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わが国における少子高齢化・人口減少の進行は、離島・半島地域における社会・経済そのものを揺るがしかねない大きな問題となっている。
これまでも、離島・半島地域が抱える問題の改善に向け、様々な取組みが行われてきたが、人口流出が続き依然として厳しい現状である。
四方を海に囲まれ、地理的ハンディキャップを抱える離島地域において、運賃や物流におけるコスト負担は、交流人口の拡大や農林水産物をはじめとする地域産品の流通拡大の大きな障壁となっている。
食糧の安定的供給や自然環境の保全など、国民の利益増進に重要な役割を担う離島地域がその役割を果たしていくためには、住民が住み続け、安定した暮らしを送っていくことができる環境づくりが不可欠である。
とりわけ、国境離島が将来にわたり、我が国の領域、排他的経済水域の保全等の国家的役割を担い続けるためには、運賃低廉化等の輸送環境の改善、産業の創出・雇用の確保など、本県離島の実情に応じた振興策が盛り込まれた新法の早期制定が不可欠であり、国に対し、積極的に働きかけを行う必要がある。
また、半島地域においては、道路などの社会基盤整備とともに産業振興や雇用創出、定住の促進などの施策を柱とした半島振興法の延長・充実が見込まれるところであり、今後は更に地域が主体となった自主的な取組みがなされるような意識の醸成と、これらの取組みに対する積極的な支援が必要である。
離島・半島地域が条件不利性を克服し、これからも住民が住み続け、安定した暮らしを営み、経済活動が続けられていくためには、引き続き道路などの社会基盤整備の充実を図るとともに、「人」・「モノ」の往来を支える取組みや、地域を支える人づくり、安心安全を支える仕組みづくりについて、事業の成果を検証しながら、かつ、スピード感を持って行うことが重要である。
よって、県におかれては、下記の事項について、積極的かつ真摯に取り組むよう、強く求める。
記
平成27年2月23日
長 崎 県 議 会
(提出先)
長崎県知事 中 村 法 道 様
本県の人口は、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2010年の142万人から、2040年には104万人に減少するとされており、人口減少の克服は、本県の最重要課題となっている。
国においては、地方が活力を取り戻し人口減少を克服するために、昨年11月に成立した「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、日本の人口の現状と将来見通しを示す「長期ビジョン」及び地方創生に関する目標や施策の方向性を示す「総合戦略」の策定を行っており、今後、県においても、それらを勘案した「地方人口ビジョン」と「地方版総合戦略」の策定が必要となってくる。
人口減少を克服するためには、未婚化・晩婚化の進行を止めるための結婚支援対策、子育てにかかる負担を軽減するための効果的な子育て支援対策等自然減対策を着実に実施するとともに、県内産業の強化、企業誘致等良質な雇用の場を確保し若年者等の就業を促進するための県民所得向上対策、きめ細かい支援によって都会から人を呼び込むUIターン対策等社会減対策を積極的に実施し、本県経済の活性化が人口減少を抑制し、人口減少の抑制が本県経済を活性化させるという好循環を作り出す必要がある。
人口減少対策は、特効薬となる施策がないため、県と市町が人口減少対策の方向性について認識を共有し、適切な役割分担の下、連携して根気強く取り組んでいかなければならないが、その一方で、積極的かつ大胆な施策にも取り組まなければ、将来の人口減少を克服することはできない。
よって、県におかれては、このことを十分認識した上で地方版総合戦略を策定するとともに、下記の事項に対し、さらに積極的に取り組まれるよう強く要望する。
記
平成27年2月23日
長 崎 県 議 会
(提出先)
長崎県知事 中 村 法 道 様
本県は、古くから日本の玄関口として、アジア諸国をはじめ、外国との交流により発展してきた地域であり、豊富な歴史・観光資源、豊かな自然など優れた地域資源が存在することから、本県にとって観光産業は大きな経済効果をもたらしている。
現在、「明治日本の産業革命遺産」と「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の世界遺産登録に向けた取組をすすめているところであり、登録が実現すると、大幅な観光客の増加が見込まれることから、受入体制の整備について、県・市町・関係団体が連携し、しっかりと取り組む必要がある。
