- 著作権法は強力な法律、著作権は強力な権利であるが、ほとんどの国の図書館内で、著作権者の権利を制限し、一般の人が著作物を利用しやすい形にしている。つまり、図書館に特権を付与していることが、図書館の無料の原則と関連していると言える
- 民主主義を支えるためには、情報や知識にアクセスする権利や平等にアクセスできる環境が整備されなければならないと言われているが、それを図書館が担っているということが非常に大きなポイントである
- 民主主義というのは、自己判断・自己責任の上に成り立つと思うが、自己判断の材料になる情報が自由に平等に提供されてこそ、民主主義は成立する
- 自由主義経済というのも、平等のアクセス権が保証されないと成り立たない
- 放送・出版の自由と知る権利は基本的人権だが、この2つが別々では成り立たない。この2つを結ぶシステムの一つとして図書館があり、これが無料ということでこれらの権利は公的に保証されていると言える
- 図書館の無料の原則・誰でも情報にアクセスできる環境というものの意味は、知識・情報は万人のものだということを具現化しているということである
- 図書館が万人に公開されているということの真の意味は、知識・情報は万人のものであり、図書館はそれを担保するシステムの一つであるということである
- 知識・情報が万人のものであるということは、知識・情報は全ての人に共有化されているということである
- 情報の共有化というものは、国家の安全保障にかかわる問題であり、そういう大きな問題と図書館の無料の原則は結びついている
- 視覚障害者の方が、仕事や生活に直結する必要な情報を得るという意味で、読書権は生存権であると言ったことがあるが、そういうことと図書館の無料の原則を一緒に考えると分かりやすいのではないか
- 無料の原則のもう一つの側面として、例えば、貧乏な作家が先人の作品を読んだり、売れない音楽家が過去の楽譜を見たりといった、知的再生産の担保というものがある。これは、古今東西普遍的なものであり、この意味においても、万人に図書館が公開されなければならないと言える
- アメリカのフリーウェイの発想は、とにかくただで走らせて、その結果経済活動を活発にさせて、そこから税金を取るという考え方だと思うが、図書館も無料で開放することで、経済活動なり、人間の活動なり、トータルで結果を出していくものだと思う
- 再挑戦可能な社会というのが健全な社会と言われるが、再挑戦するには情報が不可欠であるし、その情報が潤沢に提供される環境が必要である
- 必ずしもお金がある人が優秀とは言えず、収入が少ない人にも優秀な人はたくさんおり、そのような人にも情報を提供し、その人が自己実現することを通じて社会が豊かになるという発想が健全だと思う
- 収入のあるなしに関わらず、情報・知識が提供される仕組みを具現化しているのが、公立図書館の無料の原則といえる
- 図書館利用者は、本を買わないと思われがちだが、いくつかの調査では、図書館を利用している人ほど本を購入しているという結果がでており、本を購入しているが、それ以上に読みたい本、必要な本を図書館で借りる人が多いと思われる。これは、買える範囲で手に入る情報・知識では足りず、足りない部分を図書館で補っているということである
- 仕事や生活上の課題を解決するのに役立つのは、専門書で1冊2万円〜5万円するような本であり、そのような図書を個人が買うわけがなく、図書館で借りているという状況がある
- 出版物は、在庫にも税金がかかるので短期間で廃棄されており、日本の文化がどんどん廃棄されているということになる。これを図書館が保存することで、日本の文化の保存にもつながる
- アメリカなどでは、非常に高価な有料のデータベースを、市民が無料で利用できるという環境が既に一般的である。今後、無料の原則については、本だけでなく、有料のデータベースを住民が利用できることを担保していくことが、非常に重要である
|