福島町浅谷(あさがい)北方の櫃崎海岸には、佐世保層群柚木(ゆのき)層の砂岩を主とする地層が露出し、南北の走向をもち、西へ15°傾斜する。波食台に露出する砂岩層を横切るN80°W方向の幅約70㎝、延長約30mの板状の玄武岩岩脈の先に、長径約15m、短径約11mの玄武岩のこぶ状の盛り上がりがあり、平面的には楕円形をなす。岩体の周縁部は、幅約1m(90~120cm)の急冷相を示す多孔質の玄武岩が突出する。中心をなす直径約6mの岩体は、上半部が緻密な玄武岩であり、柱状節理が発達するが、下部は角礫状となる。周縁部の柱状節理から判断すると、深部は内側に向けて収縮し、断面では漏斗形をしているものと判断される。直線状の板状の岩脈は珍しいものではないが、一般的な板状岩脈の一部が、この岩脈のように漏斗形(逆円錐形)を呈するのはきわめて珍しい現象である。
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