福島東部、福島大橋が架かる喜内瀬から籾ノ浦に通ずる道に沿った小川の川床をなす岩盤に、多くの甌穴が見られる。甌穴は約50m間に大小100以上もあり、大きいものは径30㎝以上で、深さは20㎝もあるが、小さいものには径5~10㎝位のものもある。甌穴を生じている岩盤は粗粒玄武岩であり、背後の白岳(標高173m)を形成する岩石である。近くに大きな採石場があり、この岩石を採掘している。甌穴は、ポットホールとか、かの穴ともいわれ、川床の岩石に割れ目や軟らかい部分があると、流れによる選択浸食が行われてくぼみを生ずる。更に渦流のため小石がくぼみの中に転動すると、円形の穴に拡大する。喜内瀬川甌穴群は規模の大きなものではないが、河成の甌穴群としては県下では珍しく価値がある。
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