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平成25年度の地方財政対策において、通常収支分の地方交付税については、17.1兆円と前年度比で2.2%の減となる一方、地方の一般財源総額については、前年度と同水準となる59.8兆円を確保するとされている。
これまで地方が強く訴えてきた一般財源総額確保の要請に応えるとともに、緊急防災・減災事業や地域の元気づくり事業の需要の積み上げが行われたことや、地方交付税の別枠加算が確保されたことについては、一定評価するものである。
しかしながら、国家公務員の給与減額支給措置に準じて、地方公務員の給与削減を求めることに呼応して一方的に地方交付税が削減されたことは、地方の固有財源という地方交付税の性格を否定するものであり、国と地方の信頼関係を揺るがすものであると指摘せざるを得ない。
確かに今回の措置は、「日本の再生」に向けて、喫緊の課題である防災・減災事業や、一層の地域経済の活性化といった課題に迅速かつ的確に対応するためとの趣旨は、一定理解するものであるが、そもそも地方公務員の給与は、公平・中立な知見を踏まえつつ、議会や住民の意思に基づき地方が自主的に決定すべきものであり、決して国がその削減を強制できるものでなく、本来、今回のような措置は地方の十分な理解のもと講じられるべきである。
よって、国におかれては、下記の事項について実現されるよう強く要請する。
記
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成25年3月22日
長 崎 県 議 会
(提出先)
衆議院議長 伊 吹 文 明 様
参議院議長 平 田 健 二 様
内閣総理大臣 安 倍 晋 三 様
総務大臣 新 藤 義 孝 様
財務大臣 麻 生 太 郎 様
内閣官房長官 菅 義 偉 様
諫早湾干拓事業の開門問題については、アセス素案の段階から約100項目にわたり、繰り返し、開門の問題点や対策の不備等について、具体的に指摘し、対応を求めてきたものの、到底、地元の理解が得られるような万全なものとは言えない。
具体的には、漁業面では、いずれの開門であってもアセスでは濁りや浮泥の堆積等により、アサリやカキ養殖等への影響被害が予測されているにもかかわらず、示された事前対策としての汚濁防止膜の設置では、浮泥の巻上げ防止効果がなく、漁業者に被害を甘受せよというのに等しいことである。
農業面では、代替水源として示されている海水淡水化案について、濁りが多く塩分濃度も大きく変動する調整池での取水により安定的に水の確保が可能であるのか、また、淡水化処理後に発生する大量の濃縮海水の排水が環境に影響しないのかなど、環境面、技術面での課題がある。これについて、他県の事例では、事前に影響評価や実証実験を行ったうえで、施設導入の可否を判断し、その結果、フィルターの目詰まりなどにより、所定の水量が確保できず、施設の導入を見送った事例もあるにもかかわらず、今回は、事前調査も予定されておらず、代替水源としての実現性が確保されていない。
更に、塩害については、塩水が背後地潮遊池に逆流することを防止するため、調整池の管理水位よりも敷高が低い背後地堤防の樋門ゲートを閉め、常時排水ポンプを設置するとされているが、大雨が降った際には、ポンプ能力が不足し、背後農地等が塩水により湛水することとなり、塩害をもたらす危険がある。
潮風害についても、新干拓地は全てが畑作であり、背後地でも畑作が拡大しているにもかかわらず、影響を評価するにあたって、野菜よりも潮風害に強い水稲の基準値が採用され、潮風害の影響が過小評価されている。
防災面では、国は、ケース1の開門方法において、現在、1/100確率年降雨に対応した防災機能を1/30確率年降雨に対応した基準に引き下げるとしており、地元への重大な被害が想定され、認めることはできない。また、国は調整池付近の16の樋門を管理するとしているが、小潮時の大雨では、調整池の水位が上昇し、背後地からの排水が困難となるため、実際に管理すべき排水樋門・樋管は大小あわせて約300箇所に及び、これらについて昼夜を問わない危険な重労働である管理を地元に再び負担させることは認められない。
そもそも、被害が生じれば補償というが、住民の生命身体の安全は金銭的に補填できるものではなく、農業でも塩害が起これば農地の復旧に相当の期間を要し、その間取引先を失う恐れがあり、漁業でも漁場回復に再び長い年月を要するなど、このまま開門すれば、農業漁業の廃業など取り返しのつかない重大な事態に繋がりかねず、事後的に補償すれば良いというものではない。
まずは、地元に被害が生じないよう万全の事前対策を示すことが国の責務である。
よって、国におかれては、本県、地元の意見を真摯に受け止め、これまでの対応や対策を見直すとともに、万全な事前対策が困難であれば開門そのものを見直すよう強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年3月22日
