魅力あるダム環境

水源地域対策特別措置法

石木ダムは水源地域対策特別措置法のダムの指定を受けています。

水源地域対策特別措置法(水特法)とは

 ダム建設によって周辺地域の生産機能や生活環境等が著しい影響を受けるため、その影響を緩和するための各種の対策を講ずることによって、関係住民の生活の安定と福祉の向上を図り、もってダム建設を促進することを目的としています。

○石木ダムが指定を受けるに至った経緯

 水源地域対策特別処置法は、建設するダムによって、その周辺地域の生産機能及び生活環境等が著しい影響を受けるため、その影響を緩和するための各種の対策を講ずることによって関係住民の生活の安定と福祉の向上を図り、もってダムの建設を促進することを目的としています。これらの対策を短期間に集中的に実施するために、国庫補助事業の優先的な採択、関係受益者による整備事業費の一部負担などの特例措置があります。
 石木ダムは昭和57年12月にダムの指定を受けており、平成13年3月に「石木ダム周辺整備構想検討委員会」から、水源地域整備の基本理念や施策の方向性について提言を受けています。今後、この提言を踏まえ川棚町、地域の方々と話し合いを行い、水源地域整備計画を策定し、具体的な整備を行っていきます。

○この法律の事業内容

 ダム建設によって基礎条件が著しく変化する地域について、関係住民の生活の安定や福祉の向上を図るために生活環境、産業基盤等を整備することができます。これによって水源地域の活性化が図られ、地域住民に対してダム建設による間接的な利益をもたらすことになります。
 「指定ダムに係る整備事業」としては、土地改良事業、治山事業、道路の整備・下水道の整備・自然公園の保護又は利用のための施設の整備・スポーツ又はレクリェーションの用に供する施設の整備に関する事業等があります 。

整備メニューを抽出するために下記のような検討が行われています。

石木ダム周辺整備について(基本理念)[PDFファイル/129KB]

「石木ダム水源地域まちづくり委員会」について[PDFファイル/105KB] 

○この事業のメリット

主なメリットとしては、国庫補助事業の優先的な採択、下流受益者による整備事業費の一部負担制度、昭和60年度以降の国庫補助率のカットに対する特例措置等があります。 

 石木ダム環境への配慮

1.環境影響評価の実施

石木ダムでは、平成20年3月に長崎県環境影響評価条例に基づく環境影響評価を行っています。

○環境影響評価の実施

○環境影響評価の総合評価

 大気汚染や水質汚濁などの調査及び予測により、環境保全措置を検討した結果、事業の実施による環境への影響は、実行可能な範囲内でできる限り回避、または、軽減され、必要に応じ、その他の方法により、環境の保全についての配慮が可能であると評価しています。また、選定した項目に係る環境要素は、環境基準等と整合が図られていると評価しています。

 石木ダム建設にあたっては、環境に配慮して事業を進めていきます。

2.環境保全措置及び配慮事項

 石木ダムでは、環境影響評価の結果を踏まえ、次のような保全措置や配慮を行いながら、事業を進めていきます。
 なお、具体的な保全対策は、学識者や専門家の指導、助言を受けながら取り組んでいきます。

1.大気環境(大気汚染・騒音・振動など)への配慮

 工事中において、定期的な散水、工事用車両タイヤの洗浄、建設機械の複合同時稼動・高負荷稼動の回避、低騒音型機械の使用等を実施します。 

2.水環境(水質など)への保全措置

 選択取水設備や曝気循環施設を設置し、水質の保全に努めます。 

3.生物に係る環境(動物・植物など)への保全措置

 生息地の一部が無くなる貴重な動物や植物は、学識者の指導、助言を受けながら、移植等を行います。 

  

これらの貴重な動植物を事業区域外に移植して保全を行います。

4.人と自然・文化的環境(景観、歴史的文化的環境など)への配慮

 八武岩板碑(石塔)等の文化財については、関係機関等と協議を行い、移設や記録保存等の実施可能な範囲内でその保全対策に努めます。 

5.環境負荷(廃棄物)への配慮

 工事の実施により、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊、脱水ケーキや、伐採木が発生するため、これらの再利用に努めます。 

3.具体的な取り組み

-貴重な植物の保護-

 事業の実施により、生息地が直接改変されることになる重要な植物について、その保全措置として事業実施区域外へ移植を行い、保護します。
 移植に際しては、学識者や専門家の指導、助言を受けながら、具体的な保全対策に取り組んでいきます。
 平成21年度から平成24年度末までに7種の重要な植物(ヒメウラジロ、オオバウマノスズクサ、ツクシアオイ、ミズマツバ、ツクシトウキ、カワヂシャ、エビネ)の移植を行い、モニタリングを継続しています。
 また、環境影響評価後に確認されたエビガラシダについても、平成21年度に移植を行い、モニタリングを継続しています。

【移植の事例】

1,ヒメウラジロ移植前

 

2,採取状況

 

3,移植後

1,エビネ移植前

 

2,採取状況

 

3,移植後

 

-貴重な動物の保護-

 事業の実施により、生息地が直接改変されることになるゲンジボタルやトンボ類の重要な動物4種について、その保全措置として事業実施区域外へ移植等を行い、保護します。
 平成21年度から平成24年度末までに分布状況と生息環境の調査を行っており、今後、学識者や専門家の指導、助言を受けながら、移植適地へ順次移植を行います。

ゲンジボタルの調査】

幼虫の個体数調査

ゲンジボタルの幼虫

成虫の個体数調査

ゲンジボタルの成虫

【トンボ類の調査】

成虫の個体数調査

幼虫の個体数調査

トンボ類の幼虫

-歴史的文化環境等への配慮- 

 事業実施区域内の歴史的文化環境については、関係機関や地元の方と協議を行い、移設や記録保存等により、保全対策に努めることとしています。
 事業実施区域内に存在して消失が予想された八武岩板碑(石塔)については、事業実施区域外へ移設しています。

【八武岩板碑(石塔)の移設】

移設前

移設後

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