私たちの脳は、「記憶する」「計画を立てる」「感情をコントロールする」「集中する」などといった、人間らしく生きるための高度な機能を持っています。
脳卒中になったり、事故に遭ったりして、脳にダメージを受けると、この高度な機能が正常に働かなくなり、日常生活や社会生活に支障をきたす場合があります。これを高次脳機能障害といいます。
高次脳機能障害は外見では判断しにくいことが多く、本人も気づきにくく、周囲に理解されにくいことがあります。
脳卒中になったり、事故などに遭った後、以前と違い以下のような症状などでお困りの方はお問い合わせください。
高次脳機能障害の主な症状
障害名をクリックすると、それぞれの説明に移動します。
この他に易疲労性(疲れやすい)、病識の低下も特徴として挙げられています。
記憶障害
新しい情報を取り入れ、覚え続けたり、思い出すことが難しくなる状態です。どちらかというと、昔のことは憶えており、新しく取り入れた情報を覚え続けることが難しくなります。
例 | 対応のヒント |
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注意障害
多くの情報が同時に入ってきた場合、必要な情報に注意を向けることや振り向けた注意を一定時間持続すること、また複数の事に注意を配ることが難しくなる状態です。
例 | 対応のヒント |
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遂行機能障害
作業や行動を効率的に実行するために計画を立て、進行状況によって計画を修正することが難しくなります。同じ事を繰り返したり、作業手順がわからなくなったり、見通しをもった作業や行動を実施することが難しくなる状態です。
例 | 対応のヒント |
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社会的行動障害
意欲の減退や依存的行動、怒りなどの感情コントロールの困難さなど、受傷前または病前とくらべ性格が変わってしまった。もしくは、変わったような感じがするという状態です。
例 | 対応のヒント |
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易疲労性
脳に酸素が供給されにくくなったために生じる症状です。
例 | 対応のヒント |
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病識の低下
自分の症状を実感しにくい状態です。
例 | 対応のヒント |
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高次脳機能障害を引き起こす傷病・疾病とは
- 脳血管疾患:くも膜下出血、脳出血、脳梗塞など
- 外傷性脳損傷:交通事故、転落事故など
- 低酸素脳症:循環器疾患等にて、脳に酸素が供給されなくなたことによる
- 脳腫瘍術後
- 脳炎・脳症
高次脳機能障害とは何が問題
- 身体の障害はどこが障害なのか、本人も周囲も分かります。しかし、高次脳機能障害は、見た目には障害がないようにみえるため、なかなか周囲の理解が得られません。また、以前からの知り合いには「人が変わった」「怠け者になった」「不真面目だ」などと受け取られてしまいます。それにより、就学や就労といった社会参加を妨げてしまう場合があります。
- 周りの人が障害の事を知らずに、本人に過度の期待を抱いたり、接し方を間違えたりして問題が大きくなることもあります。
- 障害のあらわれ方は人それぞれで、障害の程度を把握するのに時間がかかったり、見逃されることがあります。その結果、支援の遅れや孤立に繋がってしまいます。
高次脳機能障害がある人って何人ぐらいいるの?
長崎県内での年間推定発症者数(18歳以上65歳未満)
114人から125人(長崎県福祉保健部障害福祉課 報告)
全国での高次脳機能障害者推定総数
年齢層 | 推定総数 |
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全年齢 | 約30万人 |
18歳以上65歳未満 | 約7万人 |
(厚生労働省 報告)
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