生産され、原種の割合が半分以上の品種を使用して生産されたねぎのことを指す。生産については、京都府内で産地リレーを行い、1年を通じて安定して出荷しているため、自然災害時にも安定して顧客にねぎを提供できるシステムを構築している。
  ② 6次産業化について
 こと京都においては、栽培から加工・販売まで一環体制で年間通じて安定供給するため、自社において全工程を行っている。農林水産省が推進する「農業の6次産業化」のモデルとして各方面からの視察・研修も多く、農林水産業者の所得向上や地域の活性化に貢献している。また、農福連携を実践し社会福祉法人とも連絡を取り合い就労者の確保にも努めている。こうして得た利益については、畑に戻すこととし、経営の安定化に繋げている。

 以上のほか、ダイハツ工業株式会社において「地場企業への調達の可能性」、大阪市中央卸売市場において「生産から消費までの現況と仕組み」、丸久小山園において、「お茶の品質管理、流通」、MOBIOにおいて「ものづくり支援」について調査を行った。

現地調査

委員会名 農水経済委員会
目的 農水経済行政現地調査
日時 平成29年5月17日(水)~18日(木) (2日間)
調査先 雲仙市、島原市、南島原市、諫早市、長崎市
出席委員 委員長 宅島寿一、副委員長 近藤智昭、委員 渡辺敏勝、委員 山田博司
委員 外間雅広、委員 松島 完、委員 西川克己、委員 中島浩介、
委員 大久保潔重、委員 麻生 隆  
概要

1.ながさき県酪農業協同組合

「乳製品の安全性等」について調査を行った。

(1)組織概況
 
  • 名称
    ながさき県酪農業協同組合
  • 所在地
    雲仙市瑞穂町古部甲2021番地(本所)
    佐世保市柚木町1978-1(佐世保支所)
  • 設立
    平成17年4月1日 長崎県酪農業協同組合と長崎県央酪農業協同組合の合併により設立。
    長崎県一円の酪農家の約6割のシェアを持つ組合として現在に至る。
  • 職員数
    33名(うち嘱託職員15名)
  • 生乳生産の概要
    組合員数 97戸
    経産牛頭数 3,947頭
    生乳生産量 32,542トン(日量:89トン)H28年度実績
(2)貯蔵施設の設置目的と概要
 


・国民の食への安全・安心が高まるなか、衛生的な生乳の貯蔵が求められている。 そのため、従前の諫早市と雲仙市2箇所の計3箇所に分散されていた貯蔵施設を1箇所に集中させた。このことにより、生乳の効率的な集出荷体制の確立及び検査施設の強化により安全・安心な生乳生産及び流通の合理化に期することとなった。 貯蔵施設の1日の処理量は120トン 年間43,800トンとなり、農山漁村活性化プロジェクト支援交付金により整備された。

(3)今後の課題
  ・酪農農家の高齢化や環境に配慮するためのホルスタインの糞尿処理、ロボットによる搾乳作業の効率化に向けての設備投資が課題である。

2.旭工業株式会社(雲仙市)

「自動車内装品の縫製工場」について調査を行った。

(1)会社沿革
 


  • 昭和43年 旭工業協同組合として発足
  • 昭和44年 社名変更 旭工業株式会社
  • 平成9年 シートカバー生産累計500万台達成
  • 平成17年 阿木工場(岐阜県中津川市)を開設
  • 平成20年 旭九州株式会社(佐賀県鹿島市)を開設
  • 平成27年 旭九州㈱大村工場(長崎県大村市)を開設
  • 平成28年 旭工業㈱雲仙工場(長崎県雲仙市)の操業開始
  • 主要納入先 トヨタ紡織株式会社 トヨタ車体株式会社
  • 従業員数 本社工場、旭九州株式会社 合計 480名
(2)進出の背景と狙い
 

背景

①トヨタ紡織株式会社の期待が非常に大きく優秀な人材が確保できる。
②東海地区での縫製工場の確保が困難(外国人依存の体質が強まる)

狙い

①国内縫製能力の増強(新拠点)

  • 東海地区向けカバー生産拠点として活用。
  • 人材確保が厳しい東海地区の補填工場とする。
  • 優秀な人材(モチベーションが高い)が豊富であり、最大限活用する。
  • 旭工業と旭九州との負荷調整として柔軟に対応できることも視野に入れる。
(3)工場設立のコンセプト
 
  • 雲仙市瑞穂町に位置し、諫早湾干拓堤防道路に近く旭九州へのアクセスが良い。
  • 島原半島一帯で縫製工場が多く、縫製工が多数従事している。
    (現在の縫製業界は規模縮小に動いており工場閉鎖による失業者が発生している)
  • 島原半島一帯に正社員としての雇用が少ないため、若者の県外流出が多い。
    (縫製工増員のポテンシャルが大きい)
(4)将来への展望
 

①よき企業市民として地域に根ざした企業を目指す。
②地域・地元出身の社員が中心となって生産活動からマネジメントまで現地化できるように進めていく。
③土地・建物を100%活用する規模への人員の増強を図る(150人程度)※現在121名

  以上のほか、JA島原雲仙(島原市)において「組合員の減少防止対策等」、西九州たばこ耕作組合(南島原市)において「葉たばこ農家の現状等」、橘湾東部漁業協同組合(雲仙市)において「新たな養殖経営等」、有限会社松山ファーム(雲仙市)、愛菜ファーム株式会社(諫早市)において「諫早湾干拓での栽培」、農林技術開発センター(諫早市)、総合水産試験場(長崎市)において現地調査を行った。