いろいろと面倒な手続きが必要なわけですが、私権を制限するからには、これぐらい慎重に進めなければならないのです。
1本の道路を決めようとする場合を考えてみましょう。ある道路がその都市にとって必要なものであることは住民の誰もが認めているとします。しかし、実際にその道路をどこに通すかということになると、「私の土地は通さないでくれ」、「私の家がかかるのはイヤだ」とか、逆に「私の家の前に通してくれ」などといろいろな意見や要望が出て、とても簡単に調整できるものではありません。
そこで都市計画では、行政が様々な観点から検討して最良と判断される案を作成し、それを住民に提示して意見を聞きます。そして必要ならば案を修正し、最終的には学識経験者や議会の代表などで組織する都市計画審議会に付議して決定する、という一見煩雑なようでも公正を期した決め方するのです。
大事なのは「公正な決め方をする」ということです。それゆえに行政の側に立つものは、都市計画決定の重みというものを十分に認識しなければなりません。
「事業実施の段階で支障が出てくれば変更すればよい」などという軽々しい考えは言語道断です。
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