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意見書・決議

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離島・半島地域の振興対策に関する意見書

 わが国における少子高齢化・人口減少の進行は、離島・半島地域における社会・経済そのものを揺るがしかねない大きな問題となっている。
 これまでも、離島・半島地域が抱える問題の改善に向け、様々な取組みが行われてきたが、人口流出が続き依然として厳しい現状である。
 四方を海に囲まれ、地理的ハンディキャップを抱える離島地域において、運賃や物流におけるコスト負担は、交流人口の拡大や農林水産物をはじめとする地域産品の流通拡大の大きな障壁となっている。
 食糧の安定的供給や自然環境の保全など、国民の利益増進に重要な役割を担う離島地域がその役割を果たしていくためには、住民が住み続け、安定した暮らしを送っていくことができる環境づくりが不可欠である。
 とりわけ、国境離島が将来にわたり、我が国の領域、排他的経済水域の保全等の国家的役割を担い続けるためには、運賃低廉化等の輸送環境の改善、産業の創出・雇用の確保など、本県離島の実情に応じた振興策が盛り込まれた新法の早期制定が不可欠であり、国に対し、積極的に働きかけを行う必要がある。
 また、半島地域においては、道路などの社会基盤整備とともに産業振興や雇用創出、定住の促進などの施策を柱とした半島振興法の延長・充実が見込まれるところであり、今後は更に地域が主体となった自主的な取組みがなされるような意識の醸成と、これらの取組みに対する積極的な支援が必要である。
 離島・半島地域が条件不利性を克服し、これからも住民が住み続け、安定した暮らしを営み、経済活動が続けられていくためには、引き続き道路などの社会基盤整備の充実を図るとともに、「人」・「モノ」の往来を支える取組みや、地域を支える人づくり、安心安全を支える仕組みづくりについて、事業の成果を検証しながら、かつ、スピード感を持って行うことが重要である。
 よって、県におかれては、下記の事項について、積極的かつ真摯に取り組むよう、強く求める。


  1.  航路・航空路運賃対策について
     「船舶リフレッシュ事業」及び「船舶リプレイス事業」の成果分析を十分に行い、更なる運賃の低廉化・軽減措置拡大に努めること。また、観光振興との連携など、交流人口の拡大に向けた部局横断的な取り組みに努めること。
  2.  物流対策について
     離島活性化交付金については、燃油等輸送コストの軽減など、生産拡大に繋がる物流体制の改善に向け、地方の裁量により幅広く使えるよう、対象事業の拡大及び大幅な増額について、継続して国へ要望していくこと。
  3.  教育支援について
     離島高校生修学支援補助金など、教育の機会均等を支える制度の継続・拡充に努めるとともに、地域の通学の実情に応じた必要な支援が適用されるよう具体的な検討を行うこと。また、離島・半島の学校の現状や教育成果等について情報の共有を図るとともに、地域と連携しながら維持・継続への取り組みに努めること。
  4.  医療体制・人材の確保について
     医師・看護師の人材確保については、関係機関と十分に連携しながら取り組むとともに、離職防止や資質向上のための財源確保・支援制度充実に向けた積極的な取り組みに努めること。

 以上、意見書を提出する。 



  平成27年2月23日


長 崎 県 議 会

(提出先)

