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意見書・決議

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九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)の整備促進に関する意見書

 九州新幹線西九州ルート (長崎ルート) は、西九州地域の産業振興や交流人口の拡大等につながる重要な交通基盤であり、本年3月に全線開業した鹿児島ルートと一体的に整備することで、アジアの玄関口である九州地域の一体的浮揚をもたらすとともに、中国・関西圏との連携による社会経済の発展にも大きく寄与するものである。また、海上航路と連携することで、離島の交流人口を拡大し、離島地域の活性化にも資するものである。
 整備新幹線は、先の「東日本大震災」でもその安全性が実証され、また、早期に復旧がなされている。このようなことから、西九州ルートは、災害時に他の公共交通機関が被災した場合の代替交通手段としての役割も果たすものであり、災害対策の観点からも一日も早い整備が必要である。
 本県では、本年11月に長崎〜上海航路が開設予定であるが、さらに、西九州ルートが整備されると、中国から長崎、そして長崎から新幹線で日本全国へという周遊スキームが構築され、国家戦略の観点からも重要であると考える。
 また、西九州ルートの沿線地域では、官民が一体となって、新幹線を活用した魅力あるまちづくりに取り組んでいるところであり、一日も早い全線開業が望まれている。
 西九州ルートの整備効果を最大限に発揮させるためには、武雄温泉〜長崎間の早期一括開業が必要であるが、わずか21kmの未着工区間が残されているため、開業の見込みが立っていない。
 よって、国におかれては、一日も早く、未着工区間である諫早〜長崎間の認可・着工がなされることを強く要望する。

 

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。


平成23年 9月 16日


長 崎 県 議 会

(提出先)
衆議院議長     横路 孝弘  様
参議院議長     西岡 武夫  様
内閣総理大臣    野田 佳彦  様
総務大臣       川端 達夫  様
財務大臣      安住  淳  様
国土交通大臣    前田 武志  様
内閣官房長官    藤村  修  様
行政刷新担当大臣  蓮   舫  様



認定第2号「平成22年度長崎県交通事業会計決算の認定について」 に関する附帯決議

 交通局においては、以下の事項を実現するよう強く要望する。
①公営企業であることを強く認識し、情報の公開、管理監督責任の明確化、法令順守、公金意識等について、職員の意識改革に努めること。
②所掌事務全般にわたって徹底して点検・見直しを行い、今後かかることのないよう再発防止に万全を期すこと。

③スマートカードに係る未収金(平成22年度末44,993,596円)の回収に全力で取り組むこと。

 

 以上、決議する。


平成23年10月4日


長 崎 県 議 会

(提出先)
長崎県知事     中村 法道  様



第106号議案「平成23年度長崎県一般会計補正予算(第2号)」に 関する附帯決議

 長崎県安心こども基金事業費による休日保育特別事業の補助金について、補助対象としている大村市の常盤保育園は、不適切な私的契約児問題、不透明な法人運営などにより県から改善命令を受けており、その是正に取り組んでいる状況である。
 よって、当該保育園の是正措置が確認できるまでは、当該保育園に対する予算の執行を留保することとし、これを解除する場合は、議会に報告・協議の上、同意を得るものとする。

 

