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●在庁落しの古戦場
対馬には古来、上見坂を「在庁落しの古戦場」とする伝説がある。宗氏初代重尚と当時対馬を支配していた阿比留平太郎氏は、対馬地頭の運命をかけてこの地で激しい戦いを展開した。在庁阿比留氏の館は?知にあり、決戦に臨み当の軍勢はこの地に陣を構え迎え撃つ態勢をとった。その時宗氏は、豆酘(つつ)から府中(厳原)に兵を進め?知に向けて進んだのである。かくしてこの地一帯の高原を血に染めて激しく戦い、やがて勝敗ありて宗氏の勝利となったのである。以後この地を「在庁落しの古戦場」というのである。宗氏が阿比留氏を追討して対馬治政を始めたことは、陶山存(訥庵)編の『宗氏家譜』にみえる。「重尚君」の項に、「寛元4年滅対馬州在廰阿比留平太郎遂」とみえる。
むろんこれらは史実ではなく、重尚という人物も実在は確認されていない。阿比留氏から宗氏への政権交代も、争乱もなく移ったとみられ、また宗氏初代は助国とされている。 |