長崎県知事   中 村 法 道  様



人口減少・雇用対策に関する意見書

 本県の人口は、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2010年の142万人から、2040年には104万人に減少するとされており、人口減少の克服は、本県の最重要課題となっている。
 国においては、地方が活力を取り戻し人口減少を克服するために、昨年11月に成立した「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、日本の人口の現状と将来見通しを示す「長期ビジョン」及び地方創生に関する目標や施策の方向性を示す「総合戦略」の策定を行っており、今後、県においても、それらを勘案した「地方人口ビジョン」と「地方版総合戦略」の策定が必要となってくる。
 人口減少を克服するためには、未婚化・晩婚化の進行を止めるための結婚支援対策、子育てにかかる負担を軽減するための効果的な子育て支援対策等自然減対策を着実に実施するとともに、県内産業の強化、企業誘致等良質な雇用の場を確保し若年者等の就業を促進するための県民所得向上対策、きめ細かい支援によって都会から人を呼び込むUIターン対策等社会減対策を積極的に実施し、本県経済の活性化が人口減少を抑制し、人口減少の抑制が本県経済を活性化させるという好循環を作り出す必要がある。
 人口減少対策は、特効薬となる施策がないため、県と市町が人口減少対策の方向性について認識を共有し、適切な役割分担の下、連携して根気強く取り組んでいかなければならないが、その一方で、積極的かつ大胆な施策にも取り組まなければ、将来の人口減少を克服することはできない。
 よって、県におかれては、このことを十分認識した上で地方版総合戦略を策定するとともに、下記の事項に対し、さらに積極的に取り組まれるよう強く要望する。
 


  1. 結婚・子育て支援施策の充実及び財源確保について
    (1)結婚・子育て支援施策について、国の施策や財源を積極的に活用しつつ、国に対して、地域少子化対策強化交付金の継続・拡充の要望等必要な働きかけを行うとともに、県自ら必要な財源の確保を図り、予算を重点的に配分すること。
     また、新たに合計特殊出生率を1.8に引き上げることを当面の目標として、県・市町が連携した結婚・子育て支援施策を推進するとともに、市町の創意工夫を促すため、市町に対して、積極的かつ総合的な支援を行うこと。
    (2)乳幼児医療費の助成、保育料の軽減、不妊治療費の助成等子育てにかかる負担の軽減を目的とする子育て支援施策については、市町のより積極的な取組を促すため、市町に対する必要な財政的支援を検討すること。
     また、乳幼児医療費の助成については、意欲的・先進的な市町の取組を優先的に支援することによって、その対象年齢の引き上げに努力すること。
    (3)子育て支援施策の充実のためには、十分な財源の確保が望まれることから、子育て支援に意欲的な市町や民間の活動を支援するための「こども育成基金」の創設等、必要な措置を講ずること。
    (4)結婚支援施策については、婚活パーティー等のイベントの開催、各種団体・ボランティアとの連携等を通じて、若い男女が集い出会うことができるよう積極的に取り組むこと。
  2. 経済・雇用対策の積極的推進について
    (1)県民所得向上対策に予算を重点的に配分することによって、更なる地場企業の育成強化、農林水産業の競争力強化、観光業等及びサービス産業の振興並びに積極的なアジア・国際戦略の展開を図り、もって雇用を確保・創出すること。
    (2)本県経済の活性化のためには、県内企業の大多数を占める中小企業の振興が重要であることから、各市町と連携して、中小企業診断士等専門家によるアドバイス制度、金融機関からの融資と連動した支援策等様々な支援策を各企業のニーズに応じて組み合わせたオーダーメイド型の支援を行うことによって、強い中小企業を作るための事業環境の整備を図ること。
    (3)オフィス系企業のさらなる誘致を図るため、民間によるオフィスビル建設を促進するための支援制度を拡充するとともに、本県への立地を検討している企業の希望や今後のオフィス需要を踏まえて、行政又は官民連携によるオフィスビルの建設を検討すること。
     また、企業誘致やオフィスビルの建設に当たっては、県有地の有効活用を図ること。
    (4)メディアが県内の様々な地域や商品に注目し、積極的に新聞、テレビ等で取り上げることによって、県民の県内旅行や県内消費の促進が見込まれることから、メディアと県が協働して、県内の魅力に関する情報発信を強化すること。
    (5)生徒がふるさとを愛し、ふるさとへ貢献したいとの思いを持って、たとえ県外に進学・就職したとしても、県内にUターンすることを選択肢と考えるよう、市町と連携して、高等学校において、ふるさと教育の一層の充実を図るとともに、地域に根ざした人材の育成を目的とするキャリア教育を実施する必要があること。
     また、高校生や大学生の県内就職を促進するため、企業誘致で求められる人材が何かを教育現場にフィードバックするとともに、企業、学校、行政が連携して、企業が求める人材の育成を推進すること。
    (6)各種セミナー等によるスキルアップ、異業種交流等による人的ネットワークづくりや若年者・UIターン者への就職支援などの場として、社会人が気軽に集い出会うことのできる場の整備を検討すること。
    (7)若年者の雇用不安が若年者の県外流出や消費の低迷、未婚化・晩婚化、少子化の一因となっていることから、若年者が県内で将来への希望を持って働き、子どもを産み育てることができるよう、若年者の雇用の安定化を図ること。
  3. きめ細かいUIターン・就労支援について
    (1)UIターンをさらに促進するためには、UIターン者に対して、衣食住に限らず、就労や子育て、医療など生活の様々な場面できめ細かい支援が必要であることから、UIターン者の相談に総合的に対応できる人材を育成するとともに、国からのハローワークの権限移譲などUIターン・就労支援のワンストップサービス化を推進すること。
    (2)UIターン対策については、市町の意欲的な取組が必要であることから、市町が実施するUIターン対策のさらなる充実が図られるよう支援するとともに、意欲的・先進的な市町の取組が他の市町にも広がるよう対策を講じること。
  4. 人口減少、就労人材不足に備えた定住・雇用環境の機能維持について
    (1)人口減少社会に突入し、少子高齢化がますます進んでいくことから、子育てしやすく高齢者が暮らしやすい住環境の整備や、高齢者が元気で広く活躍できる環境の整備、地域医療の課題の解決に向けた関係機関のさらなる連携強化、地域公共交通ネットワークの維持・活性化を推進すること。
    (2)人口減少社会における就労人材不足に対応するため、外国人留学生や外国人技能実習生の活用を図ること。
     また、外国人材の活用を図るに当たっては、外国人就労に関する規制の緩和を国に働きかけることについても検討すること。