 以上、決議する。


平成23年10月4日


長 崎 県 議 会

(提出先)
長崎県知事     中村 法道  様



新たな離島振興法に関する意見書

 現行の離島振興法は、平成24年度末をもって期限切れとなる。
 昭和28年に、本県選出の故綱島正興代議士をはじめとした関係者のご尽力により、「本土より隔絶せる離島の特殊性よりくる後進性の除去」を目的に制定された離島振興法は、五次にわたる延長・改正とともに施策の充実が図られ、この間、公共投資による社会資本の整備など、離島の振興に大きな役割を果たしてきた。
 それでもなお、離島を取り巻く現状は、産業の低迷による雇用の場の不足や若年層をはじめとした人口流出に歯止めがかからないなど、近年特に厳しい状況が続いている。
 このため、本県においては、離島地域の振興を県政の最重要課題として、総合計画の中に政策横断プロジェクト「しまは日本の宝戦略」を定め、市町や住民と一体となって、しまの多様性を活かしながら地域の創意工夫による離島振興の取組を推進することとしている。
 しかしながら、本県の力、地元の努力だけではその実現に限界があり、これまでにない思い切った施策を国策として推進することが必要である。このため、高齢化への対応や環境・エネルギー対策など離島の特性を活かした先進モデル事業の推進、本土と同等以上の競争条件を確立し、離島の定住環境を整えるための離島航路の運賃低廉化やガソリン等燃油価格の引き下げ、税の軽減措置などの思い切った産業振興策、下水道等の必要な社会資本整備、医療・福祉・子育て・教育などの暮らしの充実、離島振興の新たな財源措置となる離島振興一括交付金や離島振興債、離島振興基金の創設などの振興策が求められるところである。
 離島は、我が国の領域、排他的経済水域の保全等の国家的役割や、豊かな自然環境等を有することによる国民的役割を担う、我が国にとってかけがえのない「宝」であり、離島が将来にわたりこれらの重要な役割を果たしていくためには、単に費用対効果のみを追求するだけでなく、離島の実情に応じたこれまでにない思い切った発想に立った抜本的な法整備を行うとともに、特に国境離島に対してはさらに強力な支援を講じることが是非とも必要である。
 よって、国におかれては、このような離島の厳しい現状や離島が担っている役割をご賢察いただき、単なる現行法の改正・延長にとどまらず、新たな視点に立った離島振興法の制定を図られるよう強く要望する。

 

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


平成23年10月4日


長 崎 県 議 会

(提出先)
衆議院議長     横路 孝弘  様
参議院議長     西岡 武夫  様
内閣総理大臣    野田 佳彦  様
総務大臣      川端 達夫  様
財務大臣      安住  淳  様
農林水産大臣    鹿野 道彦  様
国土交通大臣    前田 武志  様
内閣官房長官    藤村  修  様



私学助成制度の充実強化に関する意見書

 私立学校は、建学の精神に立脚し、新しい時代に対応した特色ある教育を展開し、公教育の発展に大きな役割を果たしている。
 しかしながら、私立学校の経営は、従来に例を見ない厳しい状況に直面しており、少子化による生徒数の大幅な減少等は、私立学校の存続をも大きく揺るがしている。
 また、「高等学校等就学支援金制度」の創設により、私立高等学校で学ぶ生徒の授業料負担の軽減が図られたものの、公私間の格差はむしろ拡大し、子どもたちの学校選択の自由、教育の多様性や機会均等を保障する意味からも、この改善は喫緊の課題である。
 公教育の将来を考えるとき、公私相まっての教育体制が維持されてこそ、健全な発展が可能となり、個性化、多様化という時代の要請にも応えうるものである。
 そのためには、私立学校振興助成法第1条に規定するとおり、教育条件の維持向上と保護者の経済的負担の軽減を図るとともに、私立学校の経営の健全性を高めていくことが強く求められている。
 よって、国におかれては、私立学校教育の重要性を認識されるとともに、教育費における公費支出や保護者負担の公私間格差が依然として著しい状況にかんがみ、現行の私学助成制度の一層の充実強化を図られるよう強く要望する。

 

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


平成23年10月4日


長 崎 県 議 会

(提出先)
衆議院議長     横路 孝弘  様
参議院議長     西岡 武夫  様
内閣総理大臣    野田 佳彦  様
総務大臣      川端 達夫  様
財務大臣      安住  淳  様
文部科学大臣    中川 正春  様
内閣官房長官    藤村  修  様



「子ども・子育て新システム」の導入に係る財源措置の明確化及び 子育て支援の充実を求める意見書

 政府は、7月29日の少子化社会対策会議において、「『子ども・子育て新システム』に関する中間とりまとめ」を決定し、「平成23年度中に必要な法制上の措置を講じることとされている税制抜本改革とともに、早急に所要の法律案を国会に提出する」との方針を示した。
 「子ども・子育て新システム」は、幼保一体化を含む今後の子ども・子育てを社会全体で支援する一元的な制度構築を目指しており、これまでの子育て支援の取組を大きく転換しようとするものである。
 しかしながら、新システム導入のために必要と言われている約1兆円の財源は明確になっておらず、円滑に新システムが導入できるのか懸念されるところである。
 また、新システムが導入されるか否かにかかわらず子ども・子育てを国民全体で支えていくことは当然であり、その財源確保は国の責任において行うべきである。
 よって、国におかれては、我が国の未来を担う子どもたちの健やかな育ちを保障し、子育て支援の充実が図られるよう、下記の事項について強く要望する。

