北松浦炭田の一つ、松浦炭坑の事務所として建築されたもので、明治45(1912)年と明記された設計図があり、大正初期の建築と考えられる。砂岩ブロック石造洋風建築であるが、砂岩は近郊で産出したといわれる。昭和45(1970)年3月に閉山するまでの約60年間、石炭産業の盛衰とともに、その本部事務所として使用されてきたが、形もよく、石造建築としての重厚さもあり、保存状態も外部はおおむね旧態を残している。現在、佐世保市世知原炭鉱資料館として活用している。県北地域の洋風建築の遺構として珍しく、また炭鉱関係の遺構という点からも貴重なものである。
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