崇福寺大雄宝殿の主尊釈迦如来像と迦(か)葉(しょう)、阿(あ)難(なん)の両脇(わき)侍(じ)像、及び堂内左右に並ぶ十八羅漢像は、中国の明朝様式を伝える仏像群である。昭和10年(1935)頃の仏像修理の際、釈迦像の体内に銀製の五臓、布製の六腑、それに羅漢像寄進者名巻(げん)子(す)や写経扇子などの奉籠物があったことが記録されている。五臓に「承応二年化主何高材」の、六腑の布に「弟子仏師江西南昌府豊城県宣海錦・徐潤陽」「承応弐年肆月初」の文字があったと伝えられている。また、羅漢像寄進者名巻子には「延宝五年丁巳四月吉日」とあり、羅漢像の完成の頃が知られる。釈迦三尊は乾漆像らしく、羅漢像は木彫に漆(しっ)箔(ぱく)彩(さい)色(しき))をほどこしたものであり承応2年(1653)と延宝5年(1677)の24年間の隔りの意味は解けないが、中国人仏師の明朝様式による造像として貴重な遺例である。
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