 

  1. 「子ども・子育て新システム」の導入に当たっては、保護者及び保育所、幼稚園、放課後児童クラブ等の子育て関係者の意見を十分に尊重するとともに、早急に財源措置を明確にすること。また、実施に当たっては、子育て支援の質を確保すること。
  2. 「安心こども基金」の延長及び拡充等、子育て支援の充実に向けた地方の創意工夫が活かされるよう来年度の予算編成を行うこと。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


平成23年10月4日


長 崎 県 議 会

(提出先)
衆議院議長     横路 孝弘  様
参議院議長     西岡 武夫  様
内閣総理大臣    野田 佳彦  様
財務大臣      安住  淳  様
厚生労働大臣    小宮山洋子  様
内閣官房長官    藤村  修  様
少子化対策担当大臣 蓮   舫  様
国家戦略担当大臣  古川 元久  様



地域に必要な公共事業費の確保を求める意見書

 本年度の公共事業予算においては、前年度に比べ大幅に予算が削減され、必要とする予算の確保ができていない状況にあり、事業の完成時期の遅れや新たな事業に着手できないなどの影響が出ている。
 また、本県の公共事業予算は、平成10年度のピーク時に比べ約7割減少し、ここ2年間でも3割以上の減少となっている。
 こうした中、県内経済の活性化や県民生活の向上を図るための道路や農林水産業を支える基盤整備など、本県における社会資本の整備は未だ十分であるとは言えない。
 本来、こうした社会資本整備に必要な財源は、国においてしっかりと確保されるべきものである。
 よって、国におかれては、下記の事項について早急に実現を図るよう強く求める。

 

 

 

  1. 本年度の事業実施に必要な予算について、早急に補正し、予算の確保を図ること。
  2. 来年度以降の必要な公共事業予算についても、確保に努めること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


平成23年10月4日


長 崎 県 議 会

(提出先)
衆議院議長     横路 孝弘  様
参議院議長     西岡 武夫  様
内閣総理大臣    野田 佳彦  様
総務大臣      川端 達夫  様
財務大臣      安住  淳  様
農林水産大臣    鹿野 道彦  様
国土交通大臣    前田 武志  様
環境大臣      細野 豪志  様
内閣官房長官    藤村  修  様
行政刷新担当大臣  蓮   舫  様




地方消費者行政に対する国の実効的支援に関する意見書

 現在、国による地方消費者行政の充実策が検討されているが、他方で地域主権改革の議論が進む中で、地方消費者行政に対する国の役割・責任が不明確となることが懸念される。
 もとより、地方自治体が独自の工夫・努力によって消費者行政を充実させることは当然であるが、これまで消費者行政を推進する中央官庁が存在しなかったこともあり、消費者行政に対する地方自治体の意識や体制はあまりにも格差がある。加えて、地方自治体が担っている消費者行政の業務の中には、相談情報を国に集約するパイオ・ネットシステムへの入力作業や、違法業者に対する行政処分等、国全体の利益のために行っているものも少なからず存在する。現在、国からの支援として、地方消費者行政活性化交付金、住民生活に光を注ぐ交付金が存在するが、いずれも期間限定の支援に留まっており、相談員や正規職員の増員による人的体制強化等継続的な経費への活用には自ずと限界がある。
 したがって、国は地方消費者行政充実のために継続的かつ実効的な財政支援を行うべきである。
 あわせて、国は、小規模な市町村がよりスムーズに消費者行政の強化を行うことができるよう、都道府県と市町村とが広域的に連携する取り組み例を推進するなど、地方自治体にとって取り組みやすい制度設計を具体的に示すべきである。
 さらに、消費生活相談窓口を現場で担っている消費生活相談員の地位・待遇も、期限付きの非常勤職員の扱いが大半であり、その地位の安定と専門性の向上を図ることが困難な状況にある。その待遇も、消費生活相談業務の専門性に見合ったものとは言い難い現状にある。住民が安心して相談できる消費生活相談窓口を実現するためには、消費生活相談員の専門性の向上とともに、その地位の安定、待遇の改善に向けた制度の整備も重要である。

