巌立神社は岐宿町の中心、岐宿郷の平坦地にあって、回りの大半は畑地となっている。この境内はほぼ長円形で、南北約280m、東西の幅の広いところで約140m、南にある鳥居をくぐって北に進むと130mのところに社殿があり、社叢は主に社殿の西側と背後にひろがっている。社叢にはシイノキとオガタマノキの大木が多く、ほかにハマセンダン・エノキ・ヤマザクラなどの高木が見られ、バクチノキ・モクタチバナ・ホルトノキ・ナタオレノキのほか、草本のアオノクマタケランがある。このなかで大木はないが、モクセイ科のナタオレノキの多いのが目につく。五島列島の低地における暖地性樹種を代表するものであり、価値がある。
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