児童福祉法等一部改正の背景
児童相談所への児童虐待の相談対応件数は増加の一途をたどっており、子どもの命が失われる痛ましい事件が続いています。この中には、保護者が「しつけ」と称して暴力・虐待を行い、死亡に至る等の重篤な結果につながるものもあります。
こうしたことを踏まえ、児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律において、体罰が許されないものであることが法定化され、令和2年4月1日から施行されました。
今回の法改正による体罰禁止は、親が、痛みや苦しみを利用して子どもの言動を統制するのではなく、体罰等によらない子育てを推進するため、子育て中の保護者に対する支援も含めて社会全体に啓発していくことを目的としています。
厚生労働省による「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」において、「体罰」の範囲やその禁止に関する考え方、体罰等によらない子育ての推進策等がとりまとめられ、ポスター、パンフレット、リーフレットが作成されています。
体罰等によらない子育てのために(みんなで育児を支える社会に)[PDFファイル/519KB]
体罰等によらない子育てのために(ポスター)[PDFファイル/662KB]
体罰等によらない子育てのために(パンフレット)[PDFファイル/3MB]
体罰等によらない子育てのために(リーフレット)[PDFファイル/1MB]
しつけと体罰について
- 「しつけ」とは
子どもの才能等等を伸ばし、社会において自律した生活を送れるようにすること等の目的から、子どもをサポートして社会性を育む行為です。
- 「体罰」とは
しつけのためだと親が思っても、身体に、何らかの苦痛を引き起こし、又は、不快感を意図的にもたらす行為(罰)である場合は、どんなに軽いものであっても体罰に該当し、法律で禁止されています。
- 言葉で3回注意したけど言うことを聞かないので、頬を叩いた。
- 大切なものにいたずらをしたので、長時間正座させた。
- 友達を殴ってケガをさせたので、同じように子どもを殴った。
- 他人のものを取ったので、お尻を叩いた。
- 宿題をしなかったので、夕ご飯を与えなかった。
- 掃除をしないので、雑巾を顔に押しつけた。
なぜ体罰をしてはいけないのか
- 体罰等が子ども与える悪影響
体罰等が子どもの成長・発達に悪影響を与えることは科学的にも明らかになっており、体罰等が繰り返されると、心身に様々な悪影響が生じる可能性があることが報告されています。
- 子どもが持っている権利
大人に対する叩く、殴る、暴言を言う等の行為が人権侵害として許されないのと同様に、子どももまた、尊厳を有する人権の主体であり、叩く等の行為は人権侵害として許されません。
- 体罰等による悪循環
叩かれたり怒鳴られたりすると、大人への恐怖心等から一時的に言うことを聞くかもしれませんが、これは、どうしたらよいのかを自分で考えたり、学んでいるわけではありません。そのため、根本的な解決にはならず、むしろ子どもに暴力的な行動のモデルを示すことになります。つまり、自分も周りの人に対して同じように振る舞ってよい、と子どもが学ぶきっかけにもなり得ます。
体罰等によらない子育てのために
困ったときの相談先として、お住まいの市区町村の子育て相談窓口や保健センター等があります。また、市区町村の実施している乳幼児健診等の健診時や、乳幼児全戸訪問等の機会にも相談することができます。
児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)、児童相談所相談専用ダイヤル「0120-189-783(いちはやく・おなやみを)」等も利用が可能です。
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- こども家庭課
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