 よって、国におかれては、地方消費者行政の支援について次の事項を強く求める。  

 

 

 

1 実効的な財政措置
 国は、地方自治体の消費者行政の充実に確実につながるよう、地方消費者行政活性化基金等の延長も視野に入れつつ、一定の幅を持たせながらも、使途を消費者行政と明示した継続的かつ実効的な財政支援を行うこと。

 

2 地方自治体にとって利用しやすい制度枠組みの提示
 すべての地方自治体が身近で専門性の高い消費生活相談窓口を消費者に提供するという観点から、国は、あるべき相談窓口の姿について一定の目安を提示するとともに、これを単独で実現することが困難な小規模自治体も多数存在することから、都道府県と市町村とが広域的に連携して相談窓口を設置する方策など、地方自治体にとって利用しやすい制度枠組みを提示すること。

 

3 消費生活相談員の地位・待遇の向上を可能とすることができる任用制度の創設
 消費者が安心して相談できる消費生活相談窓口の充実・強化を図るため、相談を担う専門家である消費生活相談員を含め、常勤はもちろん、非常勤の立場であっても、専門性に見合った待遇のもとで安定して勤務できる専門職任用制度の整備を行うこと。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


平成23年10月4日


長 崎 県 議 会

(提出先)
衆議院議長     横路 孝弘  様
参議院議長     西岡 武夫  様
内閣総理大臣    野田 佳彦  様
総務大臣      川端 達夫  様
財務大臣      安住  淳  様
内閣官房長官    藤村  修  様
消費者及び食品安全担当大臣 山岡 賢次  様



円高・デフレ対策の早期実施を求める意見書

 我が国は、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故によって、未曽有の被害を受けた。その本格的な復旧・復興は、我が国全体の喫緊の課題である。
 長崎県内の景気は、大震災の発生に伴い下押しされた後、持ち直しの動きがみられるが、欧米の債務問題や世界経済の減速懸念といった海外要因を背景に1ドル70円台という記録的な水準の円高が続いており、先行きの不透明感が高まっている。
 円高傾向が続けば、企業が海外に生産拠点を移すことは明白であり、雇用・産業の空洞化が懸念される。地域経済に与える影響は甚大であるため、一刻も早い円高・デフレ対策が求められる。
 よって、国におかれては、日本経済全体の復興が被災地の復興につながることを念頭に、下記の事項について早急に実現を図るよう強く要望する。

   

 

 

  1. 国際的な協調の下、円売り・ドル買い介入を行うこと。
  2. 日本経済全体を底上げするための景気対策・防災対策のための必要な公共事業の推進等を含めた補正予算を早急に編成、執行すること。
  3. 法人実効税率の引き下げを図ること。
  4. 中小企業の資金繰り対策の拡充等、円高の痛みを直接受ける企業への支援策を打ち出すこと。
  5. 地域の雇用を維持し確保するために、緊急雇用創出事業臨時特例交付金及びふるさと雇用再生特別交付金制度を拡充すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


平成23年10月4日


長 崎 県 議 会

(提出先)
衆議院議長     横路 孝弘  様
参議院議長     西岡 武夫  様
内閣総理大臣    野田 佳彦  様
総務大臣      川端 達夫  様
財務大臣      安住  淳  様
経済産業大臣    枝野 幸男  様
内閣官房長官    藤村  修  様
国家戦略担当大臣  古川 元久  様




漁業用軽油にかかる軽油引取税の免税措置の継続に関する意見書

 長崎県の水産業は、広大な漁場と地域特性を活かしながら、国民に高品質で安全・安心な水産物を供給しており、極めて重要な役割を果たしている。
 しかし、生産者である漁業者の多くは、経営規模が零細で、就業者の高齢化や魚価の低迷、燃油資材価格の高騰など厳しい経営状態に置かれている。特に離島においては、輸送コスト等の価格転嫁も難しく、極めて困難な経営状況にある。
 平成23年度までとされている軽油引取税の免税措置が廃止されれば、漁業者の経営に大きな影響を与え、深刻な事態となりかねないものである。
 よって、国におかれては、水産業の保護や漁業者の経営の安定化を図るため、水産業に係る軽油引取税の免税措置を継続するよう強く要請する。

   

