釈尊誕生を祝う場面である。花御堂に天上天下を指さして立つ釈迦を中心に鳳凰や奏楽の天人が空に舞い、地上では多くの人々がお祝いに寄り集まっている光景である。花御堂の蓮台に立つ釈尊は、左右の白竜、青竜の甘露の水を受けている。釈迦の肉親は金糸、花御堂の柱や框などは紫糸で縫い、紺、青緑、薄茶、白、緑などの糸を用いている。天上には金糸の尾をひらつかせた鳳凰が太陽のもとに飛び、左上方には、琴、太鼓、琵琶などを持つ天女、右上方には、笛、太鼓、笙(しょう)を持つ天女たちが舞い、地上の30人ばかりの人々は、手折った花や捧げものを持っている。松浦鎮信(しげのぶ)公の請来と伝えられている。製作は朝鮮李朝時代と考えられる。本地138㎝×134.8㎝。
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