長崎県メディカルコントロール協議会

ポスター(気管挿管実習にご協力をお願いします)

メディカルコントロールとは?

出動した救急隊と救急医師との情報交換を密に行って、患者の状態に応じた適切な処置を行いつつ病院に搬送できること、および、本当に的確に救急業務が行われていたか、問題がなかったか、を医師がシッカリと見て指導しておく必要がでてきます。このことを「メディカルコントロール」と言います。

メディカルコントロールの内容は大きく3つあります。

  1. 救急救命士が、少しでも早く医師の指示が受けられるようにすること
  2. 救急救命士の医療行為を、医師が専門的に検証すること
  3. 救急救命士への医師による教育を進めること

長崎県では、これら3つをシッカリと行うために、平成15年3月に「長崎県メディカルコントロール協議会」と県内7地域(長崎・県北・県央県南・下五島・上五島・壱岐・対馬)に「地域メディカルコントロール協議会」が設立されました。
この協議会は、医師と消防の救急責任者及び県行政機関が参加しており、上記の3項目をはじめとする救急活動が円滑に行うことができるよう関係機関が相互に協議を深める場であると言えます。

救急救命士とは?

救急業務が消防の任務とされたのは昭和38年(1963年)のことでした。以来、消防の救急隊は、病人やけが人(傷病者)を病院まで運ぶことを主な任務としてきましたが、医療行為を行うことはできませんでした。(医療行為は医師や看護師等にのみ認められていました。)

しかし、生命の危機にある傷病者に対しては、病院へ到着するまでに救急隊員による一定程度の医療行為が必要である、という声が段々と高まり、平成3年(1991年)、救急救命士制度が成立しました。

救急救命士は、病因病院まで救急で搬送する間に、脈拍も呼吸も止まってしまった人に対して、高度な救急救命処置を行うことができます。

高度な救急救命処置とは、

  1. 除細動(心臓への電気ショック)
  2. 静脈への輸液
  3. 特定の器具を用いた気道確保

の3つの医療行為を指します。

いずれも、救急自動車に必要な資機材を積載し、医師の具体的な指示(除細動は除く)を受ける体制ができていなければなりません。

写真(長崎県消防学校における気管挿管講習実施状況)

長崎県消防学校における気管挿管講習実施状況

 平成17年4月末現在、長崎県内消防本部の救急救命士資格を持つ職員は172人、県内70救急隊のうち38隊で救急救命士が活躍しています。毎年、20人前後の消防職員が半年間の厳しい教育を受けた後に国家試験を合格して救急救命士になっています。 

 

救命率とは?

心臓や呼吸が止まった(心肺停止した)人をそのままにしておくと、100%助かりません。
心肺停止した人にどのような処置をしたらより効果的なのか?を調べるため、心肺停止して「1ヶ月後の生存率」を「救命率」として使用しています。

データの残る過去9年間(平成7~15年)の長崎県内の「救命率」(=1ヶ月後の生存率)を見てみると、心肺停止した人に対して、そばにいた家族・住民が応急手当てした場合の救命率は4.0%、何もしなかった場合は2.2%。実に倍近い差が生まれています。また、救急救命士が何らかの処置をした場合の救命率は5.7%、一般救急隊員による場合は3.1%と、こちらも明らかに違いが見て取れます。心肺停止の人に何が必要なのかが、ハッキリと判ります。

ところで、救命先進国と言われる欧米諸国の救命率は約10~20%と言われていますが、日本の救命率は4%前後、長崎県内では約3%前後にとどまっています。救命率を上げるには、住民・救急隊・医師が一体となって最大限の努力をすることが必要なのです。

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