また、カジノを含む統合型リゾートは、外国人を対象とした観光戦略の目玉となるなど、本県の観光振興の発展のみならず、雇用機会の創出にも大きく貢献し、その経済波及は多大なものとなることから、議会・行政・関係団体と整備の促進に向け、しっかり連携を図りながら、ギャンブル依存症等の懸念事項への対策についても県民の理解が得られるよう、併せて取り組んでいく必要がある。
本県の観光産業にとっては、近年まれにみる観光資源の充実がなされることから、この機会を十分に活かせるよう、県におかれては、各地域が経済効果を享受することができる観光振興の取組を推進することを基本とし、次の事項について特段の配慮をされるよう強く要望する。
記
平成27年2月23日
長 崎 県 議 会
(提出先)
長崎県知事 中 村 法 道 様
平成26年7月26日に佐世保市内の高校1年生の女子生徒が殺害され、27日には同級生の女子生徒が逮捕されるという事案が発生した。
平成16年6月に発生した佐世保市内の小学6年生の児童が、同級生により命を奪われるという事件から10年、本県では、命の大切さや他人を思いやる心を養う教育の充実のほか、学校、家庭、地域社会と連携して子ども達の健全育成に取り組んできたが、再びこうした事案が発生したことは極めて遺憾であり、重大かつ深刻な事態と受け止めている。
今回の事案の発生を受け、県及び県教育委員会は、それぞれ関係する児童相談所並びに学校や教育委員会の対応等について、外部の有識者を交えて検証を進めてきたが、今議会には、その検証結果がとりまとめられ報告されている。
児童相談所の対応にかかる検証においては、市町や警察等の関係機関との連携不足が指摘されたほか、管理職員については、「危機意識の不足や組織マネジメントの問題」、職員については、「児童福祉制度に関する理解や相談ニーズの把握の不足など専門性の問題」等の指摘がされている。
また、これまでの学校や教育委員会の対応についての検証においても、教職員が児童福祉制度や少年司法制度に関する認識が十分でない、学校は、より一層の危機意識を持つとともに、問題事案が発生した場合には、学校だけで抱え込まないよう躊躇することなく関係機関と連携して支援することが必要である、継続的な支援が必要な児童生徒の情報を進学等の際に確実に引き継ぐシステムが必要であるなどの指摘がされている。
検証において判明したこれらの課題に対しては、市町をはじめ関係機関との連携のもと、全力を挙げて今後の対策に取り組み、再発防止に努めることが肝要であるが、県議会としては、県及び県教育委員会に対し、次の諸点に特に重点的に取り組むことを要望するとともに、県民と共に力を合わせて児童生徒の健全育成に取り組んでいくことを決意するものである。
一 |
児童相談所は、管理職員はもちろんのこと、職員一人ひとりが常に使命感と危機意識を持つとともに、研修や日々の実践をとおして職員の専門性を高め、子どもを取り巻く諸問題に迅速に対応できるよう組織・運営体制の充実を図ること。 |
一 |
児童相談所は、要保護児童への支援を適切に実施するため、福祉、教育、医療及び警察等関係機関との連携を強化するとともに、複雑で高度に専門的な判断を要するケースにおいては、医療や法律の専門的見地から助言を得るなど、外部人材の活用を図ること。 |
一 |
児童相談所は、子どもの状況を早期に把握し適切に対応できるように迅速でアクセスが容易な相談受付体制の充実を図ること。 |
一 |
県教育委員会は、児童生徒一人ひとりの特性を理解し、支援していくための相談体制を充実させるとともに、学校内の組織的な情報共有の在り方を見直し、継続的な支援ができる体制づくりに努めること。 |
一 |
県教育委員会は、子どもを支援するという視点から、教職員に関係機関との連携の在り方や児童福祉制度等についての研修と実践に努めるほか、進学や転学などで学校を異動した場合、その子に必要な支援の情報を確実に引継ぐシステムを構築すること。 |
一 |
医療や教育など幅広い分野で専門知識を持つ県内大学との連携を進めるとともに、その専門性を活用した相談体制の充実や人材育成の充実に努めること。 |
一 |
今回の検証で明らかとなった課題のうち、県での対策が困難なもの等については、国に対しても要望等を行い、万全の体制を整えること。 |
一 | 今後の対策については、私学についても十分な対応を図ること。 |
一 |
学校と家庭・保護者の連携を深め、地域社会全体で子どもの健全育成に取り組む体制づくりを強化していくこと。 |
平成27年3月18日
長 崎 県 議 会