長崎奉行所関係資料は、長崎奉行所が作成した資料、受領した資料とその控え・写し等からなる。遠国奉行所の中では最もまとまった歴史資料であり、とりわけ中国・オランダ貿易を管掌する幕府機関の資料としての価値は高い。特に「犯科帳」は、寛文6年(1666)から慶応3年(1867)におよぶ200年間の近世法制史料として、非常に貴重なものである。さらに、明治維新後、これらがスムーズに新政府(長崎県)に引き継がれ、多くの文書類が現役の行政文書として活用された点は珍しいといえる。本指定資料は、原則として、慶応4年(1868)2月に長崎裁判所が設置されるまでに長崎奉行所に保管されていた資料群で、その後長崎県に引き継がれたものである。
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