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


平成23年10月4日


長 崎 県 議 会

(提出先)
衆議院議長     横路 孝弘  様
参議院議長     西岡 武夫  様
内閣総理大臣    野田 佳彦  様
総務大臣      川端 達夫  様
農林水産大臣    鹿野 道彦  様
内閣官房長官    藤村  修  様



諫早湾干拓事業の潮受堤防排水門の開門問題に対する国の対応に抗議する決議

 諫早湾干拓事業の潮受堤防排水門の開門に係る環境アセスメントについて、去る6月10日に国の準備書(素案)が公表された。
 この準備書(素案)では、開門を行ったとしても、影響はほぼ諫早湾内に止まり、有明海全体に変化は見られないとの結果であり、有明海再生につながる具体的な効果はなく、「有明海再生を目指す観点から総合的に判断した」として開門を受け入れた国の判断は事実に基づかないことが明らかになった。
 また、国は、地域の防災、農業、漁業等に対する開門の影響・被害を防止するための「万全の事前対策を講じる」としながら、示された対策は到底万全だとは言い難いものであり、本県議会として、去る7月19日、「国営諫早湾干拓事業潮受堤防排水門の開門反対及び開門実施方針の見直し等を求める意見書」を可決し、開門方針の見直しを求めたところである。
 この環境アセスメント準備書(素案)は、開門に伴う地元の生活に直結する重大な問題を含むことから、本県及び地元関係者が国に対し意見書を提出し、去る9月23日の意見交換会において、鹿野農林水産大臣から、この意見書に対する国の回答の説明があった。
 しかしながら、国からの説明は、アセス準備書(素案)やこれまでの国の説明の域を超えるものではなく、本県議会の意見を斟酌することなく、意見を寄せた地元の実情も全く理解されていないと言わざるを得ないものである。
 防災面では、準備書(素案)において、調整池の本流である本明川の整備水準の「100年に1度の降雨」ではなく、「30年に1度の降雨」に整備水準を下げて対策が検討されていることに対して、昭和32年の諫早大水害などの災害を経験し不安を抱える地元から疑問を呈する意見が出されたにもかかわらず、対策の見直しもなされていない。
 また、農業面においても、地下水利用に伴う水量確保や地盤沈下の問題、具体的な塩害・潮風害の発生に対する対策の問題等について、農業の生命線であるにもかかわらず真摯に検討されているとは言えない。
 さらには、漁業面においても、全開門の場合は国が示す対策としての護床工を行ったとしても濁りの発生を防止することはできず、また、最も流速の影響の少ないケース3−2でさえ漁業被害の危険があるとされているが、これらに対する対策は今回も全く示されておらず、到底受け入れられるものではない。
 そのほか、意見交換の中でも、地元の実情や不安を聞き入れず、万全の事前対策が示されていないことについて、地元からは具体的な問題を指摘し、開門を懸念する切実な意見が出されたが、鹿野大臣は「地元の意見を伺いながら、防災、農業、漁業に対して万全の対策を講じる必要がある」との回答を繰り返すに過ぎなかった。
 こうした中、大臣から、平成14年の短期開門調査と同じケース3−2の開門方法を基本として開門を進めたいと、一方的に、アセス検討の議論を全く無視した唐突な発言が行われ、十分に地元関係者の意見を聞くこともせず、意見交換が打ち切られたところである。これは、地元の意見に対して真摯に耳を傾けることなく、一方的に開門を進める姿勢を示したものであり、極めて問題である。
 本県議会としても、昨年12月7日に「諫早湾干拓事業工事差止等請求事件の上訴に関する意見書」を、12月16日に「福岡高裁判決に対する国の上訴放棄に抗議する決議」をそれぞれ可決し、地元とともに、再三にわたり国に対し、上訴した上で、客観的・科学的な環境アセスメントにおいて慎重に開門の判断をすべきことを申し入れたにもかかわらず、地元の意見を無視して、国は自ら開門の義務を負うことにしたのである。これを理由に地元に開門を承服してくれというのは、到底受け入れられるものではない。
 そもそも、環境アセスメントは、未だ、準備書(素案)の段階であり、その結論が出ていないにもかかわらず、何故、開門方法を決定できるのか、国の対応について、到底、誠意ある対応とは言えず、地元関係者の信頼を大きく損ねるものであり、誠に遺憾である。