     以上、意見書を提出する。 



  平成27年2月23日


長 崎 県 議 会

(提出先)

長崎県知事   中 村 法 道  様



長崎県の観光振興の一層の促進に関する意見書

 本県は、古くから日本の玄関口として、アジア諸国をはじめ、外国との交流により発展してきた地域であり、豊富な歴史・観光資源、豊かな自然など優れた地域資源が存在することから、本県にとって観光産業は大きな経済効果をもたらしている。
 現在、「明治日本の産業革命遺産」と「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の世界遺産登録に向けた取組をすすめているところであり、登録が実現すると、大幅な観光客の増加が見込まれることから、受入体制の整備について、県・市町・関係団体が連携し、しっかりと取り組む必要がある。
 また、カジノを含む統合型リゾートは、外国人を対象とした観光戦略の目玉となるなど、本県の観光振興の発展のみならず、雇用機会の創出にも大きく貢献し、その経済波及は多大なものとなることから、議会・行政・関係団体と整備の促進に向け、しっかり連携を図りながら、ギャンブル依存症等の懸念事項への対策についても県民の理解が得られるよう、併せて取り組んでいく必要がある。
 本県の観光産業にとっては、近年まれにみる観光資源の充実がなされることから、この機会を十分に活かせるよう、県におかれては、各地域が経済効果を享受することができる観光振興の取組を推進することを基本とし、次の事項について特段の配慮をされるよう強く要望する。

  1. 「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」は、離島・半島地域等に構成資産が点在していることから関係機関と連携し、観光客の周遊や利便性の向上に資する最適な二次交通アクセスの構築に向けた施策を講じること。
  2. バリアフリー観光の促進・観光客の利便性の観点から、世界遺産候補の構成資産周辺におけるトイレ、駐車場、交通案内サイン等の整備については、関係市町と連携を図りながら、万全な受入体制整備に取り組むこと。
  3. カジノを含む統合型リゾート整備の促進については、本県への導入に向けた具体的な準備を進め、国に対して積極的に働きかけを行っていくとともに、議会・関係団体とも連携を図りながら、県民の合意形成に向けた取組を進めること。

