長崎県

Vol.159 中国 張鈴(チョウ リン)


2017年12月1日更新

ニーハオ!お元気ですか。

ずいぶん寒くなりましたね。名古屋に留学していた時、冬になると、灯油屋さんのトラックが「雪やこんこ あられやこんこ」の音楽を流しながら街を回っていました。長崎ではこのような歌はあまり聞こえてきませんが、やはり石油ストーブで部屋を暖かくする家もあるでしょう。一方、中国では石油ストーブが極めて少ないです。室内で灯油を燃やすのは危ないじゃないかと思う人がいるからかもしれません。では、中国の人々はどのように暖をとるかというと、南部(私のふるさとの上海や南京、杭州など)はエアコンや電気ストーブで、北部(北京や大連、青島など)は「集中供暖」(集中暖房の供給、セントラルヒーティング)という方式が代表的です。今回は集中暖房の供給について紹介します。

集中暖房の供給は、簡単にいえば、工場で石炭や天然ガスを燃やしたり電気を使ったりして、集中的にお湯を作って、パイプで町の各建物の各部屋にお湯の形で熱を届けるシステムです。農村部には「オンドル」(「オンドル」は韓国国際交流員のソンさんがVol.150で韓国のオンドルを紹介しましたが、中国の北部にもあります。)が残っているところがありますが、町には集中暖房が供給されます。

集中暖房システムを示す

集中暖房の供給システム

(外部サイトへ移動します:http://m.zol.com.cn/article/6158368.html

北部の建築の室内に必ず下のようなものを見かけます。それが集中暖房の端末ともいえる、「暖気片」です。壁にはめられて移動できないので、集中暖房は壁暖房とも言えるでしょう。

集中暖房の端末

「暖気片」

(外部サイトへ移動します:https://www.amall360.com/l/news_2107_28.html

似たような装置は日本の北海道の一部にもあるそうです。見た目は違いがありませんが、スケールが違います。北海道のセントラルヒーティングのシステムは家ごとに設置されますが、中国では、一つの工場が地下にあるパイプを通して団地、範囲が広い場合は町のすべての建物に熱を届ける場合もあります。

集中暖房の供給の設置は1950年代の建国初期に遡ります。中国がインフラを大量建設する際、北部は寒くて、石炭や天然ガスを集中して燃やしたほうがより経済的で、効率的だという考慮で、北部に限って設置されてきました。ちなみに、北部とは一応、秦嶺-淮河より北の地域と定義されました。

北は暖気を供給し、南は供給しません。

 

集中暖房の供給がある北部(橙色)とそうではない南部

(外部サイトへ移動します:http://hvdc.chinapower.com.cn/news/1037/10370944.asp

集中暖房の供給時期は地域によりますが、北京だと、ほぼ毎年の11月から翌年の3月までです。集中暖房の供給が始まると、北部の人々は室内にTシャツ一枚で過ごすことができるし、外に出る際はダウンコート一枚羽織ればいいほど快適だそうです。一方、南部の人はエアコンなどを各自購入して暖めるしかありません。南部と北部の冬の生活はまさに下のイラストで表現されています。

南部の人は布団の中で震えて、北方の人はアイスを食べる冬

 

布団の中で震える南部の人とアイスを楽しむ北部の人

(外部サイトへ移動します:http://info.jjcn.hc360.com/2014/11/281649164962.shtml

近年、冷たい空気が中国南部にも頻繁に流れ込んで、雪害までもたらしています。南部も集中暖房を設置しようと主張する人が多くなってきました。ただ、簡単な話ではないからこそ、なかなか決着が着きません。多くの論点があります。ひとつは、環境に対する配慮です。毎年の冬中国を襲ってくるPM2.5スモッグは集中暖房の工場と関わりがあると思われます。これ以上工場を新築することが望ましくありません。もうひとつは、やはりコストです。南部の風向きや建築の構造や保温機能が集中暖房の効果を低くします。また、使用者は、お湯がいつも供給されるため、暖房を使わなくても(部屋が空いていても)、使用料金を払わなければなりません。そうすると、金とエネルギーの無駄使いが発生します。

それでも、南部の冬は確かに寒いです。毎年の冬、北部から南京や上海の大学に進学した青年が南部の寒さに耐えられなくて実家へ戻りたがるという逸話を耳にします。それを聞いて笑いながら、集中暖房をもつ北部の人々を実にうらやましく思います。 

2017年11月24日

 

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