長 崎 県 議 会
(提出先)
衆議院議長 伊 吹 文 明 様
参議院議長 平 田 健 二 様
内閣総理大臣 安 倍 晋 三 様
農林水産大臣 林 芳 正 様
内閣官房長官 菅 義 偉 様
我が長崎県は、対馬、壱岐、五島列島などの国境離島を有している。
国境離島の重要性は、我が国の領域や排他的経済水域等の保全の面、海洋資源の利用等の面において極めて顕著である。
また、密航、密輸、密漁を防止する前線の監視拠点としても、その役割は重要であり、さらには外国からの漂着ゴミや大気汚染についていち早く知りうる拠点として重要な役割を果たしている。
しかしながら、それら国家として重要な役割を果たす国境離島の内情は、基幹産業である第一次産業の低迷、雇用機会の不足等から生ずる若年層の流出、著しい高齢化等、看過できないほど厳しいものになっている。
今後この厳しい情勢が加速していけば、国境離島が果たす重要な国家的役割に影響を及ぼしていくことは必至である。
したがって、今こそ国境離島の重要性を再認識し、国防政策とともに定住促進のための諸政策等の整備が求められる。
長崎県ではこれまで離島振興法に基づき、離島の振興に力を注いできたが、近年の我が国を取り巻く国際情勢や離島の現況における内情を考えるとき、一自治体のみによる取り組みには限界を感じざるを得ない。
よって、国におかれては、下記事項の実現を速やかに進めるよう強く求める。
記
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成25年3月22日
長 崎 県 議 会
(提出先)
衆議院議長 伊 吹 文 明 様
参議院議長 平 田 健 二 様
内閣総理大臣 安 倍 晋 三 様
法務大臣 谷 垣 禎 一 様
外務大臣 岸 田 文 雄 様
財務大臣 麻 生 太 郎 様
国土交通大臣 太 田 昭 宏 様
防衛大臣 小野寺 五 典 様
内閣官房長官 菅 義 偉 様
アメリカ合衆国が昨年10月から12月にかけて、核兵器の性能を調べる実験を2回実施したとの報道に接した。
長崎県議会は、これまでもアメリカ合衆国に対し、臨界前核実験など核兵器の維持存続や開発につながる一切の核実験を実施することがないよう繰り返し要請してきたところであるが、このような核実験を実施していたことは、極めて遺憾である。
悲惨な原爆被爆を体験した長崎県民は、世界の恒久平和の実現をめざすため、一日も早い核兵器の廃絶を願っており、オバマ大統領が2009年のプラハの首脳会議で表明された「核兵器のない世界」の実現に大きな期待を寄せていた。
それにも関わらず、その後臨界前核実験を4回、核兵器性能実験についても今回を含めて8回実施しており、期待を裏切られた思いである。
ここに、原子爆弾被爆地の県議会として、アメリカ合衆国による核実験に対し、遺憾の意を表明するとともに、政府におかれては、核兵器の維持存続や開発につながるすべての核実験が中止され、「核兵器のない世界」を実現するよう一層の努力を要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年3月22日
長 崎 県 議 会
(提出先)
内閣総理大臣 安 倍 晋 三 様
外務大臣 岸 田 文 雄 様
内閣官房長官 菅 義 偉 様
平成25年2月12日、朝鮮民主主義人民共和国(以下「北朝鮮」)が、3回目の地下核実験を実施したとの報道に接した。
北朝鮮は、平成18年10月及び平成21年5月にも世界各国から強い中止要請を受けたにもかかわらず、核実験を強行しており、今回再び核実験を実施したことに対しては、誠に遺憾であり、先に表明された知事並びに議長の抗議声明とともに、私達県議会としても、強い憤りを禁じ得ない。
被爆県である本県は、数多くの被爆者とともに、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を目指しており、本県議会においても、これまで幾度となく、核実験に反対する決議を行ってきた。
この度の核実験は、国際的な核不拡散体制に対する重大な挑戦であり、断じて許すことができない暴挙であるとともに、人類の歴史上、極めて愚かな行為である。
よって、本県議会は、北朝鮮による核実験に対し厳重に抗議するとともに、政府においては、国際社会と緊密に連携した経済制裁を含め、北朝鮮に対して毅然として抗議し、このような暴挙が二度と繰り返されることがないよう、一層の努力を要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年3月22日
長 崎 県 議 会
(提出先)
内閣総理大臣 安 倍 晋 三 様
外務大臣 岸 田 文 雄 様
内閣官房長官 菅 義 偉 様
以上、決議する。
平成25年3月22日
長 崎 県 議 会
(提出先)
長崎県知事 中 村 法 道 様