 以上、意見書を提出する。 



  平成27年2月23日


長 崎 県 議 会

(提出先)

長崎県知事   中 村 法 道  様



児童生徒の健全育成に関する決議

 平成26年7月26日に佐世保市内の高校1年生の女子生徒が殺害され、27日には同級生の女子生徒が逮捕されるという事案が発生した。
 平成16年6月に発生した佐世保市内の小学6年生の児童が、同級生により命を奪われるという事件から10年、本県では、命の大切さや他人を思いやる心を養う教育の充実のほか、学校、家庭、地域社会と連携して子ども達の健全育成に取り組んできたが、再びこうした事案が発生したことは極めて遺憾であり、重大かつ深刻な事態と受け止めている。
 今回の事案の発生を受け、県及び県教育委員会は、それぞれ関係する児童相談所並びに学校や教育委員会の対応等について、外部の有識者を交えて検証を進めてきたが、今議会には、その検証結果がとりまとめられ報告されている。
 児童相談所の対応にかかる検証においては、市町や警察等の関係機関との連携不足が指摘されたほか、管理職員については、「危機意識の不足や組織マネジメントの問題」、職員については、「児童福祉制度に関する理解や相談ニーズの把握の不足など専門性の問題」等の指摘がされている。  
 また、これまでの学校や教育委員会の対応についての検証においても、教職員が児童福祉制度や少年司法制度に関する認識が十分でない、学校は、より一層の危機意識を持つとともに、問題事案が発生した場合には、学校だけで抱え込まないよう躊躇することなく関係機関と連携して支援することが必要である、継続的な支援が必要な児童生徒の情報を進学等の際に確実に引き継ぐシステムが必要であるなどの指摘がされている。
 検証において判明したこれらの課題に対しては、市町をはじめ関係機関との連携のもと、全力を挙げて今後の対策に取り組み、再発防止に努めることが肝要であるが、県議会としては、県及び県教育委員会に対し、次の諸点に特に重点的に取り組むことを要望するとともに、県民と共に力を合わせて児童生徒の健全育成に取り組んでいくことを決意するものである。

一 


児童相談所は、管理職員はもちろんのこと、職員一人ひとりが常に使命感と危機意識を持つとともに、研修や日々の実践をとおして職員の専門性を高め、子どもを取り巻く諸問題に迅速に対応できるよう組織・運営体制の充実を図ること。
一 


児童相談所は、要保護児童への支援を適切に実施するため、福祉、教育、医療及び警察等関係機関との連携を強化するとともに、複雑で高度に専門的な判断を要するケースにおいては、医療や法律の専門的見地から助言を得るなど、外部人材の活用を図ること。
一 

児童相談所は、子どもの状況を早期に把握し適切に対応できるように迅速でアクセスが容易な相談受付体制の充実を図ること。
一 

県教育委員会は、児童生徒一人ひとりの特性を理解し、支援していくための相談体制を充実させるとともに、学校内の組織的な情報共有の在り方を見直し、継続的な支援ができる体制づくりに努めること。
一 


県教育委員会は、子どもを支援するという視点から、教職員に関係機関との連携の在り方や児童福祉制度等についての研修と実践に努めるほか、進学や転学などで学校を異動した場合、その子に必要な支援の情報を確実に引継ぐシステムを構築すること。
一 

医療や教育など幅広い分野で専門知識を持つ県内大学との連携を進めるとともに、その専門性を活用した相談体制の充実や人材育成の充実に努めること。
一 

今回の検証で明らかとなった課題のうち、県での対策が困難なもの等については、国に対しても要望等を行い、万全の体制を整えること。
一  今後の対策については、私学についても十分な対応を図ること。
一 

学校と家庭・保護者の連携を深め、地域社会全体で子どもの健全育成に取り組む体制づくりを強化していくこと。

 


 以上、決議する。 



  平成27年3月18日


長 崎 県 議 会




 

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