 以上、国自身の環境アセスメント準備書(素案)でも、開門が有明海再生につながらないことが明らかにされたことを踏まえ、真摯に開門方針を見直すよう強く抗議する。

 

 以上、決議する。


平成23年10月4日


長 崎 県 議 会

(提出先)
衆議院議長     横路 孝弘  様
参議院議長     西岡 武夫  様
内閣総理大臣    野田 佳彦  様
農林水産大臣    鹿野 道彦  様
内閣官房長官    藤村  修  様



森林整備加速化・林業再生事業の継続を求める意見書

 森林は、国土の保全や水源のかん養、地球温暖化防止など公益的な機能を有しており、同時に森林から生産される木材は環境にやさしい再生可能な資源として、その利用拡大が期待されている。
 しかしながら、森林・林業・木材産業を取り巻く状況は依然として厳しく、林業採算性の低下から必要な施業が行われず、公益的機能の持続的発揮にも支障をきたすことが危惧されている。
 このような中、国においては「森林・林業再生プラン」を策定し、林業の再生に向け、森林施業の集約化や路網の整備、必要な人材の育成などを集中的に行うこととしている。
 本県においては、平成21年度に国において創設された3年間の基金事業である「森林整備加速化・林業再生事業」を活用し、川上から川下に至る関係者が一体となって間伐の実施や路網の整備、高性能林業機械の導入、加工流通体制の整備、木造公共施設等の整備、県産材の利用拡大等、林業再生の実現に向けた取組を進めているところである。
 しかしながら、同事業は平成23年度で終了することになっており、このまま事業が終了すれば、ようやく進み始めた林業再生に向けた取組は減速され、「森林・林業再生プラン」の効果的な実施にも影響を及ぼすことが懸念される。
 本県の林業再生や、「森林・林業再生プラン」に掲げた木材自給率50%の実現、さらに東日本大震災の復興にも必要とされる木材の安定供給を全国規模で進めるためには、地域の創意工夫による弾力的かつ機動的な取組を可能とするこの基金事業は今後とも不可欠である。
 よって、国におかれては、今後の予算編成に当たり、基金事業である「森林整備加速化・林業再生事業」を継続するとともに、森林・林業の再生に必要な安定的な財源を確保するよう強く要望する。

 

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。


     

平成23年10月4日


長 崎 県 議 会

(提出先)
衆議院議長     横路 孝弘  様
参議院議長     西岡 武夫  様
内閣総理大臣    野田 佳彦  様
財務大臣      安住  淳  様
農林水産大臣    鹿野 道彦  様
内閣官房長官    藤村  修  様



梅屋庄吉の顕彰に関する意見書

 長崎県と中国は一衣帯水の関係にあり、古くから様々な交流が行われてきたが、今年は、中国の近代化の出発点となった辛亥革命から100周年に当たる。
 孫文は、この革命の指導者であり、中国革命の父と言われ中国国民から広く尊敬されている。
 長崎県出身の実業家である梅屋庄吉は、1895年に香港で孫文と運命的な出会いを果たし、アジア人のためのアジアを築くという孫文の理想に深く共感し、「君は兵を挙げたまえ、我は財をもって支援す」と盟約を結び、以降、何の見返りも求めることなく、生涯にわたって物心両面から彼を支援しつづけた。孫文を支援した日本人は200人とも300人とも言われているが、梅屋庄吉は、その妻梅屋トクとともに孫文やその妻宋慶齢と国境を越えた真の友情で結ばれた数少ない人物の一人である。
 二人が理想と掲げた日中友好の精神を受け継ぎ、アジアの平和を希求し共に発展していくためには、明日を担う若い世代に孫文と梅屋庄吉の友情や功績をしっかりと伝えていくことが必要と考える。
 よって、国におかれては、明治から昭和初期に我が国とアジアの友好の架け橋となり大きな働きをした梅屋庄吉を学校における歴史教育等においてとりあげるなど、歴史的な評価をされるよう強く要望する。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

平成23年10月4日


長 崎 県 議 会

(提出先)
衆議院議長     横路 孝弘  様
参議院議長     西岡 武夫  様
内閣総理大臣    野田 佳彦  様
文部科学大臣    中川 正春  様
内閣官房長官    藤村  修